自衛隊から民間企業へ転職した際に「元自衛官は使えない」と言われることがあります。
「元自衛官は使えない」と言うのには理由があり、これから転職を検討されている方はしっかりと理由と対策方法を知っておきましょう。
とはいえ、私も元自衛官ですが実際に「元自衛官は使えない」と言われる人は少数派。
基本的に自衛隊に対する世間の印象はとてもよく、どの企業でも好感を持って接してくれるところが多いです。
ではなぜ「元自衛官は使えない」と言われるのか?その詳細を解説していきます。
「元自衛官は使えない」と言われる3つの理由
- 自己解決能力が低い
- 基本的に”受け身”で指示しないと動かない
- 仕事先に相手(顧客)がいることを理解していない
元自衛官は使えないと言われる最大の理由は、自衛隊と民間企業での働き方の違いが大きく影響しています。
自衛隊はあくまでも公務員であり、外部の敵から自国を守るのが主な仕事。
対して民間企業では常に利益を伸ばすことが求められるため、取り組み方も考え方も自衛隊とは大きく異なります。
働き方の違いをしっかりと把握し、企業が何を求めているのかを理解しないと「元自衛官は使えない」と言われる可能性が高くなります。
自己解決能力が低い
自衛隊と言う組織は階級社会となっており、どの部隊にも上官がいて部下がいると言った構図になっています。
仕事の割り振りなども全て上官や先輩自衛官からの的確な指示で業務を行うため、いざ民間企業へ転職して働き出すと具体的な指示がないため混乱する人が多いです。
民間企業では上司はいても自衛隊のように具体的に指示をされることはなく、自身で考えて行動することが求められます。
基本的に”受け身”で指示しないと動かない
教育隊などの構図が一番わかりやすいですが、基本的に自衛隊は上官からの指示がない限り勝手に動いてはいけない決まりがあります。
指示を受けた後に行動に移すが基本となっているため、自衛隊の価値観を引きずったまま民間企業で働き出すと指示待ち人間になってしまいかねません。
言わないと動かない人では、民間企業では「使えない」扱いされてしまうのです。
仕事の先に相手(顧客)がいることを理解していない
民間企業では、相手(顧客)が何を求めているのかを考える能力が必要となります。企業は顧客が必要としているものを売ってお金を得ているわけですから。
しかし自衛隊の場合、相手が何を求めているのかを考える機会はほとんどありません。
そもそも民間人と触れ合う機会が多くありませんし、自然災害時に触れ合う機会があったとしても司令は上官から下りてくるだけです。自分で考えたことを実行する余地はありません。
なので、民間企業に転職してすぐはすこし戸惑いを感じ、周りの社員からは「使えない」を思われることがあります。
「元自衛官は使えない」と言われないための3つの対策
これから自衛隊から転職される方は以下の3つに気をつけてください。
- 民間企業と自衛隊の違いを把握する
- 転職先の企業に関して徹底的に調べる
- 身を置く業界に関して理解を深める
一番の対策方法としては働き方の違いを理解し、新しく就職する企業がどのようなサービスを行っているのか把握することです。
また、余裕がある人は企業が属する業界全体のことに関しても理解があると、より一層貢献できる可能性が高まります。
民間企業と自衛隊の違いを把握する
会社によっても異なりますが、自衛隊との違いの例としては、
- 上司に諮るよりも自分で決めて仕事を進めていくことが多い
- 雑用のような自分の仕事以外のことはしない
- 成果や結果が常に求められる
- 成果を出せば給料が上がる
などなど。
民間企業は利益を追求することが使命なので、「どれだけ会社の利益アップに貢献できたか」が評価されるポイントです。
転職先の企業に関して徹底的に調べる
転職先の企業を最終的に決める前に、必ず自身でも詳しくリサーチすることが大切です。
まず、転職を希望している企業がどのようなビジネスやサービスを行っているのかは絶対に調べておきましょう。それも最初の面接の前に。
企業のホームページを調べ、分からないことが何なのかを明確にしておくと、面接の時に質問ができますし、好評価をもらえます。
また、ネット上の情報はあくまでも表面的なものなので、可能ならば人事に相談して現場の社員の方と話をさせてもらいましょう。
他にも、転職エージェントを利用すれば、ネット上には無い企業の内情も教えてもらえます。
身を置く業界に関して理解を深める
自衛隊からどのような業界に転職するかは、とても重要なことです。
選んだ業界によっては今以上にきつい職場に当てられることもありますし、その後の人生に大きな影響を与えます。
また、既に転職先が決まっている人は自分で調べるのはもちろんのこと、知人や転職先の企業の人に話を聞いておくといいでしょう。
なお、まだ転職先が決まっていない人向けに、自衛隊から転職するときのおすすめの業界をまとめましたので、合わせてご覧くださいませ。
元自衛官が感じる民間で働く3つのメリット
私の考える民間企業で働くメリットは以下の3つです。
- 転職しやすい
- 休日がちゃんと休める
- スキルや成果に応じて給料が上がる
解説します。
転職しやすい
自衛隊から転職を考えている人の中には、今の上司や職場環境に不満を感じている人もいるでしょう。
自衛官や警察官であれば嫌な上司や仕事ができない上司がいたとしてもクビになることはありません。
しかし、民間企業では嫌な上司がいたり、職場環境が合わなければ転職すればいいのです。
もちろん、嫌なことがあったらすぐに転職するというのはおすすめできませんが、もはや転職するのは当たり前の時代になってきています。
自分で行動することで環境は変えられるのです。
休日がちゃんと休める
これは、私が転職した理由の1つでもあります。
