ベンチャーは年収が高いと思っている人もいるかもしれませんが、あまりベンチャー派の人の情報に踊らされないように気をつけてください。
ベンチャーの年収事情に関して、イメージをしっかり持ってから入社するかどうかを決めて欲しいです。
僕は20代で大企業からベンチャーに転職しており、運良く年収アップしましたが、ベンチャーに転職すると年収ダウンすることの方が多いです。
また、僕はベンチャー企業では社員の給料を決める経営会議にも出ていたので、実経験を踏まえて下記の内容を解説します。
- ベンチャーへ転職した場合の年収は下がるのか?
- ベンチャーがそこまで年収が高くならない理由
- 年収面の交渉で気をつけるべきこと
- ベンチャーで年収を上げるための方法
ベンチャーに転職したら年収は下がる?下がるならどのくらい?【実例】
先ほども言ったように、ベンチャーへの転職はほとんどの場合年収が下がります。
例外として、高学歴層が新卒で入った会社ではまだ若手なので買い叩かれているケースは上がるかもしれません。
しかし、多くの人は以下のように年収ダウンでベンチャーに入社することになります。。
- Aさん(元SEO会社幹部、前職年収800万円、転職後年収700万円)
- Bさん(元メガベンチャー、前職年収1,200万円、転職後年収750万円)
- Cさん(元メガベンチャー、前職年収1,000万円、転職後年収700万円)
※上記の人たちの中には、前職との乖離が大きいのでストックオプションや入社一時金として数百万円をもらっている事例もありました。
転職後に活躍をすれば年収が上がりますが、現職で結構な額をもらっている人(目安500万円以上)は、入社時の年収は大幅ダウンを覚悟しましょう。
なお、僕がいたベンチャーは比較的給与が高い方だと思うので、現職で500万円でも350万円へのダウンというのも全然ありえます。
実際に僕がベンチャーに転職する時にオファーをもらった別会社は、現年収450万円ほどだったのに350万円ほどで提示されました(結局入社したベンチャーが500万円のオファーで、150万円も差があったのでさすがに大きかった…)。
ベンチャーがそこまで年収が高くならない理由
理由は大きく以下の2つです。
- 高い給料を払う原資がない
- あなたがカルチャーフィットするかわからない
順に解説します。
高い給料を払う原資がない
基本的には会社の事業で稼いだお金が原資になるのですが、ベンチャー企業はまだ事業が不安定です。上場前は事業だけで見たら赤字の会社も少なくありません。
事業で利益が出ていないベンチャーの給料の原資は、金融機関やベンチャーキャピタルから借りてくる資金(新株発行による資金調達、銀行からの借り入れなど)が一般的です。
なので、そもそもの借入額が小さければ、従業員に対して支払う額が小さくなるのは当然です。
大手総合商社や外資系の投資銀行が給料が高いのは、それだけ本業の事業で稼いでいるからです。
あなたがカルチャーフィットするかわからない
ベンチャーは人が足りないので積極的に採用はしたい気持ちは山々ですが、かなり慎重に採用活動をしています。
例えば、以下の2つを比較してみましょう。
- 10人の会社で入ってくる11人目の社員
- 1万人いる大企業に入ってくる1万1人目の社員
いずれも同じ1人ですが、会社全体に与えるインパクトは全然違います。うっかり悪い影響を与える人を採用してしまうと、会社全体が崩壊してしまう危険もあります。
また、ベンチャー転職あるあるとして、肩書が立派な人が必ずしも活躍するとは限らないというものがあります。例えば、
- 東証一部の有名企業のマネジャーだった
- 外資コンサル/投資銀行出身
- 大手総合商社出身
こういう経歴がキラキラの人が応募してくると、採用担当としては正直テンションは上がります。
ただ、ベンチャーではいかに早くアウトプットを出すのか、他の人よりも早く動けるのかというのが超大事で、大企業出身者だとスピード感が合わずに全然馴染めなかったということもあります。
ベンチャーへの転職では、年収交渉はここに注意
