就活でベンチャーを探してるけど、どうやって調べればいいのか、どんなベンチャーが良い企業なのか分からない就活生も少なくないでしょう。
なぜなら、ベンチャー企業の情報は少なく、リクナビやマイナビで探そうとしても掲載されている企業数が多すぎて見つけることができないからです。
僕は以前30人規模のベンチャーでは採用担当もしていたので、ベンチャーが学生向けにどこで企業情報を出しているのか、普通の人よりも熟知しています。
結論としては、就活エージェントを利用するのがもっとも手っ取り早いです。自分で探す必要がなく、あなたに合った企業を紹介してくれるわけですから。
ベンチャー企業としてもただでさえ人手不足なので、就活エージェントがあらかじめ選定してくれると助かるんですね。
他にも、就活生が効率的にベンチャー企業を探す方法を紹介していきます。
【事前知識】いいベンチャーの見極め方
そもそもベンチャーと言っても玉石混交です。様々な会社があります。
「成長できる」ことを謳い文句にしていても、実態は単なる長時間労働をさせられているブラック企業である可能性もあります。
なので、まずはいいベンチャー企業の見極め方から紹介します。
ポイントとしては以下の3点です。
- ポイント①:会社が成長しているか?
- ポイント②:企業のビジョンや事業に共感できるか?
- ポイント③:企業のフェーズとあなたがマッチしているか?
ポイント①:会社が成長しているか?
これが最も重要なポイントです。
ベンチャーは大企業と違って、資金に余裕がありません。大型の資金調達をしてない限りは常に倒産のリスクがあります。
なので、会社がちゃんと成長しているのか?存続していけるのか?は見ておかないと、のちのち後悔します。
会社が成長しているかを判断するポイントとしては、
- 売上や利益が伸びているか?
- 採用人数が増えているか?
- オフィスを何度も移転しているか?
→会社の成長に伴い人が増えるとオフィスの移転が必要なため - 資本金が増えているか?(自己資本で運営している会社の場合)
※資本金が1億円を超えている場合は、資金調達している可能性が高いので、あまり参考にならない。
などがあります。
これらの情報は会社のホームページや、マイナビなどの就活サイトなどから集められますが、自分で調べるのがめんどくさい場合は、就活エージェントに聞いてみましょう。
ポイント②:企業のビジョンや事業に共感できるか?
ベンチャーに就職するなら、理念や事業に共感できるかでモチベーションは大きく変わってきます。要は、やりがいが変わってくるのです。
ただでさえベンチャーでの仕事はきついのに、何のために自分はこの仕事をやっているのか分からなくなると辞めたくなります。
僕は自分の中でビジョンが明確ではなかったので、この点ではモチベーション維持はできませんでした。
ポイント③:企業のフェーズとあなたがマッチしているか?
ベンチャーと言っても、成長フェーズによって社風や新卒社員の扱いなどは全く違ってきます。
フェーズごとのベンチャーの特徴を簡単にまとめると、以下のとおりです。
シード・アーリー | ミドル | レイター | |
---|---|---|---|
会社規模 | 10人以下 | 11-100人 | 101人以上 |
利益 | 赤字or低収益 | 赤字or低収益 | 収益化 |
プロダクト | 構想段階~形にはなっており 初期ユーザーがいる | すでに市場で使っている 人が一部いる | ニッチな市場では 高いシェアを獲得している |
経営戦略 | 市場調査~初期ユーザー の信頼の獲得 | 人員拡大、 拡販体制構築 | 隣接領域への展開、 機能の追加、 組織整備、IPO準備 |
社内の状況 | ・自分たちの給料を 稼ぐのに精一杯 ・一人が複数の職務を兼務 | ・部署やチーム、社内 ルールができ始める ・新しい人がどんどん 入ってくる | ・組織体制がある程度完成 ・一人ひとりの職務 範囲が決まっている |
新入社員研修 | 皆無 | 簡単な研修のみ (数日程度) | ある程度しっかり している |
向いている人 | ・将来的に起業したい人 ・数年間は仕事に人生を 捧げられる人 | ・リーダー経験を 積みたい人 ・自分のアイデアを事業 に取り入れてほしい人 | ・ある程度の給料は 確保したい人 ・一つの職種・スキルを 極めて行きたい人 |
