航空業界の外資系企業で働く元自衛官・公務員のわびです。詳しい自己紹介はこちら!
この記事で紹介する『30歳以上での自衛隊入隊をおすすめしない理由』を読むと、採用年齢引き上げで自衛隊入隊を考えている30歳以上の人たちは、将来的に路頭に迷わなくて済むようになります。
なぜなら、私は幹部自衛官として10年以上勤務し、ギリギリで入隊してきた自衛官候補生たちの苦労を目の前で見てきたからです。
この記事では、30歳以上での自衛隊入隊をおすすめしない3つの理由を紹介します。
記事を読み終えると、今後は30歳以上で自衛隊入隊という考えは一切なくなり、スッキリとした気持ちで他の仕事を探すことに集中できますよ。
自衛隊の採用年齢引き上げとは
2018年10月1日から自衛官候補生及び一般曹候補生の採用年齢の範囲が下の表のように変わりました。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
自衛官候補生 | 採用予定月の1日において 18歳以上27歳未満 | 採用予定月の1日において 18歳以上33歳未満 |
一般曹候補生 | 一般曹候補生を受ける年の 翌年4月1日において 18歳以上27歳未満 | 採用予定月の1日において 18歳以上33歳未満 |
つまり、30歳を過ぎても自衛隊に入隊できるようになりました。
この自衛隊の採用年齢引き上げは、少子化や民間採用の活発化などの影響で自衛官の確保が困難になっていることを踏まえた措置です。
実際に、自衛官候補生の採用者は5年連続で計画人数に届いていない状況です。
少しデータが古いですが、以下の表を見てください。
特に2018年度は採用者の低下が大きく70%前後になっています。
自衛官候補生の確保はわが国の防衛にとって大きな課題です。
このような状況のなかで、自衛隊の採用年齢が引き上げとなりました。
30歳からの自衛隊入隊をおすすめしない理由
この自衛隊入隊の年齢制限引き上げで「自衛隊に入ってみようかな?」という人もいるかと思います。
でも、私は30歳以上での自衛隊入隊はおすすめしません。
その理由は以下の3つ。
- 自衛隊入隊=正社員ではない
- 30歳以上の入隊は体力的・精神的にキツイ
- 自衛隊は定年が早い
これらの事実を知らないで自衛隊に入隊すると大変なことになります。
この3つの事実を知ったら30歳で入隊しようとは思わないはずです。
では、3つの理由についてひとつずつ説明しましょう。
自衛隊入隊=正社員ではない
自衛官候補生として採用されると、3ヶ月間の基礎的な教育を経て2等陸・海・空士(任期制自衛官)に任官します。
任期制自衛官とは、陸上自衛官は1年9ヶ月(一部技術系は2年9ヶ月)、海上・航空自衛官は2年9ヶ月を1任期として勤務する隊員のことです(2任期目以降は各2年になります)。
つまり、自衛隊に入隊しても公務員という安定の地位が手に入るわけではありません。
わかりやすく言うと「契約社員」としての扱いになります。
いわゆる「正社員」扱いは3曹以上です。
3曹になるには、士長として1年以上良好な成績で勤務し、部隊等で実施される選抜試験に合格して曹候補生になる必要があります。
30歳で陸上自衛隊の自衛官候補生として入隊した場合、最短で3等陸曹になる期間は以下のとおりです。
- STEP130歳自衛官候補生
- STEP230歳+3か月2等陸士昇任
- STEP330歳+9か月1等陸士昇任
- STEP431歳+9か月陸士長昇任
- STEP532歳+7か月陸曹候補生試験
- STEP533歳+8か月3等陸曹昇任
最短でも33~34歳で晴れて正社員になれるのです。
しかし、曹候補生試験は狭き門なので、最短で合格するのはかなり難しいでしょう。
任期制自衛官の任期は通常3任期なので、合格できなければ35歳で退職となります。
これが30歳以上の人に入隊をおすすめしない最大の理由です。
30歳からの入隊は体力的・精神的にキツイ
「自衛隊入隊=正社員ではない」というリスクを受け入れ、入隊しても体力的・精神的にかなりキツイ状況が続くことになります。
体力的なキツさ
自衛官候補生の採用年齢は、18歳以上33歳未満です。
最短で曹候補生に合格するためには、20歳前後の自衛官候補生を知力・体力で圧倒する必要があります。
知力はそこまで衰えないでしょうが、30歳を過ぎてから20代前半と張り合うのは大変です。
職種にもよりますが、自衛官候補生はほとんど体力勝負の仕事です。
30歳を過ぎてから3年以上の間、体力勝負の仕事で成果を出し続ける必要があるのです。
精神的なキツさ
日頃から鍛えている人なら体力面はクリアできるかもしれません。
でも、そんなストイックな人が耐えられないのが「階級の壁」です。
自衛隊は前職などのスキルや経験は全く考慮されないので、2士スタートです。
自衛隊で30歳というと、幹部なら1尉(9階級上)、曹なら1曹(5階級上)です。
そのようななか、年下となる20代の指示で毎日働くことになります。
このような階級差が定年までずっと続くことになります。
成績次第で逆転も可能ですが、望みは少ないでしょう。
さらに陸士の間は私生活でも注意が必要です。
なぜなら、事故や違反があると曹候補生試験に大きく影響するからです。
最低でも3年8か月の間は何のトラブルにも巻き込まれないように、細心の注意をしながら生活しなければなりません。
自衛隊は定年が早い
自衛隊の定年は世間一般に比べてかなり早いです。
自衛官の退職年齢は、任務の特性上、53~60歳になります。
下の表は階級別の退職年齢です。
階級 | 年齢 |
---|---|
将、将補 | 60歳 |
1佐 | 56歳 |
2佐、3佐 | 55歳 |
1尉~3尉 | 54歳 |
准尉 | 54歳 |
曹長、1曹 | 54歳 |
2曹、3曹 | 53歳 |
30歳で自衛隊に入隊した場合、どんなにがんばって昇任しても1尉くらいです。
なので、30歳で入隊した人の定年は53〜54歳になります。
一応、組織として定年後の再就職先を探してくれますが、お世辞にも良いとは言えない再就職先ばかりです。
個人で就職先を探す方法もありますが、かなり難しいです。
というのも、自衛隊で培った知識と経験はある程度の評価はされますが、年齢が53~54歳ともなると話は別です。
余談にはなりますが、私の定年は55〜56歳くらいと見積もられたので、思い切って30代半ばで転職しています。
自衛隊の仕事には誇りをもっていましたが、転職してよかったと思っています!
まとめ|30歳からの自衛隊入隊をおすすめしない理由
この記事で説明した『30歳以上での自衛隊入隊をおすすめしない理由』を読んで、採用年齢引き上げで自衛隊入隊を考えていた30歳以上の人たちは、おそらく入隊をあきらめたと思います。
この記事のポイントを整理してみましょう。
- 入隊しても30代後半には無職の可能性がある
- 一番下っ端からのスタートで体力・精神的に厳しい
- 定年は53~54歳で再就職先には希望が持てない
このポイントを理解して、しっかりと自分のライフプランを考えれば、今後は30歳以上で自衛隊入隊という考えは一切なくなり、他の仕事を探すことに集中できますよ。
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