こんちには。大企業→ベンチャー→大企業と、20代で2回の転職をしたトニーです。
早いスピードで成長したいんだけど、大手企業だと成長できないんじゃないか?
という疑問にぶつかったことがある人はたくさんいます。
結論から言うと、そう言うなら大人しく大企業入っといた方がいいっすよ、という内容です。
この記事は次のような人向けです。
- 大手かベンチャーか迷ってる就活生
- 大手だと成長できないのでは?とネガティブに思っている社会人
はじめに言いますが「やや辛口」です。
「勝手に成長する人」と「成長の要件」
まず前提として、
- 勝手に成長する人
- 支えてもらって成長する人
の2種類の人間がいます。受験でも同じですが、自分で勉強できるか、塾に行かないと勉強できないか、といった感じです。
次に、ビジネスにおける成長で必要なことはある程度決まっています。
それは、以下の4つです。
- 情報が足りない不確実な環境下
- 定められた期限
- 自分が意思を込めた意思決定を早く繰り返す
- フィードバックをもらう機会
長いので1つ1つ解説しますね。
情報が足りない不確実な環境下
ビジネス上では、自分が何か意思決定をするときに、十分な材料があるとは限りません。
例えば高校生の時には、「偏差値」というわかりやすい物差しがあったので、大学別の偏差値ランキングがあればある程度いい大学かどうかが判断できますよね。
一方、例えばあなたが商品Aの営業だとして、「売り上げを最大にして!」と言われたらどうしますか?
売る件数を増やす方がいい?あるいは単価の高い商品を売ることに注力したらいい?
また、さらに視点を経営寄りにすると、
- そもそも今の単価は適切?
- そもそも商品AよりもBを売った方がいいのでは?
- そもそも新商品Xを開発した方がいい?
など、決めなければならないことがたくさんあります。
しかし、そのための情報がバッチリ揃っているわけではありません。どこにその情報があるかもわからないことがほとんどです。
情報が不足している中でも、自分なりに仮説を立て実践していく。これが成長には不可欠です。
もちろん、決めるための情報を与えてくれるような環境は楽です。
ただ、成長するためにはカオスな環境下で仕事をすることが必要です。
定められた期限
ビジネスは他社との競争です。
情報収集やストーリー構築に時間をかけすぎた結果、他社に先を越されて会社が潰れる、ということはざらです。
なので、限られた時間のなかで以下に早く判断するのかが求められます。
自分が意思を込めた意思決定を早く繰り返す
ただ早く決断することであれば小学生でもできます。
大事なのは、その決断にどれほど「自分の意思を込めることができるか」です。
なぜなら、自分の意思がこもっていなければ他人のせいにしてしまうからです。
「自分で決断した」と思えるからこそ、自分ごとで考え、行動していくことができます。
フィードバックをもらう機会
フィードバックのもらい方には次の2種類あります。
- 市場からもらう
- 社内からもらう
市場からのフィードバックとは、営業したりプロダクトを作ったりすることで、実際に顧客からもらうフィードバックのことを指します。
一方、社内のフィードバックというのは、研修制度だったり、メンターからの指導だったり、同僚やマネジャーからの助言だったりします。
市場からのフィードバックの方がリアルですが、必ずしもわかりやすい形でもらえるとは限らないというデメリットがあります。
例えば営業をして、その後営業先の企業に電話をしたけど無視されている場合を思い浮かべてください。
これは、「あなたの提案に価値を感じなかった」というフィードバックですが、「じゃあどうすればよかったのか」なんて、いちいち顧客は教えてくれません。
フィードバックのもらい方が大きく成長に影響する
ここまでの内容を読んで、
え、じゃあやっぱりベンチャーがいいんじゃないの?
