航空業界の外資系企業で働く元自衛官・公務員のわびです。詳しい自己紹介はこちら!
この記事にたどり着いた人のほとんどは「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思っている人でしょう。
私も在職中は同じように思い悩み、そして自衛隊から転職し、外資系企業で働いています。
現在はちょうどいい仕事をしながら、家族との時間と自分の時間を楽しんでいます。
でも、自衛官を辞める決心をして転職活動を始めた頃は不安な毎日でした。
というのも「自衛官の退職や自衛隊からの転職などがまとまっているもの」がなく、ネットで調べてもネガティブな情報ばかり。
自衛官の退職や自衛隊からの転職とかまとまっているものがあればいいのになぁ
と思っていました。
だから私は「自衛官を退職、そして自衛隊から転職するための教科書」をまとめることにしたんです。
自衛官からでも安心して転職できるノウハウを私の経験にもとづきギュッと詰め込みました。
この記事の内容はこんな感じです。
これらはすべて私が転職前、転職活動中に悩んだこと、そして実際に転職してみて感じたことです。
すでに気になる内容もあるのではないでしょうか?
この記事を読むことで「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思っている人の悩みが少しでも解決できればと思います。
自衛隊から退職したい理由って?
「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思う理由はいろいろあると思います。
私のまわりの人たちもいろんな理由で自衛官を辞めていきました。
いろんな理由があるということは、それだけ自衛官という職業が特殊なんです。
自衛官という職業の特性
一般の企業に転職して改めて感じたのですが、自衛官という職業はかなり特殊です。
民間とは次の点が大きく異なり、人によっては負担になります。
以上の4つの点は、最近の一般企業では考えられないことです。
さらに自衛隊は自殺する人が多いことも見逃せない事実です。
自衛官の自殺率が国民平均を45%も上回っています。
ほとんどの人はこれらのことに気づき、受け入れられなくなることで「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思うようになります。
私が自衛隊を退職しようと思った理由
自衛隊を退職しようと思う人には2パターンあります。
- 自衛官よりもやりたい仕事がある
- 自衛官がイヤだから自衛隊を退職したい
自衛官よりもやりたい仕事があるという人は、是非チャレンジしてほしいですね!
このようなパターンの人には、次の自衛隊を最短で退職する方法をまとめた記事をおすすめします。
私の場合は自衛官がイヤだから自衛隊を退職したいというパターンです。
私の自衛官生活を簡潔に表現したコメントをするならば、
ブラックですね。
ちなみに自衛隊には残業という概念がないので残業代は出ません。
入隊したばかりの時は自衛隊という組織に多少?の違和感を持ちながらも「自衛隊=実力組織」だからと思い、続けていたんです。
しかし、勤務を続けているうちに、以下のことを理由に自衛隊退職というワードが頭をよぎり始めました。
ほとんどが先に述べた自衛官という職業の特性から来る理由です。
この3つの問題は個人の努力ではどうしようもなく、転職せざるを得ないという結論に至りました。
私のまわりで転職した人たちもこの3つの理由にあてはまります。
もう少し詳しく知りたい人はこちらの記事をお読みください。
自衛隊からの転職前で不安なこと
「自衛官を辞める!」「自衛隊から転職する!」と決心しても完全に不安がなくなるわけではありません。
私が自衛官を辞めて転職しようと思ったときに出てきた不安はこの2つ
- 働きながら転職活動できるの?
- 自衛隊をスムーズに退職できるの?
この2つは自衛隊から転職するときにみんな不安に思うことです。
特に「自衛隊をスムーズに退職できるの?」という相談は今までにたくさん受けてきました。
結論から言うと、どちらも全く心配する必要はありません!
自衛隊で働きながら転職活動できるの?
