ベンチャーに限らず、転職するときには給料は気になりますよね。
特にベンチャーの場合は給料とは別でストックオプションをもらえることがあります。
最近上場した会社だと、メルカリやfreeeがストックオプションを配っていた会社になります。
ただ、結論から言うと、ストックオプションはあまり期待できません。
ストックオプションが価値を発揮するのは会社が上場したり、売却できたりしたときなのですが、そもそも上場できる会社は約0.09%と非常に低い確率だからです。
日本には約400万以上の企業があり、そのうちの約3,600社が株式市場に上場しています。 世間でも多くの有名企業が上場企業として知られていますが、その割合は約0.09%と非常に狭き門なのです。
引用元:知らないと恥をかく!“上場企業と非上場企業の違い”をわかりやすく解説|キャリch
とはいえ、もしストックオプションが持っている会社が上場した場合は、多額のお金を手にすることも可能です。
創業期に入っていたfreeeの従業員は、計算上では3億円以上ものお金を手にすることができています。

夢がありますね…
この記事では、ベンチャーの給料とストックオプションについて紹介していきます。
ベンチャーの給料相場は?

まずはストックオプション抜きの給料を紹介します。
ベンチャーの給料は大企業よりも低め
基本的に、ベンチャーは大企業と比べるとお金を持っていないので、給料は低めです。
ただ、急成長しているベンチャーだと毎年のように給料は上がっていきます。
ベンチャーのフェーズごとの給料ははざっくり次のようなイメージです。
シード・アーリー | ミドル | レイター | |
---|---|---|---|
会社規模 | 10人以下 | 11-100人 | 101人以上 |
利益 | 赤字or低収益 | 赤字or低収益 | 収益化 |
プロダクト | 構想段階~形にはなっており 初期ユーザーがいる | すでに市場で使っている 人が一部いる | ニッチな市場では 高いシェアを獲得している |
経営戦略 | 市場調査~初期ユーザー の信頼の獲得 | 人員拡大、 拡販体制構築 | 隣接領域への展開、 機能の追加、 組織整備、IPO準備 |
給料(経営幹部) | ~600万円 | 500~700万円 | 600~1,000万円 |
給料(マネジャー) | ~500万円 | ~600万円 | ~700万円 |
大企業であれば、経営幹部やマネージャーはだいたい1.2~2倍ぐらいはもらっていると思います。
ただ、ベンチャーは大企業のように年功序列ということはないので、実力があれば一気に出世することも可能です。
ストックオプションとは?
改めてストックオプションについて説明します。
ストックオプションは、ベンチャーを立ち上げる創業メンバーや入社してくる社員への給与の代わりとして配布されます。
立ち上げまもないスタートアップは、十分な給与を払えるだけの事業が育っていませんので、給料は低めにせざるを得ません。
その代わりに、上場時の莫大なリターンを得られる可能性あるストックオプションを与えることで、創業メンバー以下の従業員のモチベーションを引き上げるツールとして使われることが多いのです。
なお、ストックオプションとは、「あらかじめ決められた価格で自社株を購入する権利」のことです。現金ではなく生株でもなく、あくまで「権利」です。
また、会社によっては上場後〇〇年以内(以降)じゃないと権利行使NGと言う条件があることもあります。
ストックオプションの使い方は、例えば
X社の株を1株100円で1%分の株を購入できる権利をもらったとします。
その後X社は上場し、株価は1株1,000円となりました。
そして実際に権利を行使すると下記のようになります。
X社の上場時の総発行株式数が500万株だとすると、1%は5万株なので、
50,000(株)×1,000(円) – 50,000(株)×100(円) = 4,500万円
ストックオプションはどのくらいもらえる?
創業メンバーも含め、配布されるのは全株式の5~10%程度を上限目安とするのが相場と言われています。
これは、全ての従業員がもらえるストックオプションを全て足したときの割合です。
上位10人の一人あたりの平均でも0.34%ほどです。
日本の場合慣習上(ある意味ファイナンス理論的根拠のない)、上場時の資本市場と主幹事証券及び未上場時点での株主の相場観として、ストックオプションの総枠は10%前後という感覚がある。
その中で、
①CXOの取締役クラスの採用、リテンション、報酬
②従業員のリテンション、報酬
を賄わなければならない。そういう意味では、②の中でも上位10人のキーマンの平均が0.34%というのは肌感覚と合う。
ちなみに、本文中にはないが、①に関しては一本釣り採用時点で~1%、リテンション、報酬で~1%というイメージ。
引用元:上場前ベンチャーでストックオプションをもらえば億万長者になれるのか?(高宮氏のコメントより)|NewsPicks
割合は低くても、金額に換算すると莫大になります。
例えば、2019年12月に上場したfreee株式会社の有価証券報告書を見てみると、ストックオプションでどのくらいの金額を手に入れられるのかをざっと計算できます。
(注)7とついているのが従業員です。
有価証券報告書を見ると、従業員の方で6万株持っている人がいます。この人が上場によって手に入れたのは、
freeeの株価が12,000円を突破した2021年2月に売っておけば、6万株 × 12,000円 = 7.2億円。
freeeの株価が5,000円だとしても、6万株 × 5,000円 = 3億円になります。
これだけでサラリーマンの生涯年収を稼げてしまうんですね。
ストックオプションはベンチャー転職時にどれほど決め手になる?

