航空業界の外資系企業で働く元自衛官・公務員のわびです。詳しい自己紹介はこちら!
自衛官の方の中には、
- 自衛官はもうやだ!すぐにでも退職したい!
- 自衛官って簡単に退職できるのかな?
- 自衛隊の退職って決まりごとがあるの?
と疑問を抱えている方もいるでしょう。そういうお悩みを解決できる記事になっています。
この記事で紹介する『自衛官を最短で退職するために知っておきたい法律・規則と期間』を知っておくと悩むことなくスムーズに退職できるようになります。
実際に私は退職を決断してから約2ヶ月でスムーズに退職することができました。
この記事を読み終えると何の心配もなく自衛官退職への道をすすむことができますよ!
自衛官をすぐに退職することはできるのか
結論から言うと自衛官をすぐに退職することはできません。
自衛官を退職するためには任命権者に退職の承認をいただく必要があります。
その任命権者に退職を承認してもらうためには、人事に各種手続きをしてもらわなければなりません。
さらには人事上の手続きに入る前に所属長などからの『引き止め』があります。
インターネットで「自衛官、退職」で検索すると、「辞めさせてもらえない」とか「承認してくれない」といった辞めたいのに辞めれないといった情報が出てきますが、原因はこの『引き止め』なんです。
私が自衛隊を辞めるときには、退職についての法律や規則を徹底的に調べました。
上司に退職を切り出したときに
あ、こいつ規則を知らないな
と思われると無駄な引き止めにあうからです。
私が自衛官を退職する前後にも、同じく退職について徹底的に調べて退職した後輩がいましたが、それぞれの退職に要した期間は以下のとおりです。
- 後輩A(2等陸尉):1ヶ月半(4月中旬に退職の意志表明、5月末退職)
- 私(1等陸尉):2ヶ月(6月下旬に退職意思表明、8月末退職)
- 後輩B(1等陸尉):3ヶ月(9月に退職の意志表明、12月末退職)
「陸士・陸曹なら3ヶ月~5ヶ月、幹部なら4ヶ月~9ヶ月」という人もいますが、 退職についての法律・規則をよく理解して、正しい手続きを踏めば2ヶ月で辞めれます!
自衛官の退職に関する法律と規則
自衛官の退職に関する法律と規則をざっと並べるとこんな感じです。
- 自衛隊法第31条
- 自衛隊法第40条
- 陸上自衛官人事業務規則第28条
この3つでOK!
ほかにも退職についての法律と規則をいろいろ調べましたが、結果的にこの3つの法律と規則を知っておけばOKでした。
では、それぞれの法律・規則について見ていきましょう。
自衛隊法第31条:退職を認めてくれる人
自衛隊法第31条とは、簡単にいうと『退職を認めてくれる人』について書かれています。この第31条に定められている人にOKをもらえば自衛官を退職できるのです。
(任命権者等)
引用元: 自衛隊法|e-Gov法令検索
第三十一条 隊員の任用、休職、復職、退職、免職、補職及び懲戒処分(次項において「任用等」という。)は、幹部隊員にあつては防衛大臣が、幹部隊員以外の隊員にあつては防衛大臣又はその委任を受けた者(防衛装備庁の職員である隊員(自衛官を除く。)にあつては、防衛装備庁長官又はその委任を受けた者)が行う。
自衛隊法に書いているとおり『退職を認めてくれる人』は階級によって異なります。
基本的にはこんな感じです。
- 陸士・陸曹→師・旅団長
- 幹部→陸上幕僚長
例外もあります。
ご存知のとおり、とっても偉い人に退職を認めてもらうことになります。
とっても偉い人まで上申しないといけないので退職までにどうしても時間がかかってしまうのです。
詳しくはこのあと説明しますね。
自衛隊法第40条:退職の承認
自衛隊法第40条は『退職の承認』についてですが、読んでみるとわかるように『退職を承認しないことができるとき』について書いてあります。
(退職の承認)
引用元:自衛隊法|e-Gov法令検索
第四十条 第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。
読んでみると何やら不安になるようなことが書かれていますね。
「自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、(中略) 最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。」って…
