ベンチャーに入社したら今よりも成長できる環境があるのかな…
採用HPなどをみても、ベンチャーってやたらと成長環境をおしてきますよね。
「20代から役員になれる!」
「実力主義だから若手でも管理職に抜擢します!」
「若いうちから事業をつくる経験ができる!」
でも、果たして本当にベンチャーでは成長できるんでしょうか?
結論から言うと、特定のスキルを身につけるのなら大企業のほうがやりやすいです。ベンチャーではとにかく人が足りないので、広く浅くいろいろなスキルが身につきやすいという特徴があります。
どちらがいいのかは人それぞれ違うと思います。ただ、市場価値が高くなりやすいのは、特定のスキルに秀でており、何ができるのかが明確な人です。何ができるのかが明確だと、どんな仕事を任せればいいのか分かりやすいですし、より結果を出してくれそうな感じがするからです。
なので、何も考えずに「ベンチャーだから成長できるはず!」と思って就職や転職をすると、自分が期待していたような成長ができずに転職が失敗してしまう可能性があります。
そこでこの記事では、ベンチャーで2年、大企業で4年働いた実体験を元に、
- ベンチャーではどんな成長ができるのか?
- ベンチャー = 成長というイメージはなぜ生まれるのか?
- ベンチャーが気になった場合はどのような行動をすればいいのか?
を解説していきます。
なお、この記事で言っている『ベンチャー』とは、従業員数がだいたい50人以下ぐらいの会社を指しています。メガベンチャーは、個人の成長の観点から言うと大企業に近くなります。
「成長はどこでもできる」が前提
大前提は「どんな環境でも成長できる人とできない人がいる」です。ベンチャーだからといって成長できるわけではありません。
どんな企業でも、生き生きと働いて周りよりも高い成果を出している人もいれば、上司や仕事に恵まれずに成果を出せないでくすぶっている人もいるものです。
自分が活躍できないことを何でも環境のせいにする人は、どこにいても成果を出せないまま時間だけが過ぎていってしまいます。
しかし、そんな偉そうなことを言いながら、新卒で社員3,000人ほどの大企業に勤めていた僕も
環境のせいで自分はいい仕事ができてない。
この環境が悪いんじゃないか。転職するしかない!
と、半ば勢いで社員10人ほどのベンチャー企業に転職をしました。
そのベンチャーで約2年ほど働いている中で、「ベンチャーでこそ成長させやすい能力」があることに気がつきました。
ベンチャーでこそ成長させやすい能力
僕の経験上、ベンチャーで身につきやすいのは以下の4つの能力です。
- 環境が整っていなくても何とか事業を形にするというマインドセット
- あらゆる手段を使って目標を実現するコミット力
- 必要であれば自分の役割を超えて行動する当事者意識
- 複数の職務を兼務する能力
具体的なスキルというよりは、「困難なことでも何とかする姿勢」みたいなものは身につきます。
ちなみに、当時の僕が働いていたベンチャーは下記のような状況でした。
- 人が足りないので、新卒・中途採用 / 営業 / 経営企画を兼務
- 仕事の進め方を知っている人たちが周りにおらず、自分の頭で考えたことをひたすらやり続けるしかない状況
このような環境の中で2年間もがいた結果、「整っていない環境でもなんとか事業を形にして売上を作る」という心の持ちようが身につきました。
大企業で身につけやすい能力
一方、大企業は個人の成長の観点で次のような利点があります。
- 人材が豊富なので役割分担がはっきりしており、特定のスキルを腰を据えて伸ばすことができる
- 特定の分野に秀でた人がいて、社内のネットワークを通じて知見を聞くことができる
- 社内にいろんな人がいるので、自分と考え方が違う人とうまくコミュニケーションを取る能力が身につけやすい
- 異職種にチャレンジしたい時も、グループにたくさんの会社があるので希望次第では様々な経験が積める
上記に加えて、大企業出身だと「何かすごい人そう」という印象も持たれやすいです。倍率の高い採用試験を突破しているわけですから。
なので、転職がやりやすいというメリットもあり、大企業からベンチャーに転職するのは容易ですが、ベンチャーから大企業に転職するのは結構大変です。
