航空業界の外資系企業で働く元自衛官・公務員のわびです。詳しい自己紹介はこちら!
私は30代で自衛官から市役所職員に転職しましたが、自衛隊にいる間に警察官へ転職していった人も見てきました。
しかし、個人的には自衛隊から警察官への転職はあまりおすすめできません。
警察官への転職が成功したとしても労働条件や待遇があまり変わらないからです。
今の労働環境や年収に不満を持っているなら、いっそのこと民間企業に転職することをおすすめします。
この記事では、元自衛官である私が転職先に警察官をおすすめしない具体的な理由に関して、詳しく解説しています。
自衛隊からの転職先に警察官をおすすめしない6つの理由
自衛隊も警察官も、業務内容的な違いはあれど同じ階級社会であり比較的男性が多いため、体育会系のノリは残っています。
また、基本的に自衛隊も警察官も、
- 嫌な上司は常に固定(クビにならない)
- 副業禁止
- もらえる給料
といった項目ではだいたい同じなので、長期間在籍するのはおすすめできません。
では具体的に、おすすめしない理由を紹介します。
警察官の採用試験は自衛隊よりも難しい
自衛隊の試験と比較して警察官の試験の難易度は高く、警察官への転職を検討されている方はある程度の期間は試験対策を行う必要があります。
警察官の採用試験では市役所職員などと同等のレベルの筆記試験があります。
自衛隊として勤務している期間が長ければ長いほど、高校や大学で学んだことは忘れている場合が多いので、警察官になろうと思っている方は改めて勉強が必要です。
また、年度や自治体によって異なりますが、採用倍率は
- 自衛隊:4~5倍
- 警察官:2~8倍
ほどとなっています。幅はありますが、警察官のほうが少し採用倍率が高めな印象です。
また、自衛隊出身だからといって警察官になりやすいということはありません。
警察官は3交代制であり勤務時間が不規則
警察は基本的に3交代制であり、
- 当番日:24時間体制で勤務
- 非番日:勤務明けの日(体を休める)
- 休日 :完全休み
の3つのシフトで回っています。
どの交番にも必ず一定数の警察官が常時待機しており、3交代制により警察官に祝日(連休)等は休暇申請をしない限りありません。
自衛隊でいうところの警備隊の業務に似ていると言えるでしょう。
災害時は自主的に集まらなければならない
自衛隊でも有事の際には例え休みであっても出勤しなければなりませんが、警察官も同じく災害時や急を要する事件があった場合は強制出勤となります。
その他、警察関連のイベントが開催されたりする場合も、休日に関係なく駆り出されます。
自衛隊でもイベントは毎年行われますが、警察の場合は部外のイベントにも警備として配置される可能性もあるので、頻度は警察の方が多いでしょう。
警察官は休みの日であっても許可なく方面から出れない
自衛隊の場合は基地の外へ出る場合は「外出許可証」が必要ですが、警察官の場合は方面から出る場合に必要となります。
方面とは、勤務している警察署の地区のことを指します。
自衛隊よりは外出に関しては制限がゆるいようにも感じられますが、実際にはあまり変わらないとも言えるでしょう。
自衛隊も警察官も大して給料は変わりない
45歳での自衛官と警察官のモデル給与を比較すると、ほぼ変わりません。
- 自衛官の年収:約767万円(3佐)
- 警察官の年収:約761万円(警部補)
業務のキツさや休日出勤は自衛隊と警察官であまり変わらず、警察官は勤務時間が不規則であることなどを考慮すると、やはりあまりおすすめできません。
自衛隊も警察官も副業禁止
警察官も例外なく副業が禁止されています。
大企業も副業解禁しているこの時代に、副業禁止というのは大きなデメリットではないでしょうか。
警察官として勤務していてもその後に役立つスキルや知識は身につきにくく、副業も禁止なので自身で稼げるスキルや知識が身につきにくいです。
自衛隊から転職するなら民間企業がおすすめな3つの理由
私の考える民間企業で働くメリットは以下の3つです。
- 転職しやすい
- 休日がちゃんと休める
- スキルや成果に応じて給料が上がる
解説します。
転職しやすい
自衛隊から転職を考えている人の中には、今の上司や職場環境に不満を感じている人もいるでしょう。
自衛官や警察官であれば嫌な上司や仕事ができない上司がいたとしてもクビになることはありません。
しかし、民間企業では嫌な上司がいたり、職場環境が合わなければ転職すればいいのです。
もちろん、嫌なことがあったらすぐに転職するというのはおすすめできませんが、もはや転職するのは当たり前の時代になってきています。
自分で行動することで環境は変えられるのです。
休日がちゃんと休める
これは、私が転職した理由の1つでもあります。
自衛官でも警察官でも休日に駆り出されたり、イベントがあったりなどで休日が潰れることは多いです。
しかし、まともな民間企業では土日祝日はちゃんと休めます。
それだけでなく、企業によっては在宅勤務も可能です。
私も今では、出勤日のだいたい半分ぐらいが在宅勤務です。
勤務時間も自由なフレックスタイム制なので、家族との時間を多く確保できるようになりました。
スキルや成果に応じて給料が上がる
自衛隊も警察官も、公務員はスキルが身につきづらいです。先ほど言ったように公務員は副業禁止ですし、法律・規則で動く自己完結型の組織だからです。
