ベンチャーではどんなスキルが身につくんだろう。大企業とはどういう点で違うのかな
こういう疑問を持っている方もいるでしょう。
この記事を書いている僕は、大企業で約4年、ベンチャーで約2年の勤務経験あり。
実際に働いてみて体験したことをベースにお話しします。
この記事では下記を解説します。
- ベンチャーで身につきやすいスキル・大企業で身につきやすいスキル
- 今後市場価値を上げるためには、ベンチャーでスキルを磨いたほうがいいのか
- スキルは身につけたいけどベンチャーは怖いという人はどうすればいいのか
ベンチャーで身につきやすい3つのスキルとは?
個人的には次の3つかなと思います。
完成度低くてもアウトプットを出す力
ベンチャーでは多少粗くても、とにかく早く仕事を進めることが良いとされます。
ベンチャーはそもそもが短期間で高いレベルの成果を出すことを投資家からも求められている企業がほとんどなので、「まあゆっくり1年かけて様子を見よう」みたいな雰囲気ではありません。
常に前月、前年を大きく上回り続ける成績が求められるので、競合他社よりも早く実績を出して市場のシェアを取ることが至上命題です。
そのような環境下では、自分でお客さんと商談をまとめてきたり、まずは自分でプロダクトを作ってしまうことが評価されます。
例えば営業のシーンを例にとって説明します。
クライアントとの商談が大詰めで、あとは価格面での交渉だけ、ということになりました。
今日取締役会があり、もしあなたの会社が値引きをしてくれるならば、その場で決議を取るよ。
値引きについては上司と話してないな。。でもこの場で回答しないと、競合相手に契約を取られてしまうかも。。
ベンチャーで評価されるのは、その場で自分で判断をして値引きをしてでも重要な契約をとってくることです。
自社にとって不利益になるような値引きは論外ですが、自分なりに論理立てて説明できれば上司に怒られることは少ないはず。
僕がいたベンチャーでも値引き額は各営業担当に任されていました(後から、一定額以上の値引きは持ち帰ることになりましたが)。
自分ごととして捉える力
ベンチャーでは大企業と違って一人一人の役割が曖昧です。前職のベンチャーで働いていた時には、下記兼務していました。
- 営業(プレイングマネージャー)
- カスタマーサポート
- 新卒 / 中途採用
大企業で当てはめると4〜5部署くらいの役割を兼務していたと思います。
これは僕が特別なわけではなくて、人がいないので兼務をしないと回らないという実態がどのベンチャーでもあります。
だからこそ「それは僕の仕事ではないから関係ありません」というスタンスはあまり受け入れられません。
問題が起きたらそれが自分に関係がなかったとしても、全員で解決をして前に進んでいくことが求められます。そうする中で、何事も自分だったら問題を解決するために何ができるかを考えるようになります。
何もない状況からもなんとか事業を形にする力
ベンチャーは想像以上に何もないです。
- 会社の組織体制が整っていない
- 事業を運営する上でのルールがない
- 安定的な利益をもたらす優れた事業もない
- 人も十分にいない
そんな中で「今ある事業を拡大しつつ、新しい柱となる事業を1から作ろう」というのが基本的に全員に求められます。
すると、何もないところからなんとかビジネスの形にする姿勢が嫌でも求められます。
全くツテがないけど、業界セミナーに顔を出してみるか
セミナーに行ったらX社のAさんがどうやら業界のキーマンらしい。どうにかしてアポイントを取ろう
このように「なんとかして状況を打開しようとせねば」と努力をする過程で、自然に事業を形にしていく力が身につきます。
これら3つの力をまとめるなら、ベンチャーで身につくスキルは「無人島でサバイバルできるような力」です。スキルというよりマインドセットという方が近いかもしれません。
ちなみに、何か特定の分野のスキルを身につけるためにベンチャーに行きたい!と思っている人がいたら大企業に行ったほうがいいです。
大企業ではベンチャーにはない以下のようなものがあるからです。
- 会社に蓄積された事例が豊富
- 実際のビジネスを経験している先輩に直接習える
- ヒトモノカネ情報のリソースをふんだんに使用できる
大企業で身につきやすい3つのスキルとは?
