大企業で働いているけど辞めたい。でも辞めるのは不安だからどんなリスクがあるのか知りたい
という人は多いでしょう。
実は、僕も新卒で大企業に入社し、その後15人程度のベンチャーに転職していますが、やはり転職する時は不安でした。
なので、転職する前にまずは転職エージェントに相談し、大企業を辞めるとどれくらい給料や福利厚生が変わるのか、今の自分の実力だと他にどんな企業に転職できるのかは確かめておくことをおすすめします。
この記事では、僕の実体験も踏まえ、大企業を辞めるデメリットや大企業を辞めるべき人などを紹介します。
大企業を辞めたら失うもの
やはり大企業には、中小企業にはない様々なメリットがあります。
なんやかんや高い給料・福利厚生
平均するとやっぱり大企業の給与水準は高いです。そして福利厚生も手厚い。
総合商社に勤めている友達から聞く話だと、次のように結構なメリットがあります。
- 年間に6万円まで自分の自己研鑽などのために好きに使えるお金がある
- 提携している全国の旅館やホテルに格安で泊まれる
- コンサートやミュージカルなどのチケットが優先的に取れる(スポンサーしてるので)
会社によって内容は異なるでしょうが、
- 家賃の半額は会社が負担してくれる
- 社内食堂での食事が無料
- 充実した退職金
などもよくある福利厚生の例です。
中小のベンチャー企業にもセミナーや書籍関連の費用を出してくれるところはありますが、大企業ほど充実した福利厚生はありません。
快適な労働環境
人によっては大企業の労働環境を快適だとは思わないかもしれませんが、中小企業では
- サービス残業が当たり前
- 有給休暇がとれない
- 一部の人に仕事が集中している
なんてことも起きています。
大企業には高い法令遵守の意識が求められているので、残業代が出ないとか休みが取れないなんてこともあまりありません。仕事も仕組み化されていて、一部の人に仕事が集中することもありません。
社会的な信用
やはり大企業の方がローンは組みやすいです。家を買ったり、不動産投資をやったりするなら大企業に勤めているほうが有利です。
その他、結婚相手の親や友達に会社名を話したときにも「すごい!」と思ってもらいやすいです。
充実した研修・人材育成の制度
大企業は資金的な余裕があるため、研修や人材育成も充実しています。
また、個人的に結構大きなメリットだと思っているのが、頻繁にフィードバックを得られる機会があることです。
フィードバックと一言で言っても、大企業で得られるフィードバックにはいくつか種類があります。
- 教育担当的な人が付き、仕事の進め方や社内のルールを教えてくれる
- 自分が得意なこと / 苦手なことを客観的に見る視点が得られる
- 著名な外部講師の講演や、有料の外部研修が無料で受けられる
中小企業だと人手が足りないので、社員のフィードバックに時間を割く余裕があまりなく、「自分でなんとか成長して!」という放置プレイ状態になります。
大企業を辞めるメリット
とはいえ、大企業を辞めることにもメリットはあります。例えば大企業とベンチャー企業を比較すると、ベンチャーのほうが
- 意思決定が早く、スピード感がある
- 結果を出せば昇給・昇格しやすい
- 自分の職域を超えて、様々な仕事の経験ができる
- ストックオプションで一攫千金を狙える
といったメリットがあります。
分かりやすく大企業とベンチャーのメリット・デメリットまとめると以下のようになります。
項目 | 大企業 | ベンチャー |
---|---|---|
仕事のスピード感 | 社内りん議や意思決定 機関が多数あるため遅い | 組織の階層が少ない分、 現場判断で動くことが 多いので早い |
社内の雰囲気 | 年齢層が高い人が多くなる ので落ち着いた雰囲気 | 年齢層が若いので、 エネルギッシュ |
身につくスキル | 特定のスキルを身につける のに向いている | 何でも屋さんになる |
給料・福利厚生 | 新卒だと給料は低めだが 福利厚生含めて良い | 基本的には高くはない |
昇給・昇格 | なんだかんだ年功序列 | 結果さえ出せば 昇給・昇格しやすい |
社会への影響力 | 資本力と既に業界との太い パイプがあるので大きい | 特定の業界のニッチな市場を 攻めているため小さい |
より詳しくは以下の記事でも紹介しています。
» ベンチャーのメリットとデメリットを履き違えるな!【大企業と比較】
中小・ベンチャーへの転職がおすすめな人
これまで紹介してきた内容も踏まえると、中小企業、特にベンチャーに向いている人の特徴は以下の通りです。
逆に、ベンチャーに向いていない人の特徴は以下の通りです。
成長意欲の高い人ほど、大企業を辞めたいと思う瞬間は多いでしょう。
しかし、衝動に身を任せて「大企業はオワコン!ベンチャー最高!」と言うつもりは全くありません。むしろベンチャーは向いている人の方が少ないです。
ベンチャーに向いているかどうかを詳しく知りたい人は、以下の記事を読んでみてください。
» ベンチャーに絶対向かない人と向いている人の違い
ただ、やはりベンチャーは大企業にはない刺激的な環境があるのも事実です。僕もベンチャーに転職して、優秀な経営陣と近い距離でがむしゃらに働いた経験が今の仕事にも活きています。
もしかしたら、新卒で入った会社で環境に文句を言い続けて、今でも無駄な時間を過ごしてしまっていた可能性もあるので、あの時大企業を辞める決断をして本当によかったと思ってます。
なお、
ベンチャーに向いてなさそうだけど大企業は嫌だ!