とはいえ、給与は自分の生活に直結するので転職の際に給与交渉をすることは大事です。次の2点に注意しましょう。
- 相場を知ろう
- 紳士的に交渉しよう
相場を知ろう
先ほど年収ダウンの例をあげましたが、ベンチャーに転職した後の年収はだいたい次のようなイメージです。
- メンバークラス:300~500万円
- マネジャークラス:500~700万円
- 役員クラス:600~800万円
また、自分自身でもベンチャーの給与相場の情報を収集することが大事です。
年収について交渉するとき、自分のスキルに見合った年収がいくらなのかを知らないと、相場感のない年収を企業側に求めることになってしまい低評価に繋がる恐れがあります。
例えば、リクナビNEXTで登録してオファーを待つと、転職時に自分がもらえそうな年収のオファーがきます。それをみて相場感覚をつけることができます。
ここの努力を怠って後から後悔しないようにしましょう。
紳士的に交渉しよう
交渉といっても、入社の段階でいきなり年収UPを要望するのはあまりオススメしません。
忘れてはいけないのは、あなたのキャリアがいかにピカピカであろうと、まだ転職先では何一つ成果を残していないということ。
カルチャーフィットするかどうかもわからない社員に、いきなり前職と同等の給与を出せますか?採用する側の立場に立って考えてみると厳しいですよね。
なので、以下の例のように進めると今後の年収UPの余地も残しつつ、穏やかに交渉ができます。
その他にも以下のことも給与交渉の準備と合わせて進めておきましょう。
- 給与が下がる場合の生活を整えておく(無駄な支出を減らす、固定費を減らすなど)
- ベンチャーで何を成し遂げたいかを再整理する
- 家族やパートナーの理解を得る
よくあるトラブルは「嫁ブロック」です。
妻に隠してベンチャーへの転職活動をしていた夫が、いざ内定をもらって入社しようとすると現年収から大幅ダウンすることを知った妻に激怒され内定辞退…というのはよくあるケースです。
パートナーとのコミュニケーションは怠らないようにしましょう。
ベンチャーで年収を上げるために必要な2つの要素
年収を上げるためには、いうまでもなくその会社で活躍をすることが必要です。じゃあ活躍のための要素は何かというと、次の2つだと考えます。
- ベンチャーに向いてるかどうか
- 自分がコミットしたい事業領域か
ベンチャーに向いてるかどうか
ベンチャーには向き・不向きがあります。あなたがベンチャーに向いているかどうかは、どんな性格か・どんな特徴があるかによってある程度推測できます。
以下の記事でもベンチャーに向いている人・向いてない人の特徴を紹介してますが、ここでは簡単に診断できるツールを用いる方法を紹介します。
» ベンチャーに絶対向かない人と向いている人の違い
診断ツールには有料のものと無料のものがあります。
有料の自己分析診断ツールを使う
有料の自己分析ツールは世の中にたくさんありますが、最も有名なのはストレングスファインダーです。
ストレングスファインダーはアメリカのGALLUP社が提供する世界中で最も有名な自己分析の手法で、1時間ほどテストをWebで受けると、34の資質の中からあなたが特に秀でた才能TOP5を教えてくれます。
以下の本を買うと、Web上から申し込むよりも安くストレングスファインダーを受けられるアクセスコードが手に入ります。
ただ、1つネックなのはTOP5の資質を知るのに1,980円かかることです(34の全資質の順位を知るには5,850円)。
高くて手が出ないわけではありませんが、いきなり有料ツールを使うのはちょっと気が引けますよね。
そこでオススメなのは、次に紹介する無料の自己分析をやり、それ以上にもっと深掘りしたい時にストレングスファインダーをやるという順番がいいかなと思います。
無料の自己分析診断ツールを使う
おすすめの無料ツールは2つあります。
リクナビNEXT
リクナビNEXTには多くの転職者が使う無料の自己分析ツール「グッドポイント診断」があります。
無料と思って侮ることなかれ。
グッドポイント診断は、もともとSPIを開発したリクルートが作っているだけあって、適性検査としてかなり精密にできています。
