飲食店の長時間労働はなぜ普通にまかり通るのか?

飲食業の転職
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飲食店のどこもかしこもが異様なまでの長時間労働です。

異様です。超長時間労働です。

一日に12時間拘束なんて普通。むしろ生温いぐらいか。

きついところだと16時間拘束が当たり前。ひどい所だと24時間拘束なんかもあります。

しかし疑問に思った事ありませんか?

日本の法律・労働基準法では1日に8時間と定められています。
大幅に超えてますよね。飲食店って。月400時間労働なんてこともざらにあります。

そうでなくても、飲食店では「12時間働いて普通」というのが一般常識になっているぐらい。

 

そこで、

  • 飲食店の長時間労働はなぜこんなにも普通にまかり通るのか?
  • そもそも飲食の長時間労働は違法じゃないのか?
  • どうやったら長時間労働から逃れられるのか?

この疑問をぶった切り、対策を紹介します!

飲食店の長時間労働が横行する理由

飲食業界ではどこもかしこも超長時間労働が横行しています。

それも、飲食業の構造自体が長時間労働を誘発するようになってしまっているのです。

  • 一般人の働いていない時間帯に仕事をしている
  • 薄利多売なため営業時間を長めに設定しないと利益が出ない
  • やるべき業務量が多い
  • 自動化・機械化が難しい

これらのことから、一人の人間に労働が集約して長時間拘束されることになるのは否めません。

個人店なんかで月商200万規模ぐらいのお店だと、場所にもよりますが家賃やリース料などの固定費、仕入れなどの変動費で150万ぐらいはもっていかれます。

なので、社員1人当たりの業務量が多くして人件費を浮かせるしかない。

きっちり残業代を支払っていては、オーナーの取り分がなくなってしまうからですね。

 

しかし昨今のネットで情報が網羅する時代に、こんな堂々と長時間働かせて残業代未払いなどできるものなのでしょうか?普通に横行してますよね。

実は、払える体力を持っている大手でさえも、長時間労働に対する残業代を払っていない状態です。

なぜこんな事ができるのでしょう?

 

36協定を結べば長時間労働させるのは可能だが…

普通に考えれば一日8時間、週に40時間を超えて労働させることは違法です。労働基準法で決まっていることなので。

ただし「36協定」を結んでいる場合は、これらの上限を超えて労働させることができてしまいます。とはいえ、

時間外労働協定(36協定)

労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。
この労使協定を「時間外労働協定」といいます。
なお、時間外労働時間には限度が設けられています。

引用元:労働時間・休日について紹介しています。|厚生労働省

のように、36協定を結んでいても労働時間には制限があり、ほとんどの人は「1週間あたりの残業時間は15時間、1ヶ月で45時間以内」と定められています。

詳しく知りたい人は、以下をクリックして開いてみてください。

(1)一般の労働者の場合

36協定で定める延長時間は、最も長い場合でも次の表の限度時間を超えてないものとしなければなりません。

 

(2)対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働時間制の対象者の場合
   ※繁忙期に長時間労働し、閑散期は労働時間が短くなるような場合

最も長い場合でも次の表の限度時間を超えないものとしなければなりません。

引用元:時間外労働の限度に関する基準(H29.3)|厚生労働省

 

しかしながら、小規模な飲食店のほとんどが実際はこの協定を結んでいません。

なぜなら36協定の締結に必要な書類は労働基準監督署に提出するもので、残業時間に関して労基署に目をつけられやすくなるからです。36協定の締結とは簡単に言えば「ウチの店は残業が発生しますよ~」と自らおおやけにするのと一緒。

また、当然のことながら36協定を結んだからと言って残業代の支払いをしなくていいというものではありません。

なので、わざと36協定を提出せず、さも当たり前のように長時間労働させている飲食店が多いのです。

 

しかし、中には36協定をしっかり提出しているお店もあります。大手チェーンは確実にそう。

じゃあこういった飲食店ではしっかり稼働した分の残業代が支払われるのか?

答えは「NO」です。

 

なぜ飲食店は残業代を払わないのか?

