「大企業で働いていると外でも通用するスキルが身についてる実感がない」
「そもそもどんなスキルを身につければ市場価値が高くなるかも知りたい」
大企業で働いている人の中には、このような悩みを持っている人もいるでしょう。
この気持ち、とてもよくわかります。
僕も大企業にいるとき、全く同じ悩みを抱えていました。
僕は「スキルをつけるにはベンチャーに転職しなければならない!と思い、社会人3年目の秋に勢いでベンチャーに転職しました。
結果、自分がつけたいスキルを身につけるなら大企業の方が良いと思い、今では大企業(メガベンチャー)に戻っています。
まさに同じ悩みを持っていた経験者の僕が、大企業でスキルは身につくか」というテーマについて、5年間で2回の転職を経て気づいたことをまとめました。
大企業ではスキルがつかないのか?
大企業で身につけやすいスキル・つけにくいスキル
まず結論ですが、大企業でもスキルは身につきます。大企業でスキルを身につけられている僕がいうので間違いなし。
ただ、「大企業で身につけやすいスキルとつけにくいスキル」があるのは事実です。
「大企業で働いていてもスキルがつかないのかな」と不安に感じている人は「スキル」という言葉のイメージがあやふやなのではないでしょうか?
もう少し解像度をあげてみましょう。
大企業でつきやすい(逆にベンチャーでつきにくい)スキルは下記の通り。
- 調整力
- 専門的な能力(マーケティング、営業など)
- プロジェクトマネジメント力
逆に、大企業でつきにくい(逆にベンチャーでつきやすい)スキルは下記の通り。
- 部署や職種などの垣根を超えて目的を達成するやりきり力
- 全体を俯瞰して目の前の仕事をする力
- 早く意思決定をする力
この他にも「売上を作るためのビジネス感覚」は大企業だとつきにくいです。
大企業だと期初にミッションが割り振られますが、創業期の本当に”ベンチャー”な企業だと明日からなんの仕事をするかは決まっていません。
自分で仕事を作らないと何もすることがないので、必死に自分で売上を作る工夫を考えます。その中で自然にビジネス感覚が身についていきます。
身につけたいスキルに応じて大企業が向いているかどうかが決まる
いまは終身雇用が終わり【個人のビジネスマンとしての力をつけよう!】と叫ばれてますね。
個人でお金を稼ぐ、自分で事業を作って起業するという意味では、ベンチャーでつきやすい能力の方が活きてきます。
繰り返しですが、自分がやるべき仕事が割り振られてくる大企業では、ビジネス感覚を身につけにくいからです。
しかし逆に、
- フリーランスのように企業から仕事を自分でとって働きたい
- マーケティングの専門家になって企業を渡り歩きたい
- 管理職としてのマネジメントスキルを磨きたい
- 組織論を学びたい
などであれば大企業の方が必要なスキルを身につけやすい環境があるでしょう。
『フリーランスとして活躍するためのスキル』は、ベンチャー企業の方が身につきやすいと思っている人も多いかと思います。
これは間違いで、ベンチャー企業だと個人のスキルの習熟を待ってはくれません。とにかく目の前の売上を上げるために営業に行かされるという企業が多いでしょう。
スキルを積むためにベンチャー企業に行きたいのであれば、そもそもある程度自分にスキルが身についた状態で、ベンチャー企業でも即マーケティングやエンジニアリングで活躍できるスキルを持って転職やフリーランスにならないと、雑用ばかりさせられることにます。
結局は、あなたがつけたいスキルに応じて大企業とベンチャーのどちらが適切かが決まるのです。
大企業で働きつつスキルを伸ばす3つのコツ
周りの同僚を見渡すと、大企業では「スキルを身につけるぞ!」と仕事に取り組んでいる人は正直少ないのではないでしょうか。
大企業は決まったルーティンワークが多く、上司の許可を取らないと仕事のフローを見直せない場合も出てくるでしょう。
しかし、何のスキルも身に付かずに大企業に飼い慣らされてしまって、数年後に転職市場での価値が低くなってしまう事態は避けたいですよね。
そこで、周りに流されずに大企業でスキルをつけるためのコツを3つ紹介します。
- その企業でのみ通用するスキルか、他社でも通用するスキルなのかを意識
- 自分の担当する案件も、身に付けたいスキルに応じて自分から志願
- まずは目の前の仕事の中で、ポータブルスキルになり得るものを見つけて磨こう
その企業でのみ通用するスキルか?他社でも通用するのか?を意識
そもそも、仕事で得られるスキルは次の2種類に分類できます。
- その会社でのみ通用するスキル
- 会社の外でも通用するスキル(ポータブルスキル)
例えば、社内稟議を通す力、社内のシステムを使って効率的に申請書を書く力は、その会社でのみ通用するスキルです(以下、「社内スキル」と呼びます)。
逆に、商談でのクロージング力、プロジェクトマネジメント力などは、会社の外でも通用するスキルです(以下、「ポータブルスキル」と呼びます)。
今いる会社で定年まで勤め上げる!という人は「ポータブルスキル」について考える必要はありません。ただ、終身雇用が崩れたこの時代にそのような考えをする人は少ないはず。
なので、ポータブルスキルを身に付けることが転職市場での価値を高める唯一の方法です。
仕事の100%がポータブルスキルというのはあり得ませんが、出来るだけ自分の仕事の中でポータブルスキルを高める仕事の割合を増やすことが重要です。
身に付けたいスキルに応じて自分からやりたい仕事を志願
大企業では基本的には割り振られた仕事をこなしていくものですが、自ら「この仕事をやりたい!」と志願することは可能ですよね。
また、頻度は少ないですが部署異動なども可能です。
