心機一転で新しい職場に就職が決まった。
ようやく新しい転職先が決まった。待遇も自分の希望通りだし頑張るぞ!
こんな感じで息巻いて、さっそうとした気分で自分の門出に心が踊る。
ところが、
実際に入社してみると、面接時の労働条件と全然違うのです!
面接時(求人広告時)に提示された条件と違うから辞めたいのは甘えなのか?
いいえ。それは甘えではなく合理的な判断です。
とはいえ、会社を辞める前に次の転職先を見つけておいたほうが安心です。転職先が決まっていない方は、まずは転職エージェントに相談してみるといいでしょう。
この記事では、労働条件が聞いていたのと違う場合でも甘えではない理由を探っていきます。
書面と実態の労働条件が食い違う背景
応募者はまず求人サイトなどを閲覧して応募し、書類審査に受かり面接を受けます。
「面接」というお互いを理解する場を経て、概要を話し合い、徐々に詳細を煮詰めていく。
その上で「内定」が出れば、書面で契約といった段階を経るのが普通の応募の流れです。
もし面接の時点で、求人広告に記載されている内容と著しく違う条件を言われたり、曖昧な言い回しで「あやしい」感じを受ければ、この時点で辞退をする。そこで終了です。
しかし、求人広告、面接、契約時の書類、このどれもに相違がなく自分の希望通りで、会社側からも見込まれれば晴れて契約が成立です。
いざ初出勤!となり、いよいよ業務がスタートします。
多くの問題が生じるのがここから。
仕事が始まると、契約時の書面内容と実際に行われている業務実態が食い違うのです。
- 完全週休2日制と聞いていたのに、土曜日は出勤になる
- 残業はほとんど無いと聞いていたのに普通にある
- 固定残業代で、超過分の残業代が支給されない
ありがちなのがこういった内容。
そして面倒なことに、こういったサービス残業や休日出勤が、社員の自主性をもとに実地されているのです。
書面上は「完全週休2日制」となっているのに、社員が自主的に土曜日出勤している。そうゆう社風になっている。
これ厄介です。
サービス残業や休日出勤を強要されたら契約解除できる
労働条件の契約と実態が異なるが、それは社員の自主性のもとに成り立っている。就職してみたらこんな会社だった。
この場合、あなたの裁量次第でどうとでもなります。
もし仮に今の職場で、上司から
ウチの職場の実態はこうだ。みんな休日出勤もサービス残業も厭わずに頑張ってくれている。だからお前も同じように頑張ってくれ。
のようなことを言われたら、これは完全に契約違反です。
1. 労働条件が違っていたら
実際に働き始めたら、給料、労働時間、仕事の内容など、あらかじめ示された労働契約の内容と実際の労働条件が違っていた場合にはどうすればよいのでしょうか。そのようなトラブルがないように、労働基準法では労働条件の明示が義務づけられていることは既に述べましたが(P.14 参照)、実際に労働条件が違っていた場合には、労働者は約束通りにするように要求できますし、そのことを理由にすぐに契約を解除することが認められています(労働基準法第 15 条)。この場合は有期労働契約の契約期間途中であっても、退職することができます。
引用元:知って役立つ労働法 第三章 働くときのルール(25ページ目)|厚生労働省
上記のように、もし強制的に周囲に同調するように会社側から言われたら、それを拒否することができますし、条件が違うので当初の約束通りにするように請求もできます。
とはいえ、入社して右も左も分からない状態で、ズケズケと、
条件が違うじゃねーかよ!
とはなかなか言えないものですよね。
その場合、当初の契約と内容が違う事を理由に、契約を解除(退職)することができます。
とはいえ悪どいブラック企業の中には、急遽、就業規則が変わったなどという会社もあります。その対策を詳しく知りたい方は「労働条件が違うことの証明方法」をクリックしてみて下さい。
基本的には、就業前に示された労働条件との違いがあるかどうかが争点となるので、就業規則が変わろうが関係ありません。
先ほども紹介したように、労働基準法では労働条件の明示が義務付けられています。会社によっては労働条件通知書が発行されているところもあるでしょう。
しかし、ブラック企業の多くはそんな細やかな気遣いをしてくれません。
そんなときは、自分が見た求人サイトなどの労働条件を保存しておきましょう。そして、今の労働時間を裏付ける証拠も保存しておくのです。
例えば、
などなど。
また証拠は詳細であれば詳細であるほど信憑性が増すので、例えば手帳や日記の記載であれば具体的に記されてればいるほど良いです。
以下のようにびっしりスケジュールで埋まっている手帳なんかは有力です。
- 10時~:ランチのシフトイン
- 14時~:〇〇業者と打ち合わせ
- 17時~:夜営業のシフトイン
- 23時~:帰宅
また、上記に上司や同僚の個人名などが入って具体的にどんな事をやったのかが記載されていればより信憑性は高まるでしょう。
このような証拠を揃えた上で労働基準監督署(労基署)などに相談しましょう。
ただし、労基署は人手不足でなかなか動いてもらえないこともあるため、以下の記事などを参考に対策をしておきましょう。
契約内容の相違により退職は甘えではありません
労働契約と実態が違ったが、多少の差異があることは分かっていたし、何よりも自分が想像していた通りの職場なのでこのまま継続して働きたい!