結論としては、シード・アーリー期のベンチャーに新卒で入社するのはおすすめしません。倒産のリスクもありますし、1日14時間ぐらい働ける人でなければ思ったほど市場価値はあがりません。
むしろ、レイター期以降のベンチャーやメガベンチャーの方が、一つの職種やスキルに集中できるため、市場価値としては上がりやすいのです。
その他のいいベンチャーを見分けるポイントは以下の記事で紹介しています。
» 優良?ブラック?ベンチャーの見分け方を元採用担当が解説する
自分一人でいいベンチャーを探すのは難しい
ここまでいいベンチャーを見極める方法を紹介してきましたが、ぶっちゃけまだ社会に出ていない就活生が判断するのは難しいです。
なぜなら、本当に良い企業かどうかなんて働いてみないと分からないからです。
そもそもベンチャー企業の数はかなり多く、一人で集められる情報には限界があります。だからこそ、冒頭で言ったように、就活エージェントを活用したほうがいいのです。
就活エージェントにベンチャーを紹介してもらうと楽
就活エージェントは、基本的にお金を持っている企業としか付き合いません。就活エージェントを利用して就活生を採用すると、企業は1人当たり50万円ほどのお金を就活エージェントに支払わなければならないからです。
なので、就活エージェントが紹介してくれるという時点で「ポイント①:会社が成長しているか?」は満たしているも同然なのです。
あとは、会社のビジョンや成長フェーズが合っているかを就活エージェントから情報を聞きながら確かめましょう。
おすすめの就活エージェントは以下の通りです。
JobSpring Agent
JobSpring Agentは、マッチング精度の高さがウリの就活エージェントです。
CUBIC適性検査やAIなどのデータに基づいてあなたに合った企業を紹介してくれるため、内定承諾率70%(平均は約36%)の実績を叩き出しています。
大手の就活サイトでは、メールで大量の送られてくることが多い一方で、JobSpring Agentでは平均3~4社ほど。本当にあなたに合う企業のみを紹介してもらえるので、1社1社の選考に集中でき、結果として選考も突破しやすくなっています。
もし選考に落ちてしまっても、不合格理由から改善策を一緒に考えてくれ、内定獲得までつきっきりでサポートしてもらえます。
利用者のアンケートでも「自分の話を親身に聞いてくれるか」で平均4.4点(5段階中)と人気があり面談の枠もすぐに埋まってしまうので、早めに登録しておきましょう。
irodasSALON
irodasSALONは、あなたが本気でやりたいと思える仕事を見つけられる就活エージェントです。
自己分析や企業分析のサポートのために、
- 以前は5万円もしたキャリア講義
- 160ページを超えるキャリア形成教材
などが無料でもらえます。
加えて、キャリアカウンセラーが一人ひとりについてくれるので、困ったことがあればすぐに相談できます。
結果として、
- 利用者の満足度95%
- 年間に13,000人が利用
- 内定率98%
といった実績が生まれ、企業からも信頼されているため、人によっては「irodasSALON特別ルート」で選考を受けられることがあります。
当然、特別ルートは人数制限があるので、早めに登録しておくと有利です。
キャリセン
キャリセンは、内定率の高さや短期での内定獲得に定評のある就活エージェントです。
元人事担当者や有名なキャリアコンサルタントと、1時間のマンツーマン就活相談などを通して内定獲得率が5.4倍になり、年間1,000人以上が内定を獲得しています。
採用担当の本音を熟知しているからこそ達成できた数字ですね。
最短2週間で内定を獲得できるので、就活に出遅れて焦っている人に特におすすめです。
紹介企業の選考に関しては、合否関わらず企業側からのフィードバックをしっかり伝えてくれるので、面接の練習台としての利用価値もあります。
レバテックルーキー
レバテックルーキーは、ITエンジニアになりたい就活生や大学生・院生に特化した就職エージェントです。
エンジニアの転職やフリーランスで日本最大級のエージェントなので、エンジニア業界を熟知しています。
