今回は次のような悩みを持つ人向けの記事です。
ベンチャーに転職してから後悔したくない。失敗体験談や、自分が後悔しない転職をするために何をすべきかを知りたい
僕は新卒で入った会社を3年で辞めて大企業からベンチャーに転職しました。しかし、今はそのベンチャーも辞めて再び大企業で働いています。
振り返ってみると、ベンチャーでの勤務経験自体は良かったのですが、僕はベンチャーの転職の仕方はかなり失敗したなと後悔しています。
大企業に比べて、ベンチャーの情報はあまり出回っていません。
我流で情報収集したり、友人が勤めるベンチャーの情報だけを判断基準にしてしまうと「やっぱりベンチャーに行くんじゃなかった」と入社後に後悔してしまいます。
今回は、僕の失敗談も踏まえてベンチャー転職で後悔しないためのヒントを書きました。
転職成功者が語る成功体験談は世の中に山ほどありますが、避けるべきことは決まっていますからね。失敗経験者である自分の経験を反面教師にして貰えば幸いです。
今日は下記の内容を解説します。
- ベンチャーへの転職で後悔したこと【実体験】
- 周りのベンチャーの同僚で転職したことを後悔した事例5つ
- これだけは避けろ!ベンチャー転職で後悔する4つのNG行動
※本記事は転職者向けです。大学生の方向けのベンチャー就職についてはこちらの記事をご覧ください。
【後悔の理由】ベンチャー転職前に想像していた成長ができなかった
まずは僕自身を例にして、ベンチャーに入るまでと辞める経緯を書きます。
なぜベンチャーに入ったか
僕は京大卒なので、周りの友達は三菱◯◯とか、三井◯◯などのいわゆる財閥系の大企業か、外資系のコンサル・投資銀行にいくのが「就活の勝ち組」という世界でした。
そんな中、
俺は普通の人とは違う選択をするんだ
と勇気を出し、新卒では一般に名の知れていない企業に入りました。
とはいえ一応3,000人ほどいる大企業で、周りにいる先輩もあまり優秀と思えず、起業とかスタートアップへの転職は全く考えてもない雰囲気がヌルく感じられ、
やっぱベンチャーじゃないと自分は成長できない!環境が悪い!
と思って2年半ほどで転職しました。
その時ベンチャーに求めていたものは何か?
転職活動をしていた時には、次のような条件で探していました。
- 給料は特に上がらなくてもいいし労働時間は伸びてもいい
- 自分で1から事業を作るような経験ができるところがいい
- 育成の制度とかが整っていなくてもOK、カオス大歓迎
- 若くて優秀な社長や経営幹部と一緒に働ける環境がいい
そうして転職活動をして、無事上記の環境が満たせると思った職場を見つけ、無事内定をもらい転職しました。
実際ベンチャーに入ってみてどうだったのか
ベンチャーに入ってみたあとは、想像以上にカオスでした。
そもそも採用時にみた求人情報に書いてあった内容は
あ、もうあの事業はやらないことにした
と言って撤退しており、代わりに違う仕事が降ってきました。それもPCのセットアップだけ習って、あとは放置プレイ。
労働時間は増えることを覚悟して行きましたが、逆に全く忙しくない環境にめちゃめちゃ焦りました。だって17時くらいでもう暇で、定時で帰っていました。
このままだと何のためにベンチャーに入ったのかわからない…
と覚悟を決め、とにかく考えられる範囲で事業を大きくできることは全てやろうと決意しました。
だんだんと自分が主体となって考えて、「こうしておきました」「これ自分にやらせてください」という行動ができるようになると、周りからはとても褒められ、
誰かに許可を取るのではなく、自分で考えて行動することで認められるんだな
というベンチャーの評価基準を体感しました。
なぜベンチャーを辞めて大企業に戻ったのか
そうして自分で考えて、イベントを運営して新規開拓をしたり、営業のためのツールを導入したり、中途社員の採用をしたりと様々な経験を積めたのはとてもいい経験でした。
しかし、ベンチャーの一つのリスクですが、人材の流動性が半端じゃありません。
一緒にやっていた優秀な先輩が、1年ほどの間に、
独立して自分で会社やるわ
社長が気に入らないからやめるわ
やっぱり前にいた業界の方が興味あるから転職するわ
と言って次々に人材が入れ替わって行きます(ちなみにベンチャーでは優秀な人ほど退職するのが早い)。
入れ替わりでまた優秀な人材が入ってくればいいですが、僕がいた会社はそうして人材が流出し、それに伴って業績も横ばい。
だんだん僕自身の権限が増え、最終的には社員の給料を決めたり、人員整理の計画を経営陣と一緒に会議で検討していました。
そこで気づいたのは「権限は増えて自分自身で決めることは増えてるけど、その意思決定の質を担保するためのチェック機能がない」ということです。
ほぼ自分が1人で決めるので、勿論スピード感は大企業とは比べ物にならないくらい早いのですが、
果たして自分のやっている意思決定が本当に質の高いものなのだろうか?