と思ったなら、残念ながら視野が狭いと言わざるを得ません。
ポイントなのは、
- これら4つの要素は掛け算であること
- 大企業とベンチャーで最も異なるのは、4つ目のフィードバックであること
ということです。
ベンチャーだと、フィードバックは市場からもらうしかありません。
新卒で取締役や事業責任者などになったり、そもそも自分のチームに人が2,3人しかいなかった場合、社内でフィードバックをもらう機会というのは大企業と比べ圧倒的に少ないです。
一方大企業では、ご想像の通りフィードバックの機会がとても多いです。
新人1人に対してメンターの先輩が1人ついて、みっちり指導をしてくれます。
つまり大企業では社内のフィードバックが、ベンチャーでは市場からのフィードバックが主になります。
そして、ほとんどのベンチャー志望の人にとって「市場からのフィードバックをもらう」ことはできません。
なぜなら、誰も答えを教えてくれない中で自分自身で仮説を立ててトライ&エラーを繰り返せる人、というのは世の中にほとんどいないからです。
しかも、あなたが若ければ若いほど、自分でトライ&エラーを行うのは難しいです。なぜなら、自分で仮説を立てるためには経験が必要だからです。
なので、僕は若い人、特に新卒でベンチャーに行くことはおすすめしません。逆に成長できない可能性が高いからです。
ベンチャーに行っていかに1,2,3が「いい成長環境だ!」といっても、4がほぼ0に近い環境では、その人は成長しません。
成長したい!という人の多くは、「そこにいけば成長環境があるに違いない」と思うからベンチャーを目指します。
しかし、先ほど述べた通り、「自ら仮説を立てて行動して、周りを巻き込んで成果を出せる人」というのは難易度が高く、環境依存型の人にとっては全く成長できない環境です。
これが、成長成長と言ってる人の大半は大企業の方が実は成長するよ、という理由です。
「大手disり」ではなく、自分に合うか合わないか
ここまでいうと、これで大企業選ぶ人はせいぜいそのレベルだぜ、と言っているように感じるかもしれませんが、全然disってないです。
これは単に合う合わないの問題なんです。
ベンチャーで爆速成長!と言ってる奴が偉いわけでもなんでもありません。
自分にとって合うのか合わないのかを把握して会社を選ぶことが大事です。
ベンチャーに合う人・合わない人は別の記事で解説しているので、知りたい人は読んでみてください。
» ベンチャーに絶対向かない人と向いている人の違い
自分に合った成長環境に行かないとどうなるか
では実際に、ベンチャーが合わない人がベンチャーに行ってしまうとどうなるのかを紹介します。
自分に合ってない環境で働いた新人くんの末路
前職のベンチャーで、
若いうちにとにかく成長できるような場所がいい。
そのためには新卒でも自分の責任で事業をできるような自由な環境がいい。
と言って入社してきた子がいました。
その子は、希望通り1年目からとある新規事業の事業責任者をすることになりました。
そしてどうなったか?
一緒に働いていた感想としては、「ほぼ成長してなかった」です。
そのベンチャーは社員が全員で20人ほどで、一人一人が自分の持ち場を大きくしていくのに精一杯でした。
なので、その新卒の子の事業を誰かが常に見てアドバイスをするような環境にはなく、ほぼ一人で事業を形にしていくことが求められておりました。
で、ここで勝手に成長する人(=ベンチャーに向いていて、ベンチャーで成長ができる人)は、自分で考えて行動をして、わからないことがあれば自分から先輩を捕まえてガンガン質問したり壁打ちしてもらったりするものです。
しかし彼はそれもできず、結局、新規事業自体うまくいかなくなり別の事業部の一メンバーとなりました。
これが「ベンチャーであれば成長するための環境があるはずだ」と思って入ってしまった人のリアルな実態です。
実際、僕もベンチャーに向いてなかった
僕は、大企業→ベンチャー→大企業と2回転職しているのですが、僕もベンチャー向いてなかったなと思っています。
新卒で入った会社をやめようかどうか迷っていた時、僕は例に漏れず
もっと成長するためには、こんなぬるい環境でいてはだめだ。
ベンチャーだったら成長できるはず!
