SESからの退職を考えたときに「退職したいけどプロジェクトの途中だし無責任かも…」とタイミングを気にする人は多いです。
SESは企業の方針によって契約形態も変わるため、対処法も変わってきます。ただし、ここだけは守っておけば円満退職に繋がるというポイントもあります。
そこで今回は、プロジェクトを途中退職するときに気をつけておくべきポイントについて解説していきます。
【結論】プロジェクトの途中退職は法律上問題なし
民法では、退職日の2週間前までに伝えることで、退職できることになっています。
第627条 第1項
引用元:民法第627条|Wikibooks
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
また、プロジェクトを途中離脱することによる損害賠償を請求されそうになっても、支払う必要はありません。
労働基準法 第16条
引用元:労働基準法第16条|Wikibooks
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
ただし、会社の上司などに「無責任なやつだ!」と思われないためには、退職の1ヶ月前までに伝えるのがベストです。
新たに人員補充が必要なので早めの連絡が吉です
とはいえ、「炎上プロジェクトなどで今すぐ抜けたい…」といった場合は、まずは思考停止して休みの連絡を入れましょう。
転職を考えるなら精神状態が安定していないと難しいです
プロジェクトの途中退職は全く問題ないですし、仮に問題が出るならそれは会社の責任です。
以下の記事で、ストレスに合わせた取るべき行動をまとめています。「今すぐ休むべきか」「もう少し頑張って転職活動するか」などで悩んでいる方はぜひご覧ください。
» 【客先常駐(SES)で一人辛い…】最初は客先変更を考えるのがおすすめ!
プロジェクト途中の退職で「無責任」と思われないための4つのポイント
2週間前に通知すればいつでも辞められるとはいえ、プロジェクト途中の退職で「無責任」と思われないためには、残るメンバーや会社に対して誠実な態度を取ることです。
打算的ですが、会社がブラック企業であってもできるだけ誠実にしておくと転職時のアピールにも繋がります。
精神的に余裕のある範囲で実行することが重要です
では、どのようなポイントを心がけるべきか?と言われると以下の4つです。
円満退職を心がける
退職が決まると明らかに手を抜く人がいますが、絶対にやめましょう。
IT業界は意外と狭い上に、「客先常駐」「受託開発」があるため、どこで以前の職場の人と知り合うかわかりません。
技術スタックが似たような人同士は、転職しても同じ会社や同じ現場で働く確率は高いです。
また、ブラック企業なら、あらぬ噂を立てて転職活動を邪魔するといったケースすらもあります。
「会社側が悪いのに、自分だけ誠実に対応する意味がわからない!」という気持ちはわかります。ただし、数ヶ月の我慢で今後の人生を棒に振る方が後々辛くなります。
今までの仕事と同じ量の仕事をこなせば十分なので、退職までの一踏ん張りと思って頑張ることをおすすめします。
会社の相談もできるだけ聞き入れる
円満退職を考えるなら、会社からのお願いもできる限り対応することが理想です。
ただし、「もう少し長くいてほしい」など退職時期に関する相談だけは、会社の良いように使われることが多いので強固な意思を貫いたほうが良いです。
一度OKしてしまうと必ずもう一度期間を引き伸ばすお願いが来ます
場合によりますが、聞き入れても良い会社のお願いは大体以下の通りです。
- 引き継ぎ依頼
- 部署や現場異動による引き留め(人間関係が原因で退職する場合)
- 給与アップによる引き留め(給与が原因で退職する場合)
- その他業務に関する依頼(採用など)
プロジェクトのリーダーにも連絡を入れる
もし会社からプロジェクトのリーダーへ連絡が入ってなさそうな場合、連絡をしたほうが良いです。
ただ、普通の企業であれば会社がやってくれるので、基本的にはあまり気にしなくて大丈夫です。
タイミングとしては、会社と退職タイミングの合意が取れた際に伝えます。もし、会社が連絡を入れている場合は、
- 退職までの作業スケジュール
- 引き継ぎ資料の内容
などを確認しておきましょう。
引き継ぎの資料を作成・共有しておく
引き継ぎ資料の内容については、以下の手順でリーダーと認識を合わせておきましょう。
- STEP 1:欲しい資料の洗い出し
- STEP 2:フォーマットの指定(あれば)
- STEP 3:作成する資料のリストアップ&確認
- STEP 4:作成
STEP 2のフォーマット指定がない場合は、作成しても正直あまり見られることはありません(笑)。
そうした企業はドキュメントを「残す文化」も「読む文化」もないので
なので、気負いすぎずに必要そうな項目をまとめておくことをおすすめします。
プロジェクトの途中で退職するのは悪いことなのか?