何をするにしても「根拠」が求められ、前例のないことは嫌われる傾向にあります。
そんななかで求められたことのみを淡々とこなし、それ以上の結果を追求しないので成長しようと思ってもできません。
一方、民間企業では成長することが求められます。そしてスキルが上がり成果を出せば、それに応じて給料も上がります。
スキルが上がってくれば転職もしやすくなりますし、どの企業にも採用してもらいやすくなるので、上司や社長に媚びへつらう必要もありません。
私は民間企業に転職したことで自由度が上がり、ストレスもかなり減りました
自衛隊から民間企業に転職する方法
ここまで警察官よりも民間企業に転職したほうがいい理由を紹介してきました。
ここからは自衛隊から転職するおすすめの方法を教えます。
まずは一般的に転職する方法は次の5つに分類されます。
多数の求人情報の中から、自分で求人を探し、応募する方法
エージェントとの面談を行い、求人の紹介を受けて、選考に進む方法
職務経歴書を登録して、スカウトを受ける方法
知り合いが働いている企業を紹介してもらう方法
ハローワークから求人を紹介してもらう
それぞれの方法には、メリット・デメリットがあります。
おすすめする人 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
転職サイト | ・希望が明確 ・転職に慣れている | 自分のペースや 希望を重視できる | 一人で転職活動を 進める必要がある |
エージェント | ・希望が明確でない ・転職活動が不安 | 転職のサポートを してくれる | 結果がエージェント の質に左右される |
スカウトサービス | ・キャリアに自信がある ・市場価値を知りたい | 基本的に受け身でいい | 市場価値によっては スカウトが来ない |
知り合いから の紹介 | ・知り合いが多い ・誰と働くかを重視する | 知り合いが働いている ことの安心感がある | 内定が出た後に 入社を断りづらい |
ハローワーク | ・失業保険をもらう場合 | 特になし | 紹介される求人の 質が低い |
補足すると、ハローワークは企業が無料で人材を採用できます。裏を返せば「人材採用にお金をかけない(かける余裕がない)企業が多い」ということです。
一方で、転職サイトや転職エージェントには、企業がお金を払っています。お金を払ってでも優秀な人材を採用したい企業の求人が集まっているということです。
以上のことから、自衛官におすすめする方法は「転職サイトと転職エージェントの併用」です。
具体的には次の手順です。
この方法で転職活動をすると、転職サイトで応募しただけでは落ちてしまう求人にも、転職エージェントに推薦してもらうことで通過しやすくなります。
転職サイトは、学歴や企業名などのフィルターを設けていることがあるので、転職サイトから応募ではフィルターで自動的に落とされてしまうことがあります。
ですので、公務員で転職を考えている方は、転職サイトで求人を見つけて転職エージェントに推薦してもらう方法をおすすめします。
また、転職エージェント選びで重要なのはたった1つで、「自分にとって優秀なキャリアコンサルタントに出会えるか」です。
そのためには、複数の転職エージェントに登録しておいたほうが良いでしょう。
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
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エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
doda
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アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
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他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
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また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
まとめ|自衛隊からの転職先に警察官をおすすめしない6つの理由
自衛隊からの転職先に警察官はおすすめしないといった事に関して詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事の要点は、以下となります。
- 警察官の採用試験は自衛隊よりも難しい
- 警察官は3交代制であり勤務時間が不規則
- 災害時は自主的に集まらなければならない
- 警察官は休みの日であっても許可なく方面から出れない
- 自衛隊も警察官も大して給料は変わりない
- 警察官は副業禁止
自衛隊から警察官へ転職しても同じような境遇が待っているだけなので、転職するのであれば民間企業を検討してみてください。
転職エージェントを活用すれば、希望の転職に1歩近づきますよ。