未経験からエンジニアを目指すにあたって、ポートフォリオの作り方がわからない人は多いです。
- スクールで作成したものをポートフォリオとして使っていいの?
- スキルが低いので見栄えがよくない…
- ポートフォリオを作るのが大変
など、悩みを感じる方も多いでしょう。
先に結論を言うと、飛び抜けた技術力がなくても面接官から受けのいいポートフォリオを作ることは可能です。
今回は、未経験エンジニアの面接を行うことも多い僕が、
について解説していきます。
今回紹介する項目は全部できなくてもOKだよ!
まだポートフォリオを作成してない人は、この記事を参考に作ってみて早めに転職・就活エージェントに見せてフィードバックをもらうといいでしょう。
エンジニア未経験でもポートフォリオが必要な理由
エンジニア未経験者からのよくある質問の1つとして「ポートフォリオは必要か?」と聞かれます。
結論からお話すると、ポートフォリオはエンジニア転職を成功させたいのであれば、用意したほうがいいです。
もし「前職で華々しい実績がある」「どこの企業でも就職できればOK」と考えるならなくてもいいけど…
理由としては、以下の通りです。
理由1:エンジニア志望者が市場に溢れているため
最近では、エンジニアへの転職が人気なこともあり、優秀な人でも未経験だと自社開発企業への転職は厳しいのが現実です。
未経験者やキャリアが浅い方々の場合、SES(System Engineering Service/準委任契約)や、2次請けSIerの需要は高まるでしょう。一方、事業会社は引き続き即戦力採用の傾向が強く、求人数は横ばいになると思われます。
引用元:転職市場予測2021下半期 IT・通信(ITエンジニア)|doda
つまり、現状の傾向として、
- エンジニア志望者:より積極的に活動(数も増加)
- エンジニア採用側:未経験よりも経験者の採用を優先
という状況であり、あなたが希望する企業に採用される難易度は高いままなのです。
差別化するためにもポートフォリオは作るべき!
理由2:実務未経験者は教育コストがかかるため
企業が実務未経験のエンジニアを採用するのは、教育コストをかけてでも数年後に利益を出すことを期待するためです。
つまり面接では、実務未経験者を採用する際に、エンジニアとしてきちんと成長するか見極める必要があります。
ポートフォリオがしっかりしていると、採用側としても安心して採用ができるというわけなのです。
たくさん企業に応募するのも大事だけど成果物の質を上げるのも大事!
補足:技術職採用で企業が重視している項目
未経験からエンジニアとして採用されることを狙うなら、採用担当者が重視しているポイントを知ることが重要です。
転職サイトのdodaが公表している「中途採用において採用担当者が見るポイント」のアンケート結果によると、技術系においては以下のようになっています。
- 1位:第一印象
- 2位:スキル
- 3位:経験
- 4位:受け答えの仕方
- 5位:熱意・積極性
「経験」を示すことは難しいですが、ポートフォリオがあると「スキル」「熱意・積極性」を説明しやすくなります。
「未経験だとスキルはあまり重視されないのでは…?」と思われるかもしれませんが、技術力が低すぎると採用を見送られるケースもあります。
ポートフォリオでは、技術的なアピールを行う場でもあることを理解してもらればと思います。
【ポイント14項目】未経験エンジニアのポートフォリオの作り方
意外に思われるかもしれませんが、高評価を受けるポートフォリオは、スキル以外にも様々な項目を評価されます。
なぜなら、エンジニアとして仕事をする上で、スキル以外にも重要視される項目は多いためです。
今回は、面接官から高評価を受けるために押さえておくべき14項目を重要度別にピックアップしました。
【必須】最低限の技術力がある
ここまでもお話したように、未経験でも最低限の技術力は求められます。
では、最低限の技術力とは?という疑問になりますが、一般的にサーバーサイドであれば以下の点はポートフォリオに含むといいですね。
- CookieやSessionを扱っていること
- DBでCRUD操作を行っていること
これらを満たす最も簡単なアプリケーションはTODOアプリケーションです。
これらのスキルはどの業務にも必須のため、盛り込まれていないと採用が難しくなります。
TODOアプリの学習手順に関しては以下の記事でも解説しています。
» 初めてTodoアプリを作成する際に意識したい本気のスキルアップ学習手順
技術的に必須というだけで、TOODアプリを作ればOKというわけではないので注意!
【必須】オリジナリティがある
非常に多いケースですが、プログラミングスクールの課題やTwitterクローンアプリだけをポートフォリオに載せるケースがあります。
しかし、それだけだと面接官は見飽きているので、採用されることは難しいです。
正直、またスクールの課題か…となるよ!