金額と権利行使できる確率次第
確かにfreeeほどの会社で、ストックオプションを0.1%でも持っていたら人生変わるので、かなり魅力的ですよね。
とはいえ、ベンチャーのうち90%以上が倒産するか、事業は利益が出ているけど成長は全くしていない(ベンチャーのソンビ化)のが現実。
どれだけの会社がfreeeレベルまで行けるのかを確率論で見てみるとかなり低いので、ストックオプションをあまり当てにしすぎない方が賢明です。
自分が成長させるんだと言う強いマインドを持てるか
freeeでも100株以上持っている社員は20人もいません(freeeの従業員数は約600人)。創業初期に入らないと多くの株を持つことは難しいでしょう。
更に、ストックオプションを取得しても上場まで行かなければ1円にもなりません。なので、その会社がどれだけ優れたビジネスモデルを持ち、市場で影響力を持てるか次第です。
また、「優れたビジネスモデルとチームがあるベンチャーに入ろう」と言うマインドでは絶対にベンチャーでは活躍できません。
あなたが入ることによって、どれだけチームを強くできるか、プロダクトをどれほど改善できるか、事業を拡大できるか次第です。
「いい流れに乗っかろう」マインドの人はしんどい時期に踏ん張りきれなくなります。
最後に|ベンチャーの情報収集は他人の力を借りよう

今回は、ベンチャーの給料やストックオプションについて紹介してきました。
ベンチャーは給料は低めだし、ストックオプションもあまり当てになりません。
なので、お金目当てでベンチャーに転職するのはオススメできません。
ただ、ほとんどの人がベンチャーに転職する理由は「自己成長」のためだと思います。

結果として、ストックオプションで多額のお金が手に入ればいいやと思うぐらいがちょうどいいでしょう。
なお、ベンチャー転職するときの注意点ですが、ベンチャーの情報はあまりネット上には出てきません。
競合他社に情報を漏らさないため、意図的に隠している企業が多いからです。
ストックオプション情報もそうですが、ベンチャー転職のときの情報収集では転職エージェントに相談するようにしましょう。
転職エージェントは、転職者が短期で退職したときに返金しないといけない規定があり、企業の内情を把握しているためです。
それに、転職エージェントは急成長中の企業を紹介したがります。急成長中の企業はお金を出してでも優秀な人材を欲してますし、とにかく人が足りないので、何人も採用してくれるので、転職エージェントとしても楽に売上を立てられます。
成長している企業は待遇や労働環境も改善してきてることが多いですしね。転職者にとってもメリットがあるのです。
最後にベンチャーへの転職でおすすめの転職エージェントを紹介します。
- 急成長企業でスキルUP ⇒ 識学キャリア
- 初めてでも安心 ⇒ リクルートエージェント
- 年収アップしたい ⇒ Spring転職エージェント
- 転職の軸を固めたい ⇒ パソナキャリア
- キャリアが浅くて不安 ⇒ マイナビAGENT
- 転職者の満足度No.1 ⇒ doda
★複数のエージェントに登録しておくと転職成功率がアップします