ザックリとその仕組みを説明すると、4つの設問に答えていく事で最終的にあなたの強みを18個の中から5つ出してくれるというものです。
4つの設問なので時間もほとんどかかりません。
実際に自分もやってみたのですが、結構当たっていました(以下は僕の診断結果です)
18種類の中から、あなたの特性を5つピックアップしてくれます。
また、リクナビNEXTの求人から、その5つの強みを持つ人が活躍できる職場なども提案してくれるので、よりはっきりベンチャーの向き・不向きがわかるのでオススメです。
診断は10~15分ほどで終わるので、通勤中や昼休み、夜寝る前にサクッとできるのもいいですね。
ミイダス
ミイダスは年収診断もできますが、適職診断が非常に優秀な転職サイトです。
ベンチャーに特化しているわけではありませんが、「適性が高い&低い職種」「ストレス要因」「上下関係適性」といった、他では診断できない内容を知ることができます。
適正診断のテストの中でも、ミイダスは詳しく分析をしてくれたし、違った角度からの分析も多く、情報量が豊富でとても良かったです。
自分がコミットしたい事業領域か
ベンチャーは楽しいことばかりではなく、事業運営は非常に苦しいです。
そんな中でも頑張り続けられるかどうかは、ベンチャーが掲げる世界感にどれだけ共感しているかどうかです。
その測り方はまずやってみるのが一番です。
- インバウンドに関する事業に関心があるなら、週末に訪日外国人旅行客のアテンドのボランティアをやってみる
- Webマーケティングに興味があるなら、自分でブログを立ち上げてみる
- toC向けのサービスをやってるベンチャーなら、まずは自分がお金を払って利用してみる
自分で身銭を切ったり実際に時間をかけて行動してみることで、自分の関心がどこに向いているのかの感覚が鋭くなっていきます。
この感覚は最終的に転職先を決めるときの納得度に深く影響するので、めんどくさがったりバカにしてはいけません。
最後に|思い立ったタイミングでの行動が成功の秘訣
ベンチャーへの転職は確かに年収面では厳しいことが多いでしょう。
しかしベンチャーに転職することで、
- 今の会社にいる以上に刺激的な仕事ができる
- ビジネスマンとしてより成長するための機会が得られ市場価値をあげられる
といったメリットもあり、人によっては目先の数百万の給与よりも価値があります。
全員にオススメはできませんが、成長意欲の高い方であれば是非チャレンジしてみると良いでしょう。
しかし、年収相場のチェックや、交渉術が大事なことは理解しても、初めてのベンチャーへの転職ではなかなか一人で情報収集することは困難です。
独りよがりの情報収集をしてしまうと、逆にベンチャーの経営陣との交渉に失敗して相場よりも安い給料で転職することになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、ベンチャー転職に強いエージェントを頼ることをオススメします。
なお転職活動は、「思い立ったタイミング」で行動するのがベストです。
せっかくあなたの貴重な時間を投資してここまで読んでいただいても、日常生活に戻ると目の前の業務に忙殺されて、ベンチャーにチャレンジしたいという気持ちが薄れてしまいます。そして、後から
あのときベンチャーに転職しとけばなぁ…
と後悔するハメになるかもしれません。
だから、思い立ったタイミングで転職活動をするのが最も良いタイミングです。転職サイトやエージェントの登録であればたったの5分ほどで完了です。
昼休みの休憩時間、帰りの電車の中、夜寝る前に、自分自身の将来のためにも5分だけ時間を作ってみてはどうでしょうか。
おすすめの転職エージェントを選んでおきましたので、最後に紹介します。
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
前職ではXX円ほどもらっていましたが、こちらではまだ何も成し遂げておりません。なので、会社が定める基準の給与で結構です。もし成果を出したら、それ相応の評価をいただければと思います。