どうすればいいかというと、自分の経験上の課題を解決するアプリケーションを考えるのがおすすめです。
具体例として飲食店勤務をしていた人のケースを考えてみます。
業務上、全部紙で発注管理をしているけど、紙をなくしたり発注ミスで次の日に予想以上の食材が届くことがある。もっと簡単に発注の管理ができないかな。
という場合には、発注管理の簡単なアプリケーションを作るといった具合です。
技術的な難易度も重要ですが、自分の経験に基づいたアプリケーションを作ることができれば、オリジナリティは自然と出てくるでしょう。
オリジナルアプリのアイデアの作り方は以下の記事でも解説しているので合わなてご覧ください。
» 【5ステップ】初めてのオリジナルアプリの作り方!アイデアの出し方も公開
【必須】ポートフォリオの概要説明がある
ポートフォリオのURLだけを載せて応募されるケースがありますが、あまりいい方法ではありません。
なぜなら、面接官にとってポートフォリオの内容把握に時間がかかり、いい印象を持たれにくいためです。
簡潔でも構わないので、
は記載しておきましょう。
【必須】こだわりポイントが記載されている
面接官は普段の業務もある中で採用を行うため、全てのポートフォリオをじっくり見ることはできません。
したがって、こだわって作った機能などがあったとしても、記載がなければ見落とされる可能性が高いです。
し、ポートフォリオにGitHubのURLを載せるのであれば、GitHubの説明に
- 苦労した点
- こだわった点
なども記載しておきましょう。
【必須】使用技術や選定理由が明記されている
アプリケーションを作ったのであれば、使用技術と選定理由(その技術を使った理由)を記載しておきましょう。
「選定理由ってどう書けばいいの?」と思われるかもしれませんが、未経験であれば、その言語を学習した理由を記載しておけばOKです。
例えば、
- 使い慣れていて知識があるから
- 自分が作りたいアプリの開発に向いていたから
などでOKです。
【必須】アプリケーションが公開されている
ポートフォリオに記載するアプリは、基本的にオンラインでアクセスできるように公開しておきましょう。
なぜなら、実際に公開までを行った経験は求職側・採用側の両方にメリットが大きいためです。
- 求職側:一通りアプリケーションを公開するまでの流れが知れる
- 採用側:アクセスが簡単
公開しようと思うとお金がかかるのでは?と思われるかもしれませんが、無料で公開できるサービスも数多くあります。
代表的な4つのサービスを以下で解説しています。
» 【無料】Webアプリの公開サービス4つ!公開時の注意ポイントも解説
初めてだと苦戦するけど効果的なので必ずやろう!
【必須】GitHubのURLを載せている
作ったアプリケーションのソースコードは、GitHubに載せて閲覧できるようにしておきましょう。
企業によっては未経験であったとしても、ソースコードの中身を見て選考を行っている企業もあります。
GitHubであれば、ポートフォリオの説明なども記載しやすいので、載せておいて損はないでしょう。
ソースコードもポートフォリオの一部だよ!
【必須】日本語の使い方に誤りがない
当たり前と思われるかもしれませんが、説明に記載される日本語に誤りがないように注意しましょう。
「てにをは」が誤っていると、残念ながら面接まで行ったとしても期待値は低い状態からのスタートになります。
1文字でも間違っているとプログラムは動かないので、誤字脱字に厳しい面接官は多いですよ。
【あると尚良し】GitHubのREADMEがしっかり書かれている
続いてGitHubのREADMEは、誰もが面倒に感じるため、非常に差が出やすいポイントです。
↓READMEとは以下の赤枠の部分のことです。一般的にそのリポジトリのソースの使い方や概要説明が記載されています。
ここが真っ白な方も少なくないため、丁寧に書かれていると面接官からはいい評価をもらいやすくなります。
あくまでも一例ではありますが、以下の項目は書いておきたいところです。
- アプリケーションの名前・概要
- 使用技術
- 目的
- ロゴやバナー画像
- システム構成図
- ライセンス情報
- 今後追加したい機能など
以下の記事でも解説していますが、「技術力が足りなくてポートフォリオの見栄えが良くない…」と悩む人ほど、READMEなどを丁寧にしましょう。
【あると尚良し】Qiitaなどの技術ブログを載せる
そもそもポートフォリオとは、一言でいうと「あなたの学習実績」です。
つまり、ソースコードや制作したアプリケーションだけでなく、その過程の発信も実績の一部になるのです。
Qiitaであれば、初心者が書いた記事がトレンドに乗ることもめずらしくありません。
例えば、以下の記事では134いいねがついています
もしブログやTwitterなど継続的に発信しているものがあるなら、ポートフォリオの一部として載せるのがいいでしょう。
ただTwitterは過激なツイートがないようにだけは注意。。。
【あると評価が高い】GitHubの草がしっかり生えている
GitHubにはプロフィールを見ると、このようなコミット履歴を見ることができます。
以下の画像くらい草が生えていれば、面接官からの評価も大きくあがることは間違いないでしょう(なかなか難しいですが…)。
【あると評価が高い】Qiitaの発信量が多い
数記事であれば、正直大きく評価が上がることはありませんが、継続的に行われていれば話は別です。
以前Qiitaに1年間毎日投稿をした人が少し話題になりましたが、それぐらいやると評価はかなり高くなります。
» Qiitaを1年間ほぼ毎日投稿した話と転職の話|Qiita
さすがに毎日である必要はありませんが、評価を上げるためには2~3日に1度を3ヶ月ほど継続できれば、評価をしてくれる企業は出てくるでしょう。
【あると評価が高い】システム全体の設計にも気をつける
一般的に未経験エンジニアの方は、継続的に開発を続ける環境を作る必要はありません。
しかし、実際の開発現場では継続的にアプリケーションを開発・運用する必要があるため、以下のような仕組みを作ります。
アプリケーションを作る上で重要ですが、難易度も低くないため、ほとんどの未経験者はこのような仕組みを作りません。
逆に言えば、こうした仕組みを作るとアプリケーションのレベルが高くなくても、スキルの高さをアピールできるでしょう。
【あると評価が高い】テストが書かれている
上記のシステム設計と同じですが、サービスを長く運用するにあたっては、テストの実施も重要です。
各言語にはよく使われるテストライブラリがあるので、それを使ってテストコードを書くといいですね。
- JavaScript:jest
- PHP:PHPUnit
- Ruby:RSpec
etc..