逆に大企業で身につきやすいスキルは次の3つかなと思います。
様々な関係者の視点で物事を思考をする力
大企業ではベンチャーに比べて仕事上で関わる人数が多くなりやすいです。だからこそ、自分がやっている仕事の影響範囲を自然と考えるようになります。
つまり「他部署だったらどう思うだろう」「クライアントはどう思うだろう」というように、相手の立場に立って思考する機会が多くなるということです。
計画的に仕事を進めていく力
関係者が多い分、まずはやってみてダメだったら戻るやり方ではロスが多くなります。
そのため、以下のようなことをしっかり決めてから仕事を始めることが求められます。
- 自分のプロジェクトのスコープはどこまでなのか
- いつまでに何をやる必要があるのか
- 自分のアウトプットを誰にどのタイミングで接続するのか
- 自分が遅れると周りにどういう影響が出るのか
その中で自然に計画的に仕事を進めていく力がつきます。
多様な人材を巻き込みつつ成果を出す力
大企業には色々な働き方をしている人がいます。
雇用形態で見ると、正社員だけではなく派遣社員、業務委託契約社員、アルバイトもいます。
仕事=人生ぐらいの勢いでバリバリ働く人もいれば、時短で働くワーキングマザーもいます。
自分だけの価値観を押し付けていては、周りの人と共同して仕事を円滑に進めることはできません。
関係者とうまく協業していく努力をする中で、多様な人材を巻き込みつつ成果を出す力が身につきます。
大企業で必要なスキルは全て「関わる人が多い」のが要因。でも多くの関係者と合意形成しながら仕事を形にしていくスキルは大企業・ベンチャ問わずどこでも必要です。
今後市場価値を上げるためには、ベンチャーでスキルを磨くべき?
どんなスキルを身につけてキャリアを構築していきたいか次第
大企業でもベンチャーでも市場価値を上げることはできますが、どの方向で市場価値をあげたいかによります。
【自分を例にとると】
僕はいま大企業で企画系の仕事をしています。
営業戦略を立て、KPI設計し、売上管理をしているのですが、正直これらのスキルはベンチャーに転職するとあまり役立たなくなります。
同じような企画部門を持つ大企業であれば、スキルの転用ができて市場価値が高くなります。
つまり、今後大企業で戦略立案・企画などの仕事でキャリアを構築したいならば、ベンチャーではなく大企業でスキルを伸ばした方が良い、となります。
逆に、0から事業を立ち上げたり、まだ何も整っていない状況から事業を大きくするスキルを身につけたいと思う人にとっては、大企業にいるよりベンチャーの方が適した環境だと思います。
とはいえ、分からなかったら大企業の方がいいかも
そうはいっても、現時点でどんなスキルを身につけたいかが分からないという人もいると思います。そういう人は、大企業の方が良いかもしれません。
確かにベンチャーの方が、1人がこなす役割は多くなるのですが(僕もベンチャーでは営業マネジャーと採用担当を兼務していました)、そこで身につくスキルは浅く広くになりがち。
一方大企業だと、まずは数年1つの部署で特定のスキルを身につけることに専念できます。また周りにもすでにスキルを高いレベルで習得した先輩が必ずいるので、その人たちから学ぶ機会も多いです。
大企業は会社の中に様々な部署を抱えているのが通常なので、社内異動でいくつかの部署を経験してみてから、自分がより極めたいスキルを決めるのが良いでしょう。
ベンチャーで身についたスキルは大企業でも活きている
私は約2年働いたベンチャー企業を辞め、現在はIT系のメガベンチャーで働いていますが、ベンチャーで身につけたスキル・スタンスは、かなり役に立っています。
大企業の中では意思決定が早いほうだと思いますが、それでも分析や検討に平気で2~3ヶ月をかけるような会社です。
またその場その場で判断できることも、何かと会議体にして検討するので、物事を進めるスピードは早くはありません。
その中で人よりも早く形にしてくると、それだけで周りとの評価の差になります。
結局は自分がどんなキャリアを歩みたいか次第ってことか…
そうですね。でも今の企業で働き続けるにしても、自分がどんな方向のキャリアを歩みたいかは明確にしておいた方が自分のためです!