よく言われる理由としては、以下の2つがあります。

  1. フレックスタイム制だから
  2. 固定残業代込みの給料だから(みなし残業制)

フレックスタイム制だから

コアタイムが定められており、その時間帯は絶対いなければならないというもの。飲食店だと営業時間に合わせてコアタイムを設定しているお店が多い。

フレックスタイム制を採用している場合、出退勤の時間を労働者が決めることができる事が条件になっているので、守られていない場合にはしっかりツッコんでやりましょう。

またコアタイムを極端に長く設定して長時間労働を強いてくる店がありますが、あまりに長いコアタイムだとフレックスと認められないケースもあるので、ここら辺もしっかり認識しときましょう。

なお、フレックスでも超過した労働時間分の残業代は支払う義務があります。

フレックスタイム制だからといって長時間労働に対する残業代が免除されるわけではありません。

固定残業代込みの給料だから(みなし残業制)

これもよくある話。基本給が22万円で、3万円の固定残業代が付いて合計25万円の支給と言ったもの。

要は簡単にいうと30時間分の残業代はついてますよ、ってやつ。

しかし飲食勤務で月の残業時間が30時間以内に収まることなど絶対にあり得ない。

これは使用者側が労務対策として本来25万円の基本給を無理くり22万円に下げて、長時間労働に対する残業代を払ってる風にみせているだけ。

社長
社長

うちは残業代はきっちり払っているだろ!

こんなふうなテイを装って見えます。

 

しかし、そもそも固定残業代制といった仕組みが法律には存在しません。そういった仕組みも有効だ程度に留まっているグレーゾーンなのです。

もし合法的に採用するのであれば、就業規則、賃金規程、労働契約などで明確に定めてあることが必要になる。

こういった規定を事細かく明示している飲食店って少ない印象があります。

そのため、ブラックなお店ほどこの「固定残業代」を採用しているのです。

勝手にこんな短い時間にみなすなよ。って感じですね。
» みなし残業(固定残業代)制はおかしい?取り入れる会社はブラックばかり!

 

飲食店の長時間労働がまかり通る3つの理由

飲食店のサービス残業の言い逃れを書いてきましたが、なぜこうも飲食店の長時間労働がごく当たり前にまかり通っているのか?

それは、以下の3つが主な理由でしょう。

  1. 労働基準法の罰則が弱い
  2. 飲食店の労働者が意外とおとなしい
  3. 周りの飲食も皆そうだから

労働基準法の罰則が弱い

ところで、36協定で締結した所定労働時間を超えた時の罰則ってご存じですか?

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

です。たったこれだけ。

見方を変えると最悪30万円支払えば労働者をこき使えるとも読み取れます。

しかもこれは労働者側が何かアクションを起こして事が公になった時の話です。何もせずに退職していってしまったら事実は闇の中に消えていってしまうわけです。

飲食店の労働者が意外とおとなしい

更には飲食店社員は意外にもおとなしい人が多いという事実。日本人全体の気質なのでしょうね。

それどころか飲食店に従事する人の中には、

飲食社員
飲食社員

長時間でもやっぱりこういう仕事が大好きなんです!

こんな人もいるほど。

「過労で息子が死んだ!」
「長時間労働で精神に支障をきたし夢遊病を発症!」

ここら辺までいかないと実際に何か事を起こすという人はなかなかいない。

その証拠に、いざ退職の際には、

飲食社員
飲食社員

飲食の仕事は長時間労働で大変だったけど、社長や会社にはホントお世話になった、ありがとう!

むしろこんな感謝の声をあげる人もいるぐらいです。

周りの飲食も皆そうだから

さらには会社側としても、

社長
社長

周りの飲食店も皆同じように長時間労働だからウチも別にいいだろう。
ウチだけではなく大手も含め業界全体でそういった考えのうちに成り立っている

こんな風潮があるため、業界全体としてなかなか変化していかない傾向が強い。

だから飲食店では長時間労働が往々にしてまかり通ってしまうのです。

 

未払い残業代は請求すべき

結局のところ何も事を起こさないという行為は、それでいいという結論になってしまう。

飲食店の発展のためにもこういった長時間労働、未払い残業代などの問題はどんどん拡散させた方が絶対にいい。

世間一般でもそういった風潮が高まれば、世論を気にして過酷な長時間労働ができなくなるはず。

労働基準法の罰則も強化されるかもしれないし、過酷な労働条件の飲食店をサポートする何か新しいビジネスだって立ち上がるかもしれない。

ブラック
ブラック

このような渦中にいる人にはぜひ、実際に行動を起こすということに期待します。

 

最後に|この地獄から抜け出したいなら転職しよう

この記事を読んでもまだあなたは、

いや、今の会社で頑張っていればいつかは報われるはずだ!

などと考えているかもしれません。しかし、現実はそんなに甘くはないのです。

会社や周りの環境が変わるのを待つよりも、自分から違う環境に飛び込んでいったほうが確実性が高いと思いませんか?

ぶっちゃけた話、長時間労働がこんなにも問題になっているのに、残業代を払わない法律を守らない。こんな会社で働いているのはもったいないですよ。

とはいえ今すぐに会社を辞める必要はありません。まずは転職エージェントに相談するところから始めましょう。

 

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そして提案された企業を見て実際に受けるかどうかを決めればいいのです。

 

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