そのこともあり、新卒で入社するならベンチャーよりかは大企業のほうがおすすめです。
ただ、将来的に企業に属さず、自分個人の力で飯を食っていきたい、自由な働き方をしたいと言う人は、ベンチャーも経験して自分の力で事業を作る能力やマインドを身につけておくのが良いでしょう。
実際僕もベンチャー時代に身についた「自分一人でなんとか事業を形にする」というマインドが、今の副業にも役立っています。
つまり、「何の能力を成長させたいか」「どんな経験を積みたいか」によって、ベンチャーで働くことに向いているかどうかが決まります。
なお、ベンチャーと大企業、それぞれで身につくスキルについては以下の記事に詳しく書いています。
» 大企業とベンチャーで働いてわかったベンチャーで身につく3つのスキル
自分を成長させられるベンチャーの特徴
基本的にはベンチャーよりも大企業の方がスキルは身につけやすいと言いましたが、ベンチャーの中にも自分が成長しやすい企業はあります。
それは、「メガベンチャー」です。例えば、リクルートやサイバーエージェント、楽天などのように、ベンチャー気質を持ちつつ大企業のように教育体制が整っている企業のことです。
そもそも、成長のためにはフィードバックを受けることが重要です。
ところが規模の小さなベンチャー企業だと、社員1人ひとりにメンターをつけたり、細かくフィードバックしたりする余裕はありません。
なので、自分で考えて行動し、試行錯誤していかなくてはいけません。
一方メガベンチャーの場合だと、社員1人につき先輩社員が1人ついて指導してくれます。
規模の大きな会社だと、社内にノウハウが蓄積されているので、自分で試行錯誤しなくても、うまくいく方法論が確立されています。
なんでもそうですが、一番早く成長する方法は「うまくいっている人の真似をすること」です。
なので、成功事例があり、事業も成長しているメガベンチャーの方が、規模の小さなベンチャー企業よりも成長しやすいのです。
ただし、メガベンチャーは知名度が高く、採用倍率も高いので、自分だと入社できないと感じる人は、もう少し規模が小さいミドルベンチャーを狙ってみるのもおすすめです。
なぜベンチャーに入社すれば成長できると勘違いするのか?
ここで、なぜ「ベンチャーに入れば成長できる!」という考えが一般的に広まっているのかの背景を説明します。これには「企業側」と「就活生・転職者側」の2つの背景があります。
ただ、この話に興味がなく、ベンチャー企業を受けたいと思っている人は、ベンチャーが気になるならやるべきことに飛んでください。
ベンチャー側のPRの問題
ベンチャー企業で採用担当をしていた時に痛感したのですが、ベンチャーは本当に「何もない」ので、採用活動はかなり大変でした。
- ブランド力がない
- 金がない
- 福利厚生がない
- 社員がいない
- 社内の知見がない(XXならYYさんに聞けばOK的な)
これらは全て大手企業やメガベンチャーに劣っています。しかし何か優れている点をアピールしないと就活生や転職者に見向きもされません。
ベンチャーが採用活動で勝負できるポイントは、だいたい次の3つです。
- 個人が圧倒的成長ができる環境がある(と言えること)
- 世界を変える事業を0からつくる瞬間に携われる
- 社会的意義の高い事業ができる
このようにベンチャーのPRポイントとして「圧倒的成長」があるので、「ベンチャー=成長」が刷り込まれ、いつしか成長はベンチャーの専売特許のような価値観が作られてしまっています。
就活生・転職者側の心理の問題
一方で「やっぱ成長するならベンチャーだよね!」という価値観が生まれる背景には、就活生や転職者側の心理の問題もあります。
新卒で20代で大企業に入り2~3年たつ頃には、自分の会社の嫌なところがみえてきます。
なんであのおっさんは新聞だけ読んで定時上がりして1,000万円もらってるんだ
やる気も能力もなく、飲み会でセクハラ発言ばかり言っている人が部長なんだ
そこで、仕事は慣れたがなんか自分の成長が止まってきている、と思って周りを見渡すとこう思ってしまいます。
自分が成長できないのは、周りの環境が悪いからではないか?