と思って退職しました。
その後ベンチャーに入ってみたはいいものの、「誰にも監視されない代わりに、誰も何も教えてくれない」環境の怖さを身に染みて感じました。
入ってから数ヶ月はがむしゃらにやったのですが、僕がそのベンチャーでたまたま面倒を見て気にかけてくれる3つ上の中途入社の先輩がいて、その人と一緒に仕事をすることが多くなりました。
その人はかなり面倒見の良い人で、自分が全くできなかったビジネスの根本を叩き直してくれたおかげで、徐々に成果が出るようになって昇進もしました。
でもそのような人がいなかったら、僕は間違いなく今ころベンチャーでまだ仕事ができない状態で過ごし続けていて、転職もろくにできない状態になっていたと思います。
この経験を経て、「僕はベンチャーのように、誰にも邪魔されることなく自分で考えて市場からフィードバックをもらうスタイルは合わない」ということがわかりました。
ベンチャーが合うか合わないかを知る方法
ベンチャーが肌に合うかどうかを知るには以下の3つの方法があります。
インターンに参加する
実際に働いてみると、一発でベンチャーに合うか合わないかは分かります。
例えば大学生であれば、どこでもいいのでベンチャー企業でインターンをして見ると良いです。できれば長期で1年以上インターンをすることをオススメします。
今では社会人でもインターンに参加できるサービスがあるので、利用してみるといいでしょう。
» 転職前に社会人インターンに参加する方法とメリット
OB訪問でベンチャーで働いている人の話を聞く
とはいえ、インターンに参加するにも手間や時間がかかります。手っ取り早くベンチャーに合うか合わないか知りたいなら、実際にベンチャーで働いている人に話を聞いてみましょう。
おすすめなのは、以下のサービスを利用する方法です。
OBトーク
OBトークだと、自分の大学以外のOBを探して訪問可能です。メーカーや金融機関含めOBトークでしか出会えない社会人もたくさんいます。
社会人は全員本人確認済みで、運営会社が24時間パトロールしているので安心して利用できます。また、音声機能が付いているので顔出し無しでの訪問も可能です。
オンラインでの音声イベントで社会人の本音が聞けるので、効率的に情報収集したい人に特におすすめです。
キャリーナ
キャリーナは、転職ノウハウや転職体験談を共有し合う転職サイトです。
ビデオ通話も可能で、現在ベンチャーに在籍している人の話や、ベンチャーの転職でどのように企業を選んだのか、選考を突破したのかといったリアルな話が聞けるのが特徴です。
一般的な転職サイトと異なり、すべてのサービスがが無料というわけではなく、転職ノウハウなどは一部有料のものもありますが、あなたが転職した際には逆に売ることも可能です。
誰もが知っている有名メガベンチャーの情報もあるので、まずはサイトを覗いてみましょう。
実際にカジュアルに面談してみる
カジュアルに面談をして見るのも良い手段だと思います。
面談をしたら必ずその企業の選考を受けなければならない、という訳では全くありません。
就活エージェントや転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに
どんな会社の雰囲気なのかを見て見たい
という風にキャリアアドバイザーに伝え、気になる企業には実際に自分が足を運んでみると色々な発見があるでしょう。
ベンチャーに強いおすすめの転職エージェントも選んでおいたので、紹介します。
※新卒の就活生向けのおすすめ就活エージェントは、以下の記事の中で紹介しています。
» 【新卒】ベンチャー志向の就活生が使い倒すべきサイトはこれだ!
ベンチャーに強いおすすめの転職エージェント
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
他にも、以下の記事でベンチャーに強い転職エージェントは紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
» ベンチャー転職で登録しないと後悔するサイトと転職エージェント
まとめ|結局やってみないとわからない
以上、ベンチャー企業志望の方にとってはやや辛口で振り返ってみました。
どこまでいっても、やってみないとわからないという側面はあると思います。
実際にベンチャー企業で働くことに何の不安もない人はいません。でも合ってるかどうかを想像する努力はできます。
そのために転職エージェントの力を使うんです。
彼らとの面談を通じて、またベンチャー企業との面接を通じて、だんだんと自分が「なぜ」ベンチャーに行きたいと思っていたのか」を言語化していくことができます。
何もやらないと未来は変わりません。まずは小さな一歩から踏み出して、これまでの自分を変えましょう。