まずは目の前の仕事で成果を出してから、上司に「次はこんな仕事にチャレンジしたい」と申し出れば、自分が身につけたいスキルに直結する仕事をするチャンスが巡ってきます。
まずは目の前の仕事の中から身につけたいスキルを磨いていこう
とはいえ異動が実現するまでには時間がかかりますよね。そこで今日からできるポータブルスキルを身につける方法もご紹介します。
手順と指定は以下の3つです。
- 今日やる仕事を作業に分解する
- そのうちポータブルスキルとなるものを見極める
- 出来るだけポータブルスキルを身につけられる仕事をする時間を増やす
具体的に説明します。
Aさんは外回りの営業職。今日は2件の訪問と、1件の見積作成、1件の社内の営業会議があります。
この日のタスクを書き出すとこんな感じ。
そのうち、ポータブルスキルになり得るものにハイライトをつけてみました。
スキルとして表現すると次のようなイメージです。
- パワポでの資料作成スキル
- 商談スキル
- 受注までのタスクスケジュール化のスキル
出来るだけこれらの時間を増やすためには、僕なら下記のような取り組みを考えます。
自分一人で決めれることばかりではありませんが、上司への提案などできることはあります。こうすれば今日からでも大企業で働きつつ、スキルを身につけるための1歩を踏み出せます。
それでは一旦、ここまで紹介してきた大企業でもスキルを身につけるためのコツをまとめます。
- その企業でのみ通用するスキルか、ポータブルスキルかを意識する
- 自分の担当する案件も、身に付けたいスキルに応じて自分から志願する
- まずは目の前の仕事の中で、ポータブルスキルになり得るものを見つけて磨こう
ポータブルスキルが付いているかを確かめる方法
ここまで読んで、次のように不安を感じる人もいるかもしれません。
ポータブルスキルを意識することが重要なのは分かった。
でも自分の仕事でどれがポータブルスキルになるのか判断できないな。。
それに今自分がポータブルスキルがついているかも分からない。
大丈夫です、安心してください。
ここからは、ポータブルスキルの判断の仕方や、今自分にポータブルスキルをついているかを確認する方法も解説していきます。
ポータブルスキルの見分け方
転職サイトに登録して、求人の中の「求める人物像」を見てみるのがオススメです。
転職サイトとは、リクナビNEXTのようなサービスのことです。
転職サイトの案件には「こういうスキルを持った人物が望ましい」という要件が書いてあります。その要件から何がポータブルスキルとして見られているのかが推測できます。
実際にリクナビNEXTに掲載されている求人を見てみましょう。下記は、とあるクラウド人材管理ツールの営業・コンサルティングの求人です。
このように見ると、今営業をやっている方は次のようなスキルがポータブルスキルとなり得ることがわかるでしょう。
自分にポータブルスキルがついているかを確認する方法
転職エージェントとの面談を通じて、スキルの棚卸しと現時点で不足してるスキルを洗い出すのがオススメです。
前提として、あなたのポータブルスキルに価値があるかは一人で判断することはできません。他の転職者がもつ営業力と比較して初めて「あなたに転職市場で価値のあるポータブルスキルがあるのか」が分かります。
他の転職者との比較ができるのは、数多くの転職者に日頃から接している転職エージェントならではの強みです。
その他にも、転職エージェントとの面談を通じて以下のことも分かります。
- 今の会社で働き続けると、どんなスキルが磨けるか
- 今どこにいるのか(他の転職者と比較してどんなスキルを保有してるか)
また、以下のような他社の状況・転職市場全体の傾向などもわかります。
- 他の環境だとどんなスキルが磨けるか
- もっと自分のスキルを伸ばせそうな会社はあるのか
- そもそもこれからはどんなスキルの需要が高まるか
エージェントとの面談は、例えるなら健康診断です。
すぐに転職をしなくても、転職エージェントと定期的に面談をしていくことで、自分にスキルがついているのかどうかの進捗がわかるからです。
そして、運良く今の会社よりももっとスキルが伸ばせそうな会社が見つかれば、そこから転職活動を始めればいいのです。
くれぐれも、「エンジニアになるために会社を辞める」なんてことはしちゃダメです。
そして、ポータブルスキルの分析のためには、丁寧に自分のスキルを棚卸ししてくれる良いエージェントを見つけるのが重要です。
おすすめのエージェントを僕の経験も含めて選んでおきました。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
人気の事務職や営業の求人に特に強く、一般事務や経理事務、総務事務や英語を活かす事務系の求人が多めです。他にも、IT系や広報・マーケティングの求人などもあります。
他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
まとめ|大企業だからスキルがつかないと思考停止するのはNG
確かに、大企業は個人の成長ができないという意見をよく聞きます。
ITに疎くて非効率なシステムを使っていたり、無駄な飲み会があったり、古くからの慣習で無駄な仕事が多かったり。
でも、環境が悪いことを嘆いていても何も変わりませんよね?
大企業の環境をスキルアップに活用できるかどうかは自分次第です。まずは現在地を正しく把握することが重要なのです。
どうしても今の会社ではスキルがつかないと判断したら転職を視野にいれるのもアリです。
まずは気軽に転職エージェントに相談するところから始めるのがおすすめです。