飲食店で働いて、何気なく周囲の社員に込み入った質問を投げかけてみると将来性に不安を抱えている人は多い。
このままこのお店で働いてていいのか?
給料は上がるのか・・・。
飲食店で働いている人って、元気と体力を売りにしている人が多いからそれがなくなった瞬間を考えると、なんとも言えぬ不安に陥るのです。
そこでこの記事では、「飲食の業界全体の今後の将来性」「飲食業の給与の伸び」「独立したときの将来性」という3つの観点から、飲食の将来性について考えていきます。
飲食業界は世界的には成長するが国内は頭打ち
そもそも食べ物は人間が生活する上でどうしても必要なもの。
世界的には人口が増えているわけなので、当たり前ですが世界規模で見れば外食産業は成長しています。
以下のデータの通り、2030年には2015年の約1.5倍の市場規模になることが想定されています。
一方、国内の外食産業の市場規模は大きく伸びてはいません。
コロナ禍前の2017~2019年ごろは少しずつ伸びていましたが、コロナ禍で一気に減少。いまだコロナ禍前の水準には回復していません。
コロナ禍前のように、外国人旅行客が増えていけば今後も伸びる可能性がありますが、日本の人口が減っていく以上、リピート客が減るため市場は縮小していく可能性のほうが高いと言えます。
であれば、グローバルに展開している(していく)大手の飲食店は将来性があると言えそうですが、本当にそうなのか?
深掘りします!
大手企業は会社としては安泰だがリスクもある
大手の強みはなんと言って企業体力があるところ。そのため個人店や中小企業から転職してくる人も非常に多い。
しかしホントにそんな安定しているのか?
確かに基本的なシステムすら整っていない会社も多い飲食業の中では、「社会保険完備」「賞与年2回」などの待遇面は大手が故に安定しているのかもしれません。
しかし、大手企業では規模が大きいだけにいつまでたっても出世できずに、同じポジションに居続けるというリスクもあります。
5年も経っているのに平の社員。店長から先に一向に出世できない。
こんなこともよく聞く話。
また、これだけ情報がインターネットによって簡単に拡散する時代なので、悪評や風評の被害を真っ先に受けるのも大手企業の宿命です。
牛丼屋のブラック企業化が居酒屋業態に飛び火してきたり、どこどこ産の豚肉に病気発生!
そんな情報が出回るとすぐに大手が真っ先に被害を受けます。
悪評が拡散して、業態チェンジ・規模の縮小などの対策が取られれば、末端の店長レベルの人間など一瞬で首を切られかねません。
そういう意味では将来性は不安定とも見ることができます。
中小企業の将来性はやはり厳しい
大手に対して中小企業の飲食の将来性はどうか?
大手企業よりも出世しやすいなどのメリットもあるが、企業体力(経済力)がないためグローバル化も難しく、何より倒産の危険性に常にさらされているのが現実です。
年商で3億円規模ぐらいの会社でも、飲食店は利益率が悪い(原価が他業種に比べ高い)ので一瞬で倒産の危機にさらされる。新型コロナの流行で、多くの飲食店が苦境に立たされたのを見れば歴然です。
新型コロナがなかったとしても、4~5件の店舗規模の会社では社長が銀行から資金繰りを塗り重ねながら四苦八苦して経営している会社も多い。
倒産リスクを分散化させるために、わざと会社を3社とかに分けているところもあるぐらいです。
細かい財務・税務の調整や、借り入れをしやすくしたりと非常に細部に渡ってまで、微調整を重ねなんとか収益を維持している会社が多いのが実態です。
飲食業は給料アップも望めない
次に、飲食業の給与の伸びについて考えてみます。
以下のデータに示すように、飲食業の給与の伸び率はかなり低く、初任給の額でみてもほぼ最下位になっています。
また、飲食で働いているなら実感していると思いますが、他の業種と比べると平均年収も低い。
ちなみに、飲食店の店長になっても平均年収は約350万円です。
給料や年収の面からも、将来性があるとは言いがたい。
飲食での独立もけっこう厳しい
飲食店の中には脱サラして修行し、将来は自分の店を開くといった人や、個人店で料理を学び、ゆくゆくは俺も独立するといった志が高い人も確かにいます。
言ってみれば、『ある程度のノウハウを学べば飲食業は誰でも簡単に独立ができそう』と思われがちな業種なのです。
しかしご存知でしょうか飲食店の倒産率を?
統計データによると、業態にもよりますが飲食店を立ち上げて約50~70%が3年以内に、80%ほどが6年以内につぶれているのです。
実際、他の業種と比較すると、開業率も廃業率もダントツで高いのが飲食業なのです。
皆さんの周りにもありませんか?