レバテックルーキーの強みをまとめると以下の通りです。
- 利用者の内定率は85%以上
- 大手・中小・ベンチャーの優良企業を紹介してくれる
- 受かるES、GD、面接ノウハウをこっそり伝えてもらえる
- 最短1週間で内定を獲得できる
- 多数のIT企業の人事とつながりがあり、独自の情報もあり
就活アドバイザーがエンジニアの知識に精通しているので、あなたの志向性やスキル、入社後のキャリアパスを考慮したアドバイスもしてもらえます。
人気があるため面談の枠は埋まりやすいので、早めに登録しておきましょう。
また、就活エージェントは複数利用したほうが効果的です。その理由は以下の記事で紹介しているので、合わせて読んでみてください。
企業側からスカウトをもらうと思わぬ出会いが
また、逆求人サイトに登録して、企業側からスカウトをもらうという方法もあります。
自分では見つけられなかった優良ベンチャーや、あなたにピッタリな企業が見つかる可能性があります。
中でもおすすめの逆求人サイトはキミスカです。
キミスカは、自分の選考状況をアピールできる逆求人サイトです。
どういうことかというと、例えば「株式会社◯◯の選考で3次面接まで進んだ」という情報を登録すると、
◯◯の3次面接まで行っている学生なら私も会ってみたい
と思った企業側の担当者からスカウトメッセージが送られて来ます。
なので、もし不採用になった場合でも、そのデータが次の企業の選考に活かされます。
早めに登録しておいたほうがお得ということですね。
また、キミスカでは無料登録後に行える「適性検査」で、そもそもベンチャーに向いているのかを診断できます。
キミスカの適性検査のいいところは、労力をそこまでかけずに性格診断と職種適正がわかる点です。10分ほどで完了するので、かなり手軽です。
受験すると、こんな感じの結果が得られます。
性格だけではなく、仕事に対する価値観もわかります。
他にも、職務適性やストレス耐性など全部で9つの項目から詳しい自己分析ができます。繰り返しですが、診断は10-15分ほどでできるので、かなり手軽ですね。
合同説明会に行って採用担当と直接話すのもアリ
他にも、タイミングが合えば、いきなり合同説明会に行くという手もありです。
合同説明会に参加するにもお金がかかりますからね。採用にお金をかけられるぐらいは余裕がある証です。
合同説明会では一気に複数社の話が聞けますし、実際に働いている人と話せるので、社風や働いている人と合いそうかも同時に確認できます。
今ではオンラインで開催しているものも増えてきたので、地方の学生でも気軽に参加しやすくなっています。
なお、合同説明会を探すときは合説どっとこむで探すと見つけやすいですよ。
以下のように、オンライン開催の合説はもちろん、全国各地のイベント情報を検索できます。
他にも、自己分析や面接対策、企業研究に関してのイベントも開催しているので、興味のあるイベントを探してみるのもいいでしょう。
自分でベンチャー企業を探す方法
ここまではどちらかというと他人の力を借りてベンチャー企業を探す方法を紹介してきました。
これまで紹介してきた方法だけでも十分な数のベンチャー企業と出会えますが、もっと多くのベンチャー企業を調べたい就活生もいると思います。
なので、ここからは自分でベンチャー企業を探す方法を紹介します。
ベンチャーに強い就活サイトで探す
おすすめなのは以下の2つです。
- 動画で就活できる:JOBTV for 新卒
- 圧倒的な求人数:ONE CAREER
JOBTV for 新卒
JOBTV for 新卒は、各企業説明会のプレゼンを動画で見ることができる就活サイトです。
Amazon、KIRIN、ソフトバンク、電通など、有名企業の説明会のプレゼン動画も完全無料で見放題です。オンラインでの企業研究もはかどるので、特に地方の学生におすすめです。
それだけでなく、自己PR動画を撮影して企業にアピールできるので、際立ったスキルやガクチカがなくても書類で落とされません。
書類では伝えられない人柄やプレゼン能力なども採用担当者に直接届けることができるので、余計な面接の回数を減らすことができ、効率的に就活を進めることができます。
ONE CAREER