未経験エンジニアが参考にしたいポートフォリオ例
ここまで読んで、実際の参考例が見たいと感じる方も多いでしょう。
では、実際の参考例を2つ紹介していきます。上記のポートフォリオのポイント14項目をもとに、
- 参考になる点
- 自分ならどうアレンジするか?
などを考えながら見ていきましょう。
例①:経歴やスキルがまとめられているサイト
URL:https://nsuzuki7713.github.io/portfolio/
構成としては、
- プロフィール
- 技術領域
- これまでの成果物
という必要最低限の情報が非常にシンプルにまとめられています。
採用の観点で見ると成果物の技術紹介や工夫した点について触れたいところですが、まず初心者がお手本にするポートフォリオと言えるでしょう。
例②:作成したアプリについての詳細情報が書かれているページ
URL:https://qiita.com/ryamate/items/c3b4f63f8d94ab090bf8
こちらはQiitaに作成したWebアプリの情報がまとめられてますね。アプリの概要や機能、使用技術や作成した目的など、知りたい情報が網羅されています。
制作物において機能の紹介をしていると、どれくらいのレベル感で実装できるかをエンジニアは想像することができます。
- ログイン機能を実装している
→パスワードのハッシュ化などセキュリティについても勉強している - 絵本を登録する機能
→基本的なSQLコマンドは理解している - レスポンシブ
→スマホ表示に対応可能
といった具合ですね。些細なことかもしれませんが、こういったところでもスキルのアピールに繋がるのです。
どんなことを考えながら作成したのかも書かれており、技術力だけでなく人柄も伝わってきます。
例③:何ができるサービスなのかが分かりやすいWebアプリ
Webサービスにおいて、パッと見て何ができるサービスなのか、どういうふうに使えばいいのかが分かりやすいのは重要です。
何ができるのかがわからないと、ユーザーは離脱しますからね。実際、自社開発企業では、このようなユーザー目線で開発できるかどうかも必要とされるスキルです。
このWebアプリは、分かりやすいサービス名と、アクセスしたときに以下のような使い方の案内がポップアップで表示されます。
このように、技術力以外のところでアピールしていくこともできるのです。
ポートフォリオを簡単に作れるサービス
ここまで記事を読んでくれた方は、「よし!ポートフォリオを作ろう」と思ってくれたかと思います。
とはいえ、
- ポートフォリオをゼロから作るのは大変
- 自作したアプリケーションはあるからそれを簡単にまとめたい
- デザインセンスが絶望的にない(自分のことです)
といった方もいるかと思います。
そんな方はRESUMEというサービスを使うことで、簡単におしゃれなポートフォリオを作ることができます。
製作者さんはエンジニア×デザイナーという肩書で、非常にデザインセンスも高いです。
もちろんゼロイチで作るのもいいですが、活用できるものは上手く活用しましょう。
最後に|作ったポートフォリオは誰かに見せよう
ここまでエンジニア未経験者が「どんなポートフォリオを作るべきか」について参考例も使って解説しました。
- エンジニア未経験者はポートフォリオは必須ではないが用意しよう!
- ポートフォリオは凝ったものより「伝わること」を意識するべき
- 高評価を受けるためなら制作物は課題設定にこだわる
- ポートフォリオの参考例を元に自分でアレンジしてみよう
相手に実績を伝えられるポートフォリオは、転職において大きな武器になります。
そしてポートフォリオが作成できれば、自分が望む企業との面接…と行きたいのですが、その前にエージェントに見せてフィードバックをもらいましょう。
他の人に見せることで、よりよいポートフォリオにできますからね。
「未経験エンジニアに特化した」おすすめのエージェントも選んでおいたので、紹介します。
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