とだんだんと不安に思ってきてしまいました。そして
結局今の自分の実力の中で早く決めているけど、もっと優秀な社員と一緒にやれば深く検討できて、そっちの方が良い意思決定なんじゃないか?
と思い、優秀な社員を常にたくさん抱えていて、きちんと自分の意思決定に穴がないかどうかをチェックする厳しい機能があるところを探し求めて大企業に転職することにしました。
いわゆる「入社前と入社後のギャップ」は、まとめると次の通りです。
ベンチャーに転職して後悔していた人の実例5選
僕がベンチャーで働いている中で、自社他社含めて色々な人が「ベンチャーに入って後悔した」という声を聞きました。
こういう観点で後悔することあるんだな、と思って見てもらえるといいと思います。
事例1:組織として仕事するというより個人プレー
大手から転職してきてベンチャーに入ったけど、
- 実現しようとしている世界にあまり価値がない(今やっていることでは時間がかかりすぎる)
- ビジネスモデル的に微妙(売り上げが大きく立ちにくい)
- 組織作りとかもやりたいと思ったけど、チームで何かやろうとしているのではなく、個人プレイが多い。
ということで色々想定外だったので退職。
事例2:意外に社員が全然優秀じゃない
もともとIPO目指して入ってきたのに、その気配がない。
また、経営メンバーは優秀だが、他の社員が全然優秀じゃなく、現場が全然回っていない。
結果としてレベルが低いことまでカバーしてあげないとダメな環境が不満。
事例3:何でも屋さんになってしまう
器用貧乏になってしまってスキルが身につかない。
自分で意思決定する機会は多いが、同時に厳しく意思決定フローをチェックするような機能が会社にないので、意思決定の質が上がらない。
大企業の方がしっかり腰をすえてスキルを身につけれる。
事例4:自律できない人だと誰も指導してくれない
ベンチャーって今時でキラキラしているので入ってきたけど、自分の強みが発揮できない。
結果も出てないから給料も上がらないし、結局平社員のままずっといて、30も超えたし、もう転職できない。
事例5:ベンチャーで活躍するための能力が足りない
友人のつてでベンチャーに入ったが、仕事ができずにクビになった。
その後どこも雇ってくれるところもなく、フリーターをしている。
これだけは避けろ!ベンチャー転職で後悔する4つのNG行動
後悔しない転職活動をするには、最低でも次の4つは避けてください。
- ベンチャー企業の構造をとらえず、個社ごとに判断する
- ベンチャーで働く姿をイメージをする努力をサボる
- 1,2社のベンチャーにしか面談や面接に行かない
- 自分の力だけで情報収集をする
ベンチャー企業の構造をとらえず、個社ごとに判断する
ベンチャーの採用HPを見ると、次のようなフレーズを目にしたことはないでしょうか。
- 風通しの良い職場で社員同士の距離が近い
- 若手でも裁量権があり実力次第で早く出世できる
- 最新のテクノロジーを活用して業界を変革する
今の職場環境と乖離があればあるほど羨ましく思えて、そのベンチャー が魅力的に映るかもしれませんね。
しかし、そもそもベンチャーという企業の特性上、大企業と比べて上記のような特徴を持っていることはある種当たり前と言えます。
構造を理解しないとベンチャーの採用マーケティングにまんまと乗せられてしまい、本質を見失います。まずは冷静にベンチャーの構造を理解しましょう。
下記の通り「社員数」「社長のバックグラウンド」「事業領域」の観点から特徴をまとめてみましたので参考にしてみてください。
項目 | 何をみる? | 何を意味してるの? |
---|---|---|
社員数 | ・30人以下? ・100人以下? ・それ以上? | ・30人未満:一人が複数の職種を兼務がよくある ・100人未満:組織の役割がしっかりしてくるが、 まだ全員の顔がわかる感じ ・100人以上:組織の運営上、縦割の要素も出てくる |
社長の経歴 | ・大企業出身? ・ベンチャー 出身? ・学生起業? | ・大企業出身だと制度面・組織体系の構築もしっかりしている ・ベンチャー出身や学生起業だと、割とノリ重視 (良いと思ったビジネスを即試してみるなど) ※どの企業の在籍期間が長いかによって影響値は異なる |
事業領域 | ・BtoB? ・BtoC? ・相手にしている クライアントはどんな人? | ・BtoBだとクライアントは法人企業なので、 営業はしっかりしている ・BtoCだと営業=マーケティング職がやる感じなので、 割と柔らかい雰囲気 |
なお、特に注目しなくていい観点は下記です。
- 上場目指してます!的なCEOの熱いメッセージ
- 資金調達額
熱いメッセージは誰でも言えるし、調達額が大きいかどうかは一定の目安にはなるものの、そのビジネスが安定的に成功するかどうかに関係がないので。
ベンチャーで働く姿をイメージをする努力をサボる
例えば、給料が200万円くらい下がってもOKかを判断するには、その給料で
- 日常生活をしようと思ったら近所のスーパーでの買い物の仕方は下がるのか?