この不安は自衛官に限らず、転職を考えている人たちの共通の不安です。
仕事を辞めてから転職活動を始めるのもアリだとは思います。
ただ、退職してから転職活動をするのはかなりのリスクがあります。
マジで言うけど
— はやしょう@営業と転職 (@Hayasyo1000) January 4, 2020
転職活動は在職中にしような
内定出る前に会社を辞め
転職活動することは
辞めた方が良い
私は24歳の時仕事を辞め
3ヶ月間転職活動したが
メンタルきたわ
お祈りメールくる度に
自分は存在価値がない
もう内定でない
消えたいと毎日思ってた
ホンマ辛かった
在職中に転職活動しよ
はやしょうさんのツイートでもわかるようにメンタル面でかなりしんどそうです。
私は働きながら転職活動しましたが、このような辛い経験はありません。
ですので、働きながらの転職活動をおすすめします。
では、自衛隊で働きながら転職活動はできるかというテーマに戻りましょう。
「働きながら転職活動できるのか」と不安になる原因はこの3つ。
ひとつずつ見ていきましょう。
自衛官の転職活動は違法か
まず自衛隊在職中の転職活動についてですが、階級が高いと法律・規則上問題がある場合もあります。 情報漏えいを防ぐためです。
自衛隊法の第65条の3「在職中の求職の規制」で定められています。
この規則はかなりわかりづらいです…
結論から言うと「本省係長級以下(1尉・行(-)4級相当以下)」は例外になるので、1尉以下の人は安心して転職活動を行ってください。
もう少し詳しく知りたい人はこちらの資料を参考にしてみてください。
自衛隊員の再就職等規制について|防衛省
転職活動をする時間
転職活動をする際にある程度時間がかかるのは大きく次の6つになります。
面接以外は課業外などの時間を活用して対応できます。
ただ、面接以外の5つを自分の力だけでクリアしようとすると、かなりの時間と労力を要します。
あとで詳しく述べますが、転職エージェントを利用すると面接以外の5つの項目を効率的にこなすことができます。
私は忙しくてなかなか転職活動の時間がとれなかったので、リクルートエージェントのお世話になりました。
転職エージェントはすべて無料ですので、積極的に活用することをおすすめします。
面接だけは課業外や休日に設定するのは難しいので、年次休暇や代休を取得する必要があります。
面接は1社につき通常2〜3回程度なので、4〜6日の休暇を取得できるようにしておきましょう。
転職活動はバレるのか
転職活動を始める前に気になってしまうのが、転職活動がバレること。
でも、転職活動は自分から言わない限りバレることはほとんどありません。
転職活動がバレてしまうのは、信頼している先輩、同僚などに相談するからです。
誰かが転職するという話は魔性の話題で、秘密とわかっていても話したくなってしまうのであっという間に拡散します。
自衛隊のなかでは相談しないようにしましょう。
ただ、個人的には転職活動がバレたところでどうってことないと思っています。
「在職中の求職の規制」 に該当しなければ、何の問題もありません。
転職活動がバレるかどうかを心配すること自体ナンセンスですよ。
自衛隊ってスムーズに退職できるの?
転職活動を始めようと思っても気になるのが、スムーズに退職できるかどうか。
「転職先が内定しても自衛官を辞められなかったらどうしよう」と心配する人は多いと思います。
答えから言ってしまうと、自衛隊を退職するにはある程度の期間が必要になります。
自衛隊退職までに必要な期間は以下のとおりです。
規則上「上申の期限」と「上申までの手続き」は個人の力では変えることができません。
ネット上などで「自衛隊を退職できない!」と言われる理由は「上司による引き止め」を超えることができなかった人たちの嘆きです。
自衛隊をスムーズに退職するために最も重要なのは「上司による引き止め」をいかに早くクリアするかです。
最短で自衛官を辞める方法についてはこちらの記事をお読みください。
自衛隊からの転職後で不安なこと
自衛隊からの転職を考えたとき、転職前のことよりも転職後のことのほうが心配になります。
私が自衛隊からの転職後で不安に思っていたことは次の3つでした。
- 年収は減るのか
- 仕事の環境と人間関係
- 民間企業で通用するかどうか
自衛隊でしか働いたことがなければ、絶対に不安になることですね。
こちらの3つについては、転職先が人によって違うので絶対に大丈夫とは言えませんが、私の場合は大丈夫でした。
自衛隊から転職すると年収は減るのか
転職するときに気になるのは転職後の年収ですよね。
転職後の年収は現職と同等、あるいは現職以上を希望するのが普通でしょう。
でも、自衛官から転職するとなると同等以上の年収はあまり望まないほうがいいでしょう。
ご存知のとおり、自衛官は平均的な日本人より年収が高いんです。
自衛隊は平均年収を公開していませんが、下表の「自衛官モデル給与例」を公表しています。
ただ、このデータは、平成21年10月20日に開催された第1回防衛省政策会議の資料です。今から10年以上も前のデータです。
とはいえ、当時の国民の平均年収が
平均給与は、406万円(対前年比5.5%減、23万7千円の減少)で、男性500万円、女性263万円となっている。
引用元:平成21年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
となっており、労働者の平均年齢がだいたい45歳ぐらいなので、
- 自衛官の45歳の給与:767万円
- 日本国民の45歳の平均給与:406万円(男性だけだと500万円)
となります。
並べてみると、圧倒的に自衛隊の給与が高いのが分かります
自衛隊から転職を考えている人は、現在の年収が一般的な日本人よりかなり多いという事実をよく認識しましょう。
とはいえ、私のように自衛隊から転職して年収が100万円以上アップすることもあります。
年収アップで転職する方法についてはこちらの記事をお読みください。
仕事環境と人間関係は?