前はラーメン屋だったのに気がついたら、雑貨屋になっていた。イタ飯屋ができたと思ったらいつの間にか空き物件に・・・。
このように飲食店の倒産率は非常に高く、独立したとしても将来性があるとは言えないのです。
最悪の場合、数千万円の借金を背負うことに・・・。
飲食業界の将来性に不安を抱いているなら2つの方法がある
ここまでの内容を読んで、飲食業界にいることに不安を覚えた方もいるでしょう。
もしそうなら、とるべき行動は以下の2つのいずれかです。
- 他の業界に転職する
- 将来性の見込める飲食店に転職する
飲食から他の業界に転職する方法は、以下の記事にまとめているので読んでみてください。
この記事では、将来性の見込める飲食店に転職する方法を紹介します。
将来性のある飲食店を見極める3つの基準
飲食業界内で転職したいなら、以下の3つの基準に当てはまっているかどうかを確認しましょう。
集客力があるかどうか
当然、集客力がなければ飲食店は儲かりません。
これは、実際に店舗に足を運んで見れば分かります。ピーク時に行列ができているか、店の混雑具合はどのくらいかなど。
また、最近ではネットで飲食店を検索する人も多いので、ネット上での集客力も重要です。例えば、Googleマップで検索したときに表示されるか、ぐるなびやホットペッパーで検索したときに上位に表示されているか、Instagramのフォロワー数はどのくらいか、などなど。
今や、店舗を構えているだけで他の集客方法に力を入れていない飲食店は衰退していくのです。
EC販売できる商品があるかどうか
新型コロナの流行で、ECやUberEats、テイクアウトなどは伸びました。特に、ECの市場はずっと伸びているので、ネット販売できる企業のほうが将来性があるのは明らかです。
とはいえ、ネット上で販売開始すれば何でも売れるものでもない。
ネット上のほうが競争は激しいので、その中でも売れるだけの商品力・マーケティング力が必要となります。
ECでどれだけ売れているかは調べるのが難しいものの、楽天市場などで売れ筋ランキングを検索してみるか、面接のときに直接聞いてみるといいでしょう。
社員を大事にする社風かどうか
社員を大事にする社風の会社であれば、社員の働くモチベーションが上がり、商品力や接客・集客など、すべてが高いクオリティで維持されます。結果として、競合店に勝つことができ将来性のある会社へと成長するのです。
「社員を大事にする社風」かどうかを手っ取り早く調べるためには、実際に社員が取得している月間の休暇日数を調べてみること。
口コミサイトや就職四季報で調べてみるといいでしょう。
将来性のある飲食店に転職したいなら転職エージェントを利用すべき
実は、転職エージェントを利用すれば、比較的ラクに将来性のある飲食店を発見できます。
なぜなら、転職エージェントに対して企業が支払う手数料は高いため、利益率が高くて余裕のある企業でないと転職エージェントを利用できないからです。
また、利用するなら飲食専門の転職エージェントを使うべきです。
飲食業界に特化した転職エージェントのほうが業界のことを理解しているし、何よりあなたの強みを引き出して内定率を上げられるから。将来性のある飲食店は、当然採用の倍率も高いので、しっかりと自分の強みをアピールできる必要があります。
また、転職エージェントは登録したからといって必ず転職しなければいけないというものでもないので、まずは気軽に話を聞いてみましょう。
中でも、一番のおすすめはフーズラボエージェント。
外食産業、飲食業界特化の転職支援サービスとして年間約5,000名以上の実績があり、満足度もNo.1!
求人数も豊富で、大手企業やチェーン店から個人店、レストラン、ホテルまで多様な求人を保有しています。
加えて、転職後の年収400万円以上が66%、72%の方が年収アップを実現。
お店で働いている従業員へのインタビュー情報も提供してもらえ、お店によっては体験入店も可能です。
当たり前ですが、優良企業への応募は殺到するので、早めに登録して情報を得ておくことをおすすめします。
その他、飲食業界に特化した転職エージェントは以下の記事で紹介しているので、読んでみてください。
まとめ|後悔しないためには早めの行動を!
これまで紹介してきたように、飲食の業界全体としてみれば将来性は決して明るいとはいえないのが実態です。
とはいえ、グローバル展開していたり、競争力のある商品を持っていたりと、将来性のある飲食店もあります。
一人で悩んでいても何も解決しないので、迷っているぐらいなら飲食専門の転職エージェントに相談してみましょう。