- 年に数回の旅行の回数は減るのか?
- 趣味に使うお金は減らせるのか?
など具体的に転職後の生活を想像する努力を怠ると入社後に後悔します。
ちなみにお金の話は早いうちから妻(夫)と一緒にしたほうがいいです。
ベンチャーで採用担当をしている時、社長の内定まで出て承諾していたのに、最後に給与面で嫁ブロックにあい転職取りやめになったケースがありました。
1,2社のベンチャーにしか面談や面接に行かない
実際に訪問してみると、ベンチャーは本当に会社によってカラーが異なります。1,2社だけ訪問したり面接を受けたりするだけでは、かなり情報が偏ってしまいます。
10社も20社も面談を受ける必要はないですが、最低でも4.5社はみると「ベンチャーはこんな雰囲気なのか」という肌感覚がつかめるかと思います。
このように自分の足を動かして1次情報を取り、自分の感覚で判断できる材料を集めることは後悔しない転職活動のために最も重要な要素です。
幸いにも、ベンチャーは大企業とは異なりカジュアルに面談をする機会を多く設けています。
よくベンチャー主催で業界の勉強会を開いたり、社員が友人を連れてオフィスのバーで1杯飲むという光景もよくみます(例えばWantedly株式会社のBar)
今は、会社に勤めながら社会人インターンができるベンチャーを探すサービスもあるので、それらを活用しても良いですね。
自分の力だけで情報収集をする
自分で行動してベンチャーの1次情報を取るのは重要です。しかし、それだけでは不十分です。
ベンチャーへの転職を考えている人のほとんどはベンチャーで働いたことがないので、どうしても自分の力だけだと情報収集力が弱くなりがちです。
弱いだけではなくて、集める情報にどうしても偏りができてしまいます。
すると、転職候補となるベンチャーを洗い出した時に、実は知っていれば自分の興味もあったしポジションもちょうど空いていた企業があったのに見逃してしまった…なんてことが起きます。
偏った情報収集をしないためには、ベンチャー転職に強い転職エージェントの力を借りるのがオススメです。
良いエージェントに出会えれば後悔しない企業選びができ、スキルを高めながら自分のやりたい仕事ができる確率がグッとあがります。
本格的な転職活動を始める前でも、自分のキャリアの方向性を磨くために転職エージェントを利用することをオススメします。
まとめ|それでもベンチャーに転職して良かったこと
ここまでベンチャー転職の後悔の話ばかりをしましたが、ベンチャーで働いた経験自体はビジネスマンとしての成長に大きく影響しました。
毎日上司やクライアントの顔色を伺って、定時の前になると時計ばかり見ていた大企業勤めの頃には想像できませんでした。
ベンチャーでは機会にも恵まれ、刺激的な仕事や優秀な経営陣との仕事、20代での管理職経験など様々な成長機会を得ました。
また、僕はベンチャーに入ったころは社員が15人ほどだったので、会社全体を見れる規模だったことも良い環境でした。
目の前の自分の役割に閉じずに「会社全体として今必要なことはなんだろうか」という視点で仕事ができたのは、大企業に再び戻った今でもとても役に立っています。
人生1度きりです。安易に全員がベンチャーに転職すべきだとは思いません。
しかし、ベンチャーへの転職が気になっているからこそ、ここまで読んでいただいているのだと思います。
転職において最も多い後悔は「行動するタイミングを逃したこと」だと言われています。
転職活動をした結果、最終的に今の会社に残る選択をしたっていいんです。
自分の足で情報収集をして、エージェントと自分のキャリアについて面談をした経験は、迷って何も行動しない人とは比べ物になりません。
ぜひこの記事を通じてご縁があったあなたには「行動しないで後悔する人」にはなって欲しくありません。まずはエージェントに相談するという小さなステップから始めて、自分の手で理想のキャリアを掴み取りましょう。
おすすめの転職エージェントも選んでおいたので、最後に紹介します。
おすすめの転職エージェント
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