自衛隊だけでしか働いたことがない人は一般企業の仕事環境や人間関係も気になると思います。
ほとんどの自衛官は駐屯地や基地といった閉鎖的な空間で、しかも男ばかりの階級社会という極めて特殊な仕事環境と人間関係で仕事をしています。
当たり前ですが、一般企業に転職すると大きく変わります。
このように、一般企業、特に外資系企業は良くも悪くも仕事が捗る環境です。
また飲み会もかなりスマートな感じです。
ただ、自衛隊の仕事環境や人間関係に慣れていると少し物足りない感じもします。
慣れないうちは周りが冷たく感じますが、自衛隊が熱すぎるだけですので心配しないでいいと思います。
自衛官は民間企業で通用するのか
「元自衛官は民間では通用しない」とか「元自衛官は使えない」といったフレーズはよく聞きますよね。
でも、これらのフレーズはネットや自衛隊内でしか聞いたことがないので、部下を転職させないために昔の自衛官が作った都市伝説だと思っています。
- 自衛官はスキルがない
- 民間企業では通用しない
- 自衛官からの転職は難しい
- 35歳を過ぎたら転職できない
これらは全部ウソだと思ってもらって大丈夫です。
また、元自衛官が民間で十分に通用したり、民間で活躍したとしても、おもしろいネタにはならないので誰も発信しません。
なので、ネットなどでよく見かける「元自衛官は使えない」という話はあまり信じないほうがいいです。
私は十分に通用していると思っています(笑)
結論を言うと、通用するしないは転職先によります。
私は航空業界の危機管理に関する部署に転職したので、仕事内容は自衛隊にいた頃とほぼ変わりません。
転職するときに自分の適性にあった仕事を選べば、全く心配する必要はありません。
自分の適性は個人で転職活動をするとなかなか見えないので、業界に詳しい転職エージェントを利用するほうがいいでしょう。
自衛隊から転職する方法
ここまで読んでいただいたら、転職に関する不安はほとんど解消されたかと思います。
ここからは自衛隊から転職するおすすめの方法を教えます。
まずは一般的に転職する方法は次の5つに分類されます。
多数の求人情報の中から、自分で求人を探し、応募する方法
エージェントとの面談を行い、求人の紹介を受けて、選考に進む方法
職務経歴書を登録して、スカウトを受ける方法
知り合いが働いている企業を紹介してもらう方法
ハローワークから求人を紹介してもらう
それぞれの方法には、メリット・デメリットがあります。
おすすめする人 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
転職サイト | ・希望が明確 ・転職に慣れている | 自分のペースや 希望を重視できる | 一人で転職活動を 進める必要がある |
エージェント | ・希望が明確でない ・転職活動が不安 | 転職のサポートを してくれる | 結果がエージェント の質に左右される |
スカウトサービス | ・キャリアに自信がある ・市場価値を知りたい | 基本的に受け身でいい | 市場価値によっては スカウトが来ない |
知り合いから の紹介 | ・知り合いが多い ・誰と働くかを重視する | 知り合いが働いている ことの安心感がある | 内定が出た後に 入社を断りづらい |
ハローワーク | ・失業保険をもらう場合 | 特になし | 紹介される求人の 質が低いことも |
補足すると、ハローワークは企業が無料で人材を採用できます。裏を返せば「人材採用にお金をかけない(かける余裕がない)企業が多い」とも言えます。
一方で、転職サイトや転職エージェントには、企業がお金を払っています。お金を払ってでも優秀な人材を採用したい企業の求人が集まっているということです。
絶対にハローワーク方がダメだとは言いませんが、どうせ利用するのなら優秀な人材を採用するためにお金をかけている企業の求人が多そうな方を利用したほうがいいでしょう。
なので、民間企業に勤めている人が退職して失業保険をもらう場合以外には、ハローワークを利用することはあまりおすすめしません。
以上のことから、自衛官におすすめする方法は「転職サイトと転職エージェントの併用」です。
具体的には次の手順です。