というのであれば、そのまま続けていけばいいかと思います。
ですが、
- 何か会社に裏切られた感がある
- 踏ん切りがつかずモヤモヤする
というのであれば、我慢することは全くありません。労働条件が違う事を理由に一刻も早く退職(契約の解除)してしまって下さい。
一番良くないのが、我慢してその会社の社風に馴染もうとしてしまうこと。
本来は納得がいっていないにも関わらず、みんなそうしているからという理由で、自分も休日出勤・サービス残業を進んで行おうとすること。
こういった会社は、一度条件を暗黙でのんでしまうと、今後も更に過酷な条件を突きつけられる可能性が高いです。
「多少の無理難題をふっかけてもやってくれる」こんな依存を寄せてくる事もありえますので、ここはラインを引いた方が無難でしょう。
そんなことも我慢できないなんて甘い!会社なんてどこもそんな感じだよ!
こういった意見もあるかもしれません。
ですがそんなのは昭和の話です。今では昔話と言っていいです。
人手不足のさなか、そんな杜撰なことをやっていたらますます人材難に陥ります。
だいたいが従業員の無銭労働で成り立っているような会社が、本当に社会にとって必要なのか?という問題もありますし、社員側からも問題提起がなされずに、根本的な事が放置されている会社の性質で明日があるのかも疑問です。
考えが甘い甘くないの以前に、契約不履行による合理的な退職と言えますね。
また、ブラック企業が存続してしまうと、ホワイト企業が競争力で押されていき、ホワイト企業までがブラック企業へと変貌していく。そんな世の中になってしまうかもしれません。
ブラック企業で働き続けるのは、世の中にとっても良くないのです。
冒頭でも話しましたが、転職を考えているのならまずは転職エージェントに相談してみましょう。
就職したがすぐに退職で不利になるのか?
いくら労働条件の食い違いによる退職といえ、早期に辞めてしまってはその後の転職活動が不利になるんじゃないか?
こう考えるのが普通でしょう。
しかし試用期間中の退職であればそもそも履歴書に書く必要がありませんし、社会保険に関しても会社が手続きを完了していなければ履歴にすらならずに終了します(ハローワークで確認済み)。
仮に短期で辞めてしまうことになるとしても、次の面接の対策を練った方が賢明です。
短期で退職したときの退職理由の説明方法
どんな理由で退職するにしても、退職した会社の不平不満を面接で話すのはNGです。
以下のように、前の会社を非難攻撃するような発言は一切しないように気をつけつつ、実際のあなたの気持ちをからめてやむなく半年で退職せざるを得なかったことを説明します。
- 残業時間が長すぎて疲弊した&残業代が出ない
- 仕事内容がくだらなくスキルも身につかないので、将来に不安を感じた
- 嫌な上司がいてストレスで体を壊した
そもそもあなたは当初、入社して半年で退職なんて事は考えていなかったはずです。その事を一番不本意に感じているのは何よりも自分自身ですよね。
そこを面接官に説明します。
- 半年で退職に至った経緯を非常に反省している
- できる限り続けようとしてみたが、どうしても半年で退職せざるを得なかった
この部分を、具体的な理由をからめながら不平不満にならないように説明します。
実際にどのように説明したらいいのかは以下の記事で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
(補足)会社都合での退職でも面接では話さない方がいい
労働条件が全然違った。ふざけるな!
こんな怒り心頭の方もいるかもしれません。
しかし、先ほどの不平不満と同様に、次の面接で「条件の差異」を徹底的にアピールするのはやめた方が賢明です。
あくまでも面接は自分の市場価値を企業にアピールする場なので、お互いに理解の浅い状態で前の会社の不備を誇張すると、ただ単に不信感を抱かせることになってしまいます。
そのブランク期間を言う必要なく済めば、言う事はないです。
むしろ、以前の失敗談を糧にして、今後、労働条件の食い違いが起こらないようにするにはどうすればいいのかをよく考える必要があります。
最後に|転職するのが一番手っ取り早い解決方法
ここまでの内容を読んで、「面接時の話と大きく食い違うからもう辞めたい!」と思っていても、同時に
今から転職するにしても時間がかかってしまう。
でも今の会社にはいたくない!
という思いを持っているかもしれません。
もしこんな複雑な悩みを抱えているなら、「転職エージェント」に相談してみるのも一つの方法です。
求人条件の食い違いを事前に防ぐには、第3者であるエージェントをかますことで起きにくくなります。
というのも転職エージェントは応募者が企業に入社したときに紹介料を企業から受け取るというビジネスモデルでやっています。また、応募者が1ヶ月など早期退職してしまったときは、企業に対して報酬の一部を返さないといけません。
つまり、面接と実際の内容が食い違い、入ったもののすぐに退職となると、企業側からのマージンも減額してしまう。
そうならないために企業リサーチを徹底させ、ミスマッチが極力おこらないようにしているのです。
さらには、
- 空白の時期をどう説明したらよいのか?
- 志望動機をどう言ったらいいのか?
- 職務経歴書の効果的な書き方は?
などの相談にも、二人三脚で考えてくれます。これだけのサービスがすべて無料で受けられるので、利用しないほうが損だといえます。
それに、優良求人はすぐに埋まってしまうので、登録するなら早い方がいいです。
おすすめの転職エージェントも選んでおいたので、最後に紹介します。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
人気の事務職や営業の求人に特に強く、一般事務や経理事務、総務事務や英語を活かす事務系の求人が多めです。他にも、IT系や広報・マーケティングの求人などもあります。
他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。