という人にはメガベンチャーがおすすめです。
僕は、大企業→ベンチャー→メガベンチャーと転職を繰り返した結果、メガベンチャーが一番合っているなど感じています。
リスクが不安ならメガベンチャーへの転職がおすすめ
メガベンチャーは大企業とベンチャーのいいとこ取りをしていると言えます。
先ほどの大企業とベンチャーの比較表に、メガベンチャーを追加すると以下のようになります。
項目 | メガベンチャー | 大企業 | ベンチャー |
---|---|---|---|
仕事のスピード感 | 大企業よりは階層が浅いが 上司の判断を仰ぐ必要が あることが多く少し遅い | 社内りん議や意思決定 機関が多数あるため遅い | 組織の階層が少ない分、 現場判断で動くことが 多いので早い |
社内の雰囲気 | 平均年齢は20~30代前半で やや落ち着いている | 年齢層が高い人が多くなる ので落ち着いた雰囲気 | 年齢層が若いので、 エネルギッシュ |
身につくスキル | 特定のスキルを身につける ことに集中できる | 特定のスキルを身につける のに向いている | 何でも屋さんになる |
給料・福利厚生 | 給料は高め。福利厚生は 大企業ほど充実してない。 | 新卒だと給料は低めだが 福利厚生含めて良い | 基本的には高くはない |
昇給・昇格 | 結果を出しても昇給する とは限らない。 上司や周りで働いている人 の評価も大事。 | なんだかんだ年功序列 | 結果さえ出せば 昇給・昇格しやすい |
社会への影響力 | 知名度もあるので 影響力もそこそこ大きい | 資本力と既に業界との太い パイプがあるので大きい | 特定の業界のニッチな 市場を攻めている ため小さい |
大企業のメリットを失うことなく、ベンチャーのようなスピード感を味わうことができます。
メガベンチャー企業の一覧や、メガベンチャーに受かるためのポイントは以下の記事にまとめているので、興味があれば読んでみてください。
大企業を辞める前にやっておくべきこと4つ
ここまでの内容を読んで、「やっぱり大企業を辞めたい!」と思ったとしても、いきなり辞めるのはおすすめしません。
辞める前に以下の4つのことをやっておきましょう。
- 今の勤務先を辞めたい理由を紙に書きだす
- 今の勤務先では本当に叶えられないのか再度考える
- 家族に今の勤務先を辞める相談をする
- 辞める決心がついたら転職エージェントに相談する
1.と2.をやるべき理由は、結局これらが転職時の面接で問われるからです。
正直勢いで辞めることもできますが、後から考えて「やっぱ辞めなければよかった…」とならないように、事前に考えることを強くおすすめします!