この方法で転職活動をすると、転職サイトで応募しただけでは落ちてしまう求人にも、転職エージェントに推薦してもらうことで通過しやすくなります。
転職サイトは、学歴や企業名などのフィルターを設けていることがあるので、転職サイトから応募ではフィルターで自動的に落とされてしまうことがあります。
ですので、公務員で転職を考えている方は、転職サイトで求人を見つけて転職エージェントに推薦してもらう方法をおすすめします。
また、転職エージェント選びで重要なのはたった1つで、「自分にとって優秀なキャリアコンサルタントに出会えるか」です。
そのためには、複数の転職エージェントに登録しておいたほうが良いでしょう。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
人気の事務職や営業の求人に特に強く、一般事務や経理事務、総務事務や英語を活かす事務系の求人が多めです。他にも、IT系や広報・マーケティングの求人などもあります。
他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
自衛隊から転職後の生活
「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思っている人が最後に気になるのが、自衛隊から転職した人のホンネだと思います。
ネット上で見かける自衛官の転職後の生活って良くも悪くも両極端で、感情的なものが多いのであまり参考になりません。
私は実際に自衛隊から転職した結果、いろんなことが好転しました。
- キレイなオフィスで仕事できる
- 仕事ができる人が上司
- 土日祝が完全に休み
- 無趣味から多趣味に
- 年収300万円UP
- 妻の機嫌が良好
- 体重が4㎏増えた
などなど。ただ、すべてにおいて転職して良かったかというとそうでもありません。
転職して良かったことは多かった反面、「転職しなければよかった」と思うことも少しくらいあります。
自衛隊から転職して後悔しないためにも、自衛隊から転職後の生活のメリット・デメリットをお伝えします。
自衛隊から転職して良かったこと
自衛隊から転職して良かったことはいろいろあります。
仕事環境の改善や良好な人間関係、パワハラや残業の激減など挙げるとキリがありません。
また、これらのことは転職先にもよるので、全員に共通することではないと思います。
自衛隊から転職した人で共通する「良かったこと」は次の2つになるかと思います。
- 自分の時間が圧倒的に増える
- 仕事の責任がとても軽くなる
転職したら自分の時間が増えた
転職して一番良かったことは、「自分の時間が圧倒的に増えたこと」です。
自衛官は、毎日の残業のほか、休日も訓練などがあります。
また、訓練などがない休日でも災害等が起これば出勤しなければならないので、完全に自分の時間といえるときが少ないです。
しかし、自衛隊から転職すると完全な自分の時間をつくることができます。
一般企業では、残業をさせない傾向にあるので、平日は早く帰れます。
私の場合、休日はほぼ完全に休みで、急に呼び出されることもありません。
転職したら仕事の責任が軽くなった
2つめは「仕事の責任がとても軽くなったこと」です。
自衛隊である程度の階級まで昇任すると、部下も多くなり、仕事も重くなります。
一般企業で自衛隊の話をすると引かれるレベルの仕事をこなしています。
どんな仕事にも責任はつきものですが、自衛隊に比べると一般企業の責任は軽いです。
ただ、一般企業は利益に直結する仕事が多いので、営業系の仕事だとしんどいかもしれません。
今はストレスフリーな生活です。
自衛隊から転職して悪かったこと
自衛隊から転職して良かったことばかりではありません。
正直に言うと、時々「転職しなかったほうが良かったかも…」と思うこともあります。
特に次の2つは転職後に時々感じることです。
- お金は貯まらなくなる…
- ちょっと寂しくなる…
転職したらお金が貯まらなくなった
転職して悪くなったことの1つ目は、「お金が貯まらなくなったこと」
現在勤務している外資系企業の年収は自衛官のときよりも100万円ほど高いです。
では、なぜお金が貯まらないのか?