プロジェクトの途中で辞めることに罪悪感を感じる人もいるかもしれませんが、僕はプロジェクトの途中で退職するのは悪いことだとは思いません。
なぜなら、「辞めたい」とあなたが思うのは、会社が原因のことも多々あるからです。もちろん、100%会社が悪いとは言い切れないですが、従業員ではどうすることもできない組織的な問題が退職理由ということもあるでしょう。
それに、今はエンジニア不足の時代です。あなたの実力を最大限活かせる職場で働いたほうが、世の中のためにもいいと思います。
「人や時間が足りない」のは会社や経営陣の責任
あなたが退職することで人が足りなくなるのを申し訳ないと感じるかもしれません。しかし、人が足りないのはあなたが辞めるからではなく、会社や経営陣の責任です。
こちらの希望条件を受け入れてでも引き止めるなら理解できます。しかし、こちらの要望には聞く耳を持たず、とにかく退職を引き留めるような言葉には耳を貸す必要はありません。
それに、いい会社であればプロジェクトの途中で辞めると伝えても、最終的には個人の決断を必ず後押ししてくれます。
それもできないような会社であれば、正直長く居続ける意味はないと言えるでしょう。
できる限り退職前に転職先は見つけておこう
退職を決意したとしても、いきなり会社を辞めるのはリスクが高いです。なぜなら、退職すると給料が入らなくなるので、焦って合わない転職先を選んでしまいかねないからです。
とはいえ、メンタル的に限界なのであれば、とりあえず退職して療養した上で転職活動を行いましょう。何よりも健康が第一です。
なお、転職活動の際は転職エージェントを利用しましょう。書類の添削や選考対策をやってもらえますし、自分で企業を探さなくていいので、効率的に転職活動を進められます。
おすすめの転職エージェントも選んでおいたので、紹介します。
おすすめの転職エージェント
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、ITエンジニアやデザイナーに特化した転職エージェントです。ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1に選ばれています。
15年以上の運営実績があるためエージェントが技術に精通しており、あなたが望む条件やキャリアプランを踏まえた上での提案をしてくれます。
大手IT企業からWeb系企業、スタートアップまでを幅広く網羅しており、保有求人数は7,000件を超えています。
そのうち5,000件以上が600万円以上のハイクラス求人で、キャリアアップしたい方や年収アップしたい方におすすめです。
マイナビIT AGENT
マイナビIT AGENTは、全国各地のエンジニア求人を15,000件以上保有している転職エージェントです。
さすが人材大手のマイナビだけあって求人が充実しており、特に20~30代向けの求人が豊富です。
職務経歴書の添削や面接対策にも力を入れてくれ、転職が初めての人でも安心して利用できます。
エージェントも専門性が高く、技術的な話もすんなり通用します。
なお、Webデザイナー・クリエイターの方は、マイナビクリエイターをご利用ください。
転職ドラフト
転職ドラフトは、毎月1回開催される企業側からあなたにダイレクトスカウトが送られてくる転職イベントです。
通常は内定獲得後にわかる内定年収がスカウト時点で提示されるのが最大の特徴です。
レジュメ作成サポートを受けることで質の高いレジュメを作成でき、そのレジュメを見て企業がスカウトを送ります。そのため高いマッチングが実現され、年収UP率93.8% / 平均年収UP額126万円という高い年収UP率を叩き出しています。
また、転職では「現年収を元に内定年収が決まる」ということがよくありますが、転職ドラフトでは現年収は非公開で転職活動が行えるため、純粋なスキルで勝負ができる点も魅力的です。
paiza転職
paiza転職は、エンジニアに特化した求人サイトで、2000社を超える企業が採用に利用しています。
最大の特徴は、オンラインでのプログラミングテスト「paizaスキルチェック」を受験してスキルを証明し、それを使って転職活動ができる点。
スキルが高ければスカウトも受け取れますし、高年収も得やすくなります。
また、「paizaスキルチェック」は何度でも受験できるので、今のスキルに自信がなくても大丈夫です。
今すぐに転職する気がなくても、とりあえず今の自分の市場価値をある程度知ることができるので、登録しておいて損はありません。
クラウドリンク
クラウドリンクは、100%自社内開発の求人を取り扱っている転職エージェントです。理想の転職先が見つかるITエンジニア向けの転職支援会社No.1にも選ばれています。
年収や休日数、労働環境などの審査基準も設けており、優良企業のみを紹介してもらえます。また、他社エージェントは取り扱ってない、独占求人もあります。
利用者の66.7%が年収アップしており、その額も平均58.3万円にのぼります。
転職後の定着率も98.3%という高さを誇るので、自社開発の企業に転職したいなら登録は必須です。
レバテックフリーランス
レバテックフリーランスは、利用者の平均年収は876万円、利用者満足度も92.6%を誇る、業界でも屈指のフリーランスエージェントです。
豊富な直請け案件を保有しているのに加え、契約が途切れて不安にならないように徹底した早期確認を行なってくれるため、途切れることなく仕事を続けられます。
他にも、特別価格で税理士に確定申告の代行を依頼できたり、人間ドック・スポーツジム・フィットネスクラブなどを優待価格で利用することもできます。
まずは案件を紹介してもらい、いい案件が見つかったらフリーランスに転向するという利用方法もできるので、ひとまず登録してみましょう。
まとめ|プロジェクトを途中で辞めるのは問題なし!後悔ない選択を!
最初に紹介した通り、プロジェクトを途中で辞めるのは決して違法ではありません。労働者の権利として2週間前までに退職を伝えれば辞めることは可能です。
ただし、できれば無責任と思われて辞めるのは避けたいはず。そのためには以下の4つを意識しましょう。
- 円満退職を心がける
- 会社の相談もできるだけ聞き入れる
- プロジェクトのリーダーにも連絡を入れる
- 引き継ぎの資料を作成・共有しておく
そして、スムーズに転職するためにも、転職エージェントは積極的に利用しましょう。
また、以下の記事で客先常駐からの転職で事前にするべきステップを紹介しています。こちらを読んで給料アップ、残業時間減少など理想の転職を実現する一歩にしていきましょう。