おそらく自衛官を退職しようとする人が一番引っかかるところです。
結論からいうとあまり気にする必要はありません。
理由は後ほど説明しますね。
陸上自衛官人事業務規則第28条:退職の手続き
陸上自衛官人事業務規則第28条は『退職の手続き』について書かれています。
ここでは陸上自衛官についてですが、海上自衛官や航空自衛官も基本的にはあまり変わりません。
(退職)
引用元: 陸上自衛官人事業務規則
第 28 条 退職(定年及び任期満了による退職を除き、応募認定退職を含む。) を希望する者は、退職願(別紙第 20)を作成し、幹部並びに陸上幕僚長を任免権者とする准陸尉、陸曹及び陸士については、退職希望日の 30 日前までに、 順序を経て陸上幕僚長に1部上申するものとする。
陸上自衛官人事業務規則第28条は幹部自衛官や一部の陸曹と陸士の退職の手続きについての根拠です。
この規則から『退職願』を作成して退職希望日の30日前までに陸上幕僚長に上申しなければならないことがわかります。
自衛官を退職するときには、30日という超えられない壁が存在することを覚えておきましょう。
(上申の手続きもあるので実際はもっと時間がかかります。)
一般の陸曹や陸士は師団長や旅団長に上申することになるので、師団や旅団の人事業務規則を読んでみるといいでしょう。
自衛官の退職が認められないときって?
自衛隊法第40条では「自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、(中略) 最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。」との記載があります。
個人的にはこの一文が自衛官退職の抑止力になっていると思っています(笑)
特にポイントとなるのが『 自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるとき』
私は自意識過剰だったので自分の仕事が該当すると本気で思っていました(笑)
この『自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるとき』について、総本山である陸上自衛隊小平学校法務教育部はこう言っています。
有事のときを想定しています。
基本的に平時では適用されません。
つまり、退職を申し出たときに上司がこの記述を根拠に引き止めをした場合、違法性を帯びる可能性があります。
そんな上司は無視しましょう。
自衛官の退職までに必要な期間
自衛隊法第31条、第40条そして陸上自衛官人事業務規則から、自衛官の退職までに必要な期間は次のとおりです。
30日(上申の期限)+ 7~28日(上申までの手続き)+?日(上司による引き止め)
30日は陸上自衛官人事業務規則で決まっている「退職希望日の30日前までに陸上幕僚長に上申」のことです。
この期間を短縮することは不可能です。
7~28日は所属部隊から陸上幕僚監部まで上申するための手続きにかかる日数です。
日数にバラつきがあるのは所属部隊で大きく変わるからです。
例えば、中隊所属だと「連隊→師団→方面隊→陸幕」というルートになりますが、方面隊や学校所属だと「方面隊→陸幕」になります。
師団司令部や方面総監部で勤務していた経験上、ひとつ上に上申するのに1~2週間程度です。
?日は上司による引き止めにかかる日数です。
退職のスピードはこの引き止めをいかに早くクリアするかにかかっています。
退職に時間がかかっている人は、この引き止めをマジメに受けているからです。
退職の強引な引き止めは違法性を帯びます。
退職する側が有利なので、引き止めにはキチンとNOを突きつけましょう!
まとめ|元幹部自衛官が教える退職の法律・規則と期間
以上が『2ヶ月で自衛隊退職!元幹部自衛官が教える退職の法律・規則と期間』です。
- 自衛隊法第31条:『退職を認めてくれる人』について
- 自衛隊法第40条:『退職を承認しないことができるとき』について
- 陸上自衛官人事業務規則:『退職の手続き』について
- 退職までに必要な期間: 30日(上申の期限)+7~28日(上申までの手続き)+?日(上司による引き止め)
- 強引な引き止めにはキチンとNOを!
退職についての法律・規則をよく理解して、正しい手続きを踏めば2か月で辞めれます!
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