今の勤務先を辞めたい理由を紙に書きだす
面倒くさがらずに紙やPCのメモ帳に書き出すのがポイントです。
文字起こしする理由は、仕事を辞めたい時は辞めたい気持ちが先行して冷静に考えられないので、一旦紙に書いた文字を見ないと思考を客観視できないからです。
実際に当時の僕がメモっていたのはこんな感じでした。
これらがそのまま面接でも使えるわけではないですが、とにかく何も考えずに手を動かし続けることをおすすめします。
文字にしてみ後で考え直してもいいですし、転職エージェントに転職理由をブラッシュアップしてもらえばいいので。
あまり時間をかけて考えすぎてもしょうがないので、思いついたことをとにかく書き出していきましょう。
今の勤務先では本当に叶えられないのか再度考える
次に、「今の職場で自分の努力次第で変えられるところはないのか?」を考えてみましょう。
今振り返ると、「今やっている仕事がつまらない」と言うのは変えられたかなと思ってます。
ベンチャーでも大企業でも成果を出す人は自分なりに工夫をして圧倒的な行動量を担保している、というのは後から気づきました。
転職するにしても、仕事をやりきってから転職してたら違ったんだろうなと後悔してるので、当時もう少し深く振り返れる余裕があれば違ったキャリアを歩んでいたかもしれません。
家族に今の勤務先を辞める相談をする
また、家庭を持っている人は事前に家族にも相談しておきましょう。大企業を辞めるリスクがあることを正直に家族に相談しておかないと、のちのち取り返しのつかないトラブルになるかもしれないからです。
特に、設立間もないベンチャーに転職するのであれば倒産のリスクもありますし、大型の資金調達をしてないなら給料も今よりも下がる可能性が高いです。
「それでも挑戦したいんだ!」という理由を説明して納得してもらいましょう。
先に転職エージェントに相談して求人を紹介してもらい、「こういう企業に転職するから安心して」と交渉する方法もあります。
辞める決心がついたら転職エージェントに相談する
ある程度転職の意向が固まったら転職エージェントに相談してみましょう。
自分で求人を探す方法もありますが、転職エージェントを利用したほうが圧倒的にラクです。
それに、転職エージェントが紹介してくれるのは、エージェントに紹介料を支払う余裕のある企業だけです。中小・ベンチャー企業の中には大企業では想像もできなかったブラック企業もありますが、転職エージェントを利用することで回避できます。
利用はすべて無料ですし、面接対策や書類の添削などもやってもらえて利用しないほうが損なくらいなので、今すぐ登録して話をしてみるといいでしょう。
LHH転職エージェント
LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
(参考)大企業を辞めてベンチャーに転職した体験談
参考になるか分かりませんが、僕が大企業からベンチャーに転職した体験談も紹介します。
僕の場合は新卒で入った大企業を2年ほどで辞めて、社員15人ほどのベンチャーに転職しました。ベンチャーに入ってみたら想像以上にカオスでした。
- 採用時には「これから100億円を目指すXX事業の立上げメンバーを募集!」と言う求人だったのに、入社時には既にその事業からは撤退
- 初日はPCのセットアップと社内で必要なツールを教えてもらってあとは放置プレイ(2週間ほどみっちり座学研修があった大企業との差に愕然とした覚えあり)
- 労働時間は増えることを覚悟して入社したが、逆に全く忙しくない環境にめちゃめちゃ焦る(17時くらいでもう暇で、定時で帰ってました)
このままだと何のためにベンチャーに入ったのかわからない…
働き方を変えるしかない!
と覚悟を決め、とにかく考えられる範囲で事業を大きくできることは全てやろうと決意しました。
だんだんと自分が主体となって考えられるようになり、「こうしておきました」「これ自分にやらせてください」という行動ができるようになると周りからはかなり褒められました。
任せてもらえる仕事の幅が広がり、経営企画や採用までやらせてもらえました。
誰かに許可を取るのではなく自分で考えて行動することで認められる、というベンチャーの評価基準を体感しました。
最後に|後悔しないために今すぐ行動しよう
これまで紹介してきたように、大企業を辞めるにもリスクがあります。失うものもたくさんあります。
一方で、大企業を辞めることで得られることもあります。
そのどちらを選択するのか、まずは冷静になって考えてみましょう。
ただし、大企業で長く勤めすぎるとベンチャーへの転職も難しくなります。年齢的に若い人が多いですからね。馴染みにくいのです。
なので、まずは小さな1歩でいいから行動してみましょう。
自分ひとりで悩んでいても前に進まないことも多いので、とりあえず転職エージェントに相談してみることをおすすめします。