その原因は出費が多くなったことと防衛省共済組合のような利率のいい銀行がないことです。
まず、一般企業で働くと服と靴にかなりお金がかかります(外資系だからかもしれませんが)。
自衛官のときは支給される作業服か制服だったので、仕事の服や靴にお金がかかるという考えがなかったんです。
転職先にもよるとは思いますが、みんなオシャレです。
週5日勤務だと最低3パターンのオフィスカジュアルを準備しなければ確実に浮きます。
季節に合わせた服装を準備するとかなりの出費になります。
そして、防衛省共済組合のような利率のいい銀行がないこと
自衛官のときは、防衛省共済組合の素晴らしい利率を当たり前のように思っていました。
一般的な銀行の利率が低いことは知っていましたが、実際に預けるとその低さを実感できます。
銀行に預けることが馬鹿らしくなって、つい使ってしまいます。
なので、自衛官から転職する際はマネーリテラシーもあわせて勉強することをおすすめします。
転職したらちょっと寂しくなる
実は転職して一番のデメリットは「ちょっと寂しくなる」です。
冒頭に紹介した「自衛官のココが特殊」でつながりが濃いところを挙げましたが、自衛隊を退職すると寂しくなるものです。
一般企業の人間関係は良くも悪くもドライです。
自衛隊に10年以上いる人には冷たく感じるかもしれません。
また、自衛官は一般のサラリーマンに比べて熱く、一生懸命です。
一般企業では同じ部署やプロジェクトでも本気でぶつかり合うことはほとんどありません。
自衛隊を退職した人はあまり口にしませんが、おそらくみんな「ちょっと寂しい」と思っています。
転職する前に頭の片隅に置いておきましょう。
自衛隊から転職後の生活についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
自衛隊から転職して後悔しない為に今やっておくべきこと
ここまで自衛隊から民間に転職するとどうなるのかを紹介してきましたが、転職の前にまずは現状を整理して転職できる状況であるかしっかりと把握する事が大切です。
まとまった貯金もなく自衛隊を退職した後のことも全く考えていないのに、いきなり辞めるのはかなりハイリスク。
実際に多くの人が自衛隊を辞めて後悔しています。
結論としては、自衛隊を辞めて後悔しないために、以下の4つのことを今のうちにやっておいたほうがいいですよ。
- 自衛隊にいる間に貯金をする
- 自衛隊にいる間に培ったスキルや知識をまとめる
- 転職に求めることをまとめる
- 転職エージェントを活用して情報収集を行う
自衛隊にいる間に貯金をする
転職活動にはお金もかかります。例えば、スーツ代、面接のための交通費などです。
自衛隊に在籍したまま転職活動するにしても、最低でも30万円ぐらいは用意しておいたほうがいいです。
また、一般企業で働くと服と靴にかなりお金がかかります(外資系だからかもしれませんが)。
自衛官のときは支給される作業服か制服だったので、仕事の服や靴にお金がかかるという考えがなかったんです。
転職先にもよるとは思いますが、みんなオシャレです。
週5日勤務だと最低3パターンのオフィスカジュアルを準備しなければ確実に浮きます。
季節に合わせた服装を準備するとかなりの出費になります。
なので、できる限り自衛隊にいる間に貯金しておくことをおすすめします。
民間に就職すると、防衛省共済組合のような利率のいい銀行もないですしね。
自衛隊にいる間に培ったスキルや知識をまとめる
民間に中途入社するときに期待されることは即戦力、すなわち会社の売上に貢献できることです。しかも入社してからできるだけ早く。
当然、面接でもどのように会社に貢献できるのかは質問されます。
なので、今あなたがどんなスキルや知識を持っていて、どういう業界や職種なら自分のスキルを活用できるかを整理しておいたほうがいいです。
今自分が持っているスキルをまとめておくと、転職エージェントに相談した時にスムーズに話が進みます。
転職に求めることをまとめる
自分のスキルの整理と同時に、転職に何を求めるのかも考えておきましょう。
例えば、
- 転職時の希望年収、勤務地、やってみたい仕事など
- 仕事とプライベートのバランス
- これからのキャリアプラン
これらに対する自分の希望や、何をいちばん重視するのかをあらかじめまとめておいたほうがいいです。
これは、面接でも「なぜ自衛隊を辞めて民間に就職しようと思ったのか?」は質問されるからです。
もちろん、転職活動を進める中で希望が変わっていくこともあります。ただ、転職活動を始めると時間がなくなりがちなので、転職活動を始める前に整理しておいたほうが楽です。