自衛官でも警察官でも休日に駆り出されたり、イベントがあったりなどで休日が潰れることは多いです。
しかし、まともな民間企業では土日祝日はちゃんと休めます。
それだけでなく、企業によっては在宅勤務も可能です。
私も今では、出勤日のだいたい半分ぐらいが在宅勤務です。
勤務時間も自由なフレックスタイム制なので、家族との時間を多く確保できるようになりました。
スキルや成果に応じて給料が上がる
自衛隊も警察官も、公務員はスキルが身につきづらいです。先ほど言ったように公務員は副業禁止ですし、法律・規則で動く自己完結型の組織だからです。
何をするにしても「根拠」が求められ、前例のないことは嫌われる傾向にあります。
そんななかで求められたことのみを淡々とこなし、それ以上の結果を追求しないので成長しようと思ってもできません。
一方、民間企業では成長することが求められます。そしてスキルが上がり成果を出せば、それに応じて給料も上がります。
スキルが上がってくれば転職もしやすくなりますし、どの企業にも採用してもらいやすくなるので、上司や社長に媚びへつらう必要もありません。
私は民間企業に転職したことで自由度が上がり、ストレスもかなり減りました
自衛隊から民間企業に転職する方法
では実際に自衛隊から転職するおすすめの方法を教えます。
まずは一般的に転職する方法は次の5つに分類されます。
多数の求人情報の中から、自分で求人を探し、応募する方法
エージェントとの面談を行い、求人の紹介を受けて、選考に進む方法
職務経歴書を登録して、スカウトを受ける方法
知り合いが働いている企業を紹介してもらう方法
ハローワークから求人を紹介してもらう
それぞれの方法には、メリット・デメリットがあります。
おすすめする人 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
転職サイト | ・希望が明確 ・転職に慣れている | 自分のペースや 希望を重視できる | 一人で転職活動を 進める必要がある |
エージェント | ・希望が明確でない ・転職活動が不安 | 転職のサポートを してくれる | 結果がエージェント の質に左右される |
スカウトサービス | ・キャリアに自信がある ・市場価値を知りたい | 基本的に受け身でいい | 市場価値によっては スカウトが来ない |
知り合いから の紹介 | ・知り合いが多い ・誰と働くかを重視する | 知り合いが働いている ことの安心感がある | 内定が出た後に 入社を断りづらい |
ハローワーク | ・失業保険をもらう場合 | 特になし | 紹介される求人の 質が低い |
補足すると、ハローワークは企業が無料で人材を採用できます。裏を返せば「人材採用にお金をかけない(かける余裕がない)企業が多い」ということです。
なので、ハローワークから紹介される求人は、ブラック企業やイケてない企業のものが多いです。民間企業に勤めている人が退職して失業保険をもらう場合以外には、利用することはおすすめしません。
一方で、転職サイトや転職エージェントには、企業がお金を払っています。お金を払ってでも優秀な人材を採用したい企業の求人が集まっているということです。
以上のことから、自衛官におすすめする方法は「転職サイトと転職エージェントの併用」です。
具体的には次の手順です。
この方法で転職活動をすると、転職サイトで応募しただけでは落ちてしまう求人にも、転職エージェントに推薦してもらうことで通過しやすくなります。
転職サイトは、学歴や企業名などのフィルターを設けていることがあるので、転職サイトから応募ではフィルターで自動的に落とされてしまうことがあります。
ですので、公務員で転職を考えている方は、転職サイトで求人を見つけて転職エージェントに推薦してもらう方法をおすすめします。
また、転職エージェント選びで重要なのはたった1つで、「自分にとって優秀なキャリアコンサルタントに出会えるか」です。
そのためには、複数の転職エージェントに登録しておいたほうが良いでしょう。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
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世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
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アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
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他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
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また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
まとめ|「元自衛官は使えない」と言われる3つの理由と対策方法
「元自衛官は使えない」と言われないためにどうしたらいいかを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事の要点は、以下となります。
- 自己解決能力が低い
- 基本的に”受け身”で指示しないと動かない
- 仕事の先に相手(顧客)がいることを理解していない
- 民間企業と自衛隊の違いを把握する
- 転職先の企業に関して徹底的に調べる
- 身を置く業界に関して理解を深める
そして、民間への転職をするときには、転職エージェントを活用しましょう。
あなたの転職が成功することを祈っております!