実際いまイケているベンチャー企業はみんな若いし活力にあふれている感じがする
やっぱり大企業にいては刺激が足りず成長できない。
成長するならベンチャー企業に身をおいたほうがいいのかもしれない
実際僕もほぼ全く同じような思いをもって大企業からベンチャーに転職しました。
そして、OB・OG訪問をしたときに、こういう考えの先輩から「大企業よりもベンチャーのほうが成長できる」と吹き込まれてしまうのです。
ベンチャーが気になるならやるべきこと
ここまでで、ベンチャーと大企業での成長の仕方の違いはある程度理解できたかと思います。
ただ、ベンチャーに向いていない人が入社しても、すぐに退職してしまう可能性があります。そうなると成長もクソもありません。
ベンチャーに向いているかを確かめる
なので、まずはベンチャーに向いているかどうかを確かめましょう。
ベンチャー向きの人の特徴は以下の5つです。
- リスクを許容できる人
- 何事にも積極的で主体性の高い人
- 仕事を通じて明確に達成したいことがある人
- 自分の実力を評価してもらいたい人
- 方針や環境の変化に臨機応変な対応ができる人
ベンチャー、特にまだ設立間もない会社は常に倒産のリスクがあります。そしていちいち指示を出してくれる人もいないため、自分から積極的に動いていく必要があります。
ただ、仕事を通じて解決したい社会課題、実現したい世の中が明確な人は、ベンチャーでの仕事にやりがいを感じられます。それがベンチャーで頑張る気力になります。
また、自分の実力に自身がある人、実力を評価してもらいたい人も結果が出せればすぐに評価されるので、楽しく働けます。
ベンチャーに向いている人・向いてない人については以下の記事で詳しく解説しています。
» ベンチャーに絶対向かない人と向いている人の違い
就活・転職エージェントを利用すると楽
ただ、自分のことを正確に理解するのは簡単ではありません。自己分析をやったことがあるならよく分かると思います。
なので、素直に他人の力を借りたほうがスムーズに就活や転職を進められますし、失敗確率も下げることができます。
そこでおすすめなのが就活エージェントや転職エージェントを利用することです。
エージェントは、これまでに何人もの就活生や転職者を見ているので、あなたが気づいていない特徴や強みを見つけ出し、ベンチャーに向いているかどうかを客観的に判断してくれます。
面談を受けて、これまでの経歴やどういう企業が希望なのかなどを話す必要はありますが、あなたに合った企業を提案してくれるのでわざわざ自分で探す必要がありません。
そして提案された企業を見て実際に受けるかどうかを決めればいいのです。
就活エージェントも転職エージェントもすべて無料でサービスを受けられるので、1円も損しません。
おすすめの就活エージェントも選んでおいたので、まずは気軽に相談してみましょう。
※すでに社会人で転職したい人向けのおすすめ転職エージェントは、以下の記事の中で紹介しているので、読んでみてください。
» ベンチャー転職で登録しないと後悔するサイトと転職エージェント
おすすめの就活エージェント
JobSpring Agent
JobSpring Agentは、マッチング精度の高さがウリの就活エージェントです。
CUBIC適性検査やAIなどのデータに基づいてあなたに合った企業を紹介してくれるため、内定承諾率70%(平均は約36%)の実績を叩き出しています。
大手の就活サイトでは、メールで大量の送られてくることが多い一方で、JobSpring Agentでは平均3~4社ほど。本当にあなたに合う企業のみを紹介してもらえるので、1社1社の選考に集中でき、結果として選考も突破しやすくなっています。
もし選考に落ちてしまっても、不合格理由から改善策を一緒に考えてくれ、内定獲得までつきっきりでサポートしてもらえます。
利用者のアンケートでも「自分の話を親身に聞いてくれるか」で平均4.4点(5段階中)と人気があり面談の枠もすぐに埋まってしまうので、早めに登録しておきましょう。