スキルは欲しいがベンチャーは怖い人がとるべき2つの戦略
次の2つです。
- 大企業で”ポータブルスキル”につながる仕事を増やす
- ベンチャーでの働き方について自分なりに肌感覚を持っておく
大企業で”ポータブルスキル”につながる仕事を増やす
前提として、仕事を通じて得られるスキルは、次の2種類に分類されます。
- その会社でのみ通用するスキル
- 会社の外でも通用するスキル(ポータブルスキル)
1つの企業で40年勤める覚悟がある人は別ですが、いずれは転職をすることを考えているなら、自分が今身につけているスキルがどちらのスキルなのかに意識的になるべきだと思います。
そして大企業に勤めながらも”ポータブルスキル”を身につけることは十分可能です。
具体的なスキルの磨き方については、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
ベンチャーでの働き方について自分なりに肌感覚を持っておく
ベンチャーが怖いという背景には、ベンチャーの実態がわからないことがあるのではないでしょうか。
人間誰しも、知らないものについては恐怖を感じるものです。
いますぐベンチャーに転職をしなくても、いずれ転職する可能性があるならば、ベンチャーがどんな働き方をする場所なのかの情報収集だけでもするのは損がないと思います。
今はベンチャーに就職しなくても、ベンチャーの雰囲気を知るためのサービスはたくさんあります。
社会人でも、今の会社を辞めずに雰囲気が知れるのはとても便利ですね。詳細は以下の記事紹介しています。
自分なりに肌感覚があれば、「ベンチャーでも成長できそうだが、今はベンチャーではない場所で自分を成長させる」と自信を持って意思決定をすることができます。
そうしないと、大企業は大企業で面倒な人間関係や社内のための内向きな仕事があるので、嫌なところに目が行って大企業で働いている理由を見失うことになりかねません。
まとめ|自分が身につけたいスキルの方向性を明確にしよう
本日の内容を復習すると、ベンチャーで得られるスキルは下記の3つでした。
でも本当にそのスキルをあなたは身につけたいのでしょうか?今の環境では身につけられないのでしょうか?
よく考えて決断しないと、現代はベンチャーに転職する方が個人として生き抜くためのスキルが身につく!的な風潮があるので、安易に転職だけを重ねることになってしまいます。
繰り返しですが、どんなスキルを身につけたいかは、どの方向性であなたがキャリアを歩んでいきたいか次第です。
だから、自分のビジネススキルが不安なあなたがこの記事を読み終わってまずやるべきことは、自分が今働きながら、どの方向性でスキルを伸ばすべきかについて自分なりに回答を持つこと。
これは一人で黙々と考えるよりも、他の人の客観的な視点を取り入れた方が効率的です。僕がをしている理由もこれ。
実際に僕は下記の目的で、転職する予定がなくても転職エージェントと定期的に面談しています。
- 自分より2,3年先の社会人は、どんなスキルを身につけてどのくらいの年収でどの企業に転職できているのかを実際の転職事例で知る
- 自分は5年後10年後にどういう状態で働いていたいかの相談相手になってもらう
- 自分の今の環境で身につけたスキルが、転職市場一般でどのように見られるのかを把握する
実際に転職はしなくても、転職エージェントに相談だけでもしてみることをオススメします。
人に話してみることで自分の考えが整理されて、今後の方向性が見えてくることもあります。
せっかくここまで読んでいただいても、行動しないと何も変わりません。
ぜひ後悔のないよう情報収集をして、転職する・しないに関わらず良いキャリアの決断ができることを願っております。
最後におすすめの転職エージェントも紹介しておきます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
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世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
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転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
人気の事務職や営業の求人に特に強く、一般事務や経理事務、総務事務や英語を活かす事務系の求人が多めです。他にも、IT系や広報・マーケティングの求人などもあります。
他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
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転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
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