ONE CAREERは、大手総合サイトには載せられていない人気ベンチャー企業や外資企業などを中心に約4.5万件の企業を掲載している就活サイトです。
また、
- 企業の選考を受けた先輩たちのES
- 面接の形式・人数など選考情報
なども見ることができるので、選考前の準備を整える際にも役立ちます。
合同説明会や選考会のイベントも開催されるので、一度はチェックしてみましょう。
上記の2つ以外にも、ベンチャーの就活に強いサイトは以下の記事で紹介しているので、合わせて読んでみてください。
ベンチャー企業向けの賞を受賞した企業から探す
ベンチャー企業の中でも特に有望な企業や、社会課題の解決を行っている企業を表彰する制度があります。
有名なところだと以下の2つがあります。
ただし就活サイトではないので、新卒を募集していない会社もあります。その点は注意しておきましょう。
ベストベンチャー100
ベストベンチャー100では、ベンチャー業界誌の「ベンチャー通信」を発行するイシン株式会社が、これから成長が期待されるベンチャー企業を100社厳選して紹介しています。
「ビジョン」「成長理由」「売上高」「営業利益」などの項目をもとに審査されており、創業してから数年ぐらいの会社が多いです。
アーリー期~ミドル期ぐらいのベンチャーを探したい人向けです。
Japan Venture Awards(JVA)
Japan Venture Awards(JVA)は、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が、革新的かつ潜在成長力の高い事業や、社会的課題の解決を行うベンチャー企業の経営者を称える表彰制度です。
毎年10社ほどのベンチャー企業が表彰されており、過去の受賞企業一覧もこちらから見ることができます。
ベンチャー企業だとどうしてもIT系が多くヒットしますが、JVAだと製造業や食品会社など様々な業界の会社が表彰されており、地域に根ざした企業向けの賞もあるため、地元の優良ベンチャーを調べたい人にも向いています。
» Japan Venture Awardsの受賞企業を見る
STARTUP DBから探す
STARTUP DBでは、スタートアップ・ベンチャー企業の情報がまとめられています。
残念ながら従業員数や企業規模で検索することはできませんが、会社を設立してからの期間で検索できます(ただし会員登録が必要)。
フェーズごとの設立からの期間の基準としては、以下のとおりです。
- シード・アーリー期:3年以内
- ミドル期:4~6年ぐらい
- レイター期以降:7年以上
その他、最近資金調達した会社から探すこともできます。
大型の資金調達をしているから有望なベンチャーだとは言えないのですが、少なくとも資金調達できるぐらいには成長が期待されているとも言えます。企業を選ぶときの一つの基準にはなりますね。
ベンチャー関連の情報を発信するメディアを読む
ベンチャー企業の新規サービス情報や資金調達の情報、経営者のインタビュー記事を掲載しているを読んで、ビジョンや経営者の考えに共感できる会社を探すという方法もあります。
おすすめなのは以下の2つのサイトです。
どちらも経営者へのインタビュー記事がありますが、ベンチャー通信では誰もが知っているメガベンチャー企業の経営者を特に大きく取り上げています。
Techableでは、あまり知名度のないアーリー期のベンチャーが多く取り上げられているので、目的によってサイトを使い分けましょう。
なお、メガベンチャー企業については以下の記事にまとめているので、合わせてご覧ください。
» 【自社開発】Web系メガベンチャー企業の一覧【ジャンル別】
最後に|徹底的に情報収集して後悔しない就活にしよう
この記事で紹介したベンチャー企業の探し方をまとめます。
繰り返しですが、設立間もないシード・アーリー期のベンチャーに就職することはおすすめしません。想像している以上にハードですし、プログラミングやマーケティングなどの即戦力スキルが無いと入社してもスキルアップは難しいからです。
なので、まずは就活エージェントから成長中で財務的な余裕がある程度ある企業を紹介してもらいましょう。
冒頭でも言いましたが、ベンチャーの情報はあまり出回っていません。なので、ベンチャーに強い就活サイトを使い倒して後悔のない就活にしましょう。