irodasSALON
irodasSALONは、あなたが本気でやりたいと思える仕事を見つけられる就活エージェントです。
自己分析や企業分析のサポートのために、
- 以前は5万円もしたキャリア講義
- 160ページを超えるキャリア形成教材
などが無料でもらえます。
加えて、キャリアカウンセラーが一人ひとりについてくれるので、困ったことがあればすぐに相談できます。
結果として、
- 利用者の満足度95%
- 年間に13,000人が利用
- 内定率98%
といった実績が生まれ、企業からも信頼されているため、人によっては「irodasSALON特別ルート」で選考を受けられることがあります。
当然、特別ルートは人数制限があるので、早めに登録しておくと有利です。
キャリセン
キャリセンは、内定率の高さや短期での内定獲得に定評のある就活エージェントです。
元人事担当者や有名なキャリアコンサルタントと、1時間のマンツーマン就活相談などを通して内定獲得率が5.4倍になり、年間1,000人以上が内定を獲得しています。
採用担当の本音を熟知しているからこそ達成できた数字ですね。
最短2週間で内定を獲得できるので、就活に出遅れて焦っている人に特におすすめです。
紹介企業の選考に関しては、合否関わらず企業側からのフィードバックをしっかり伝えてくれるので、面接の練習台としての利用価値もあります。
レバテックルーキー
レバテックルーキーは、ITエンジニアになりたい就活生や大学生・院生に特化した就職エージェントです。
エンジニアの転職やフリーランスで日本最大級のエージェントなので、エンジニア業界を熟知しています。
レバテックルーキーの強みをまとめると以下の通りです。
- 利用者の内定率は85%以上
- 大手・中小・ベンチャーの優良企業を紹介してくれる
- 受かるES、GD、面接ノウハウをこっそり伝えてもらえる
- 最短1週間で内定を獲得できる
- 多数のIT企業の人事とつながりがあり、独自の情報もあり
就活アドバイザーがエンジニアの知識に精通しているので、あなたの志向性やスキル、入社後のキャリアパスを考慮したアドバイスもしてもらえます。
人気があるため面談の枠は埋まりやすいので、早めに登録しておきましょう。
他にもベンチャーに強い就活エージェントは以下の記事で紹介しているので、合わせて読んでみてください。
ベンチャーで働く人の話を聞いてみるのも吉
身近にベンチャーで働いている人がいれば、話を聞いてみるといいでしょう。実際にどういう働き方なのか、待遇はどうなのかなど、生の声は何よりも貴重な情報です。
とはいえ、そういう知り合いがいない人も多いと思います。そんなときはWantedlyを利用するといいでしょう。
Wantedlyではベンチャー企業に特化した求人サイトで、サイト上から選考と無関係なカジュアル面談を申し込むことが可能です。
場所もオフィスの会議室ではなくオープンスペースだったりカフェだったり、リラックスした環境で、ベンチャーの中の人に直接「ベンチャーってどんな感じ?」を聞くことができます。
オンライン面談も対応してくれる企業は多いので、気軽に相談してみるといいですよ。
また、就活生であればOB・OG訪問を、すでに社会人であれば社会人インターンに参加してみるのもおすすめです。
まとめ|ベンチャーでも大企業でも成長はできる
この記事の内容をまとめます。
- 大前提としてベンチャーでも大企業でも成長はできる
- ただ成長の内容が異なる
- ベンチャー:「窮地でも何とかする力」や「事業を0から作り上げる力」が身に付く
- 大企業:自分の磨きたいスキルを腰を据えて伸ばせる
- ベンチャーには向き不向きがある
一番不幸なのは、ベンチャーに向いてないのに成長できそうだからとベンチャーに入社してしまうことです。
最悪の事態を防ぐためにも、ベンチャーに向いているのかどうかはエージェントに相談してしっかりと確認しておきましょう。