転職エージェントを活用して情報収集を行う
自衛隊からの転職を検討されている方は、自衛隊に勤めている間に転職に関する情報を集めましょう。
情報収集のときには先ほど紹介した転職エージェントを利用することをおすすめします。
理由としては、
- ネットで探しても見つからない企業の内情を教えてもらえる
- 自分の市場価値を知れる
- どういう業界・職種に向いているのかを知れる
- すべてのサービスを無料で利用できる
などなど。
転職エージェントを利用したからといって、絶対に転職しないといけないということもないので、まずは気軽に相談してみましょう。
自衛隊から転職するのにおすすめのタイミング
転職するのにおすすめのタイミングは次の3つです。
- 仕事の現状に不満があるとき
- 大きなライフイベントがあるとき
- 今の待遇より良い条件があるとき
突き詰めると、この3つしかないのです。
仕事の現状に不満があるとき
転職するタイミングで最もわかりやすいのが、仕事の現状に不満があるときです。
仕事における現状の不満はいろいろありますが、以下の5つに集約されます。
- 年収が低い
- 残業が多い
- 職場環境が悪い
- 人間関係が悪い
- ハラスメントが多い
以上のような不満が大きく、自分でコントロールできないのであれば、転職したほうがいいでしょう。
不満を感じながら働いても成果は上がりませんし、ストレスが溜まるだけです。
大きなライフイベントがあるとき
大きなライフイベントがあるときも転職を考えるタイミングになります。
具体的には次のようなライフイベントです。
- 結婚
- 引っ越し
- 出産や育児
- 子どもの進路
- 大切な人の死別
大きなライフイベントは自分の価値観を大きく変えます。
価値観が変化すると、理想の働き方も変わってきます。
今の待遇より良い条件があるとき
当たり前ですが、今の待遇より良い条件があるときは、転職するおすすめのタイミングです。
ただ、今の待遇より良い条件で転職するには、転職のアンテナを張っておかなければなりません。
転職のアンテナを張る代表的な方法は次のとおりです。
- 転職サイトを定期的にチェックする
- スカウトサービスに登録する
特にスカウトサービスに登録していれば、待っているだけで今より良い条件のスカウトを受けることができます。
おすすめの転職サイトやスカウトサービスについては以下の記事を参考にしてみてください。
実際に私が転職したタイミング
私が実際に転職した時期は以下のとおりです。
- ~34歳幹部自衛官【年収700万円】【お世話になった転職サイト】
市役所の社会人採用試験に合格して市役所へ転職
- 34~36歳市役所職員【年収550万円】【お世話になった転職サイト】
リクルートエージェントの紹介で外資系企業(航空業界)へ転職
- 36歳~外資系企業【年収1,000万円】【お世話になった転職サイト】
ビズリーチのヘッドハンターからスカウト数件
20代後半から自衛隊からの転職を考えるようになり、30代前半で市役所へ転職しました。自衛隊から市役所への転職は、「仕事の現状に不満があるとき」の転職に当てはまります。
当時の私の仕事の現状への不満は以下のとおりです。
- 残業が多い
- 職場環境が悪い
- ハラスメントが多い
残業は月に200時間ほどで、家族が寝ている姿しか見ることができない日々が続きました。
さらに働く環境は悪く、朝礼や掃除などに多くの時間と労力をかける職場でした。
そして、最も不満が大きかったのは上司や先輩のパワハラです。
これら3つの不満が重なり、自衛隊から転職しました。
最後に|自衛隊から転職しないという選択肢もある
「自衛官を辞めたい」「自衛隊から転職したい」と思っている人の悩みが少しでも解決できればと思い、 自衛官からでも安心して転職できるノウハウを私の経験にもとづきギュッと詰め込みました。
最後に考えてほしいことは「自衛隊から転職しない」という選択もあることです。
これまでにも述べてきたように自衛官という職業は特殊です。
私も自衛官としての人生に不安を感じ、退職、転職という道をとりました。
ただ、自衛官を辞めて、自衛隊から一般企業に転職して、初めて自衛隊の良さにも気づきました。
なので、転職先が自分に合わなかったら後悔するというリスクは少なからずあります。
「後悔したくないな…」と思った人はこちらの記事を参考にしてみてください。
転職活動をやってみて「やっぱり自衛隊がいいかな」と少しでも思った人には、自衛隊から転職しない選択をおすすめします。
防衛省で先輩から教わったこと
先輩、お元気ですか?
先輩から教わったこと、全部ウソだったんですね。