飲食やアパレル、美容師などのサービス業をやっているとシフト勤務になるため、冠婚葬祭が土日だったりすると「休みにくい」という事態が発生します。
休みにくいのならまだしも、休めない・休暇申請が許可されないという会社も存在します。
正直に言います。
その会社、将来性のないとんでもないブラック企業です!
早目にそんな会社には見切りをつけ、転職することをおすすめします。まずは気軽に転職エージェントに相談してみて、いい会社があれば本格的に転職活動を始めるといいでしょう。
冠婚葬祭で休めないのは法律的に問題ないのか?
実は、冠婚葬祭だからといって休ませなければならないという法律上の規定は一切ありません。
ただし、就業規則で冠婚葬祭の休暇を認めている場合は話が別です。厚労省のモデル就業規則にも記載があるので、就業規則で冠婚葬祭の場合の休暇について定めている会社は多いでしょう。
ただし、上記のように就業規則で定めることが強制ではないので、まずは今の会社の就業規則を確認してみましょう。もし常時10人以上の従業員を雇用しているのに就業規則がない場合は、会社は労働基準法第89条に違反しています。
また、慶弔休暇を有給休暇で処理するケースと、慶弔休暇を無給休暇(給料が支払われない休暇)で処理するケースがあり、それは会社によります。
問題は、冠婚葬祭で休みを取得したいのに会社側が突っぱねた場合。もしくは非常に休みを取りにくいような状態の会社。
この場合はどうなのか?
有給休暇の取得を理由もなく拒否されたら違法
冠婚葬祭だろうと何だろうと、有給休暇が残っているのなら会社に拒否する権利はありません。もし有給休暇の取得を拒否すると、労働基準法第39条に違反することになります。
6ヶ月以上今の会社で勤務し、全労働日の8割以上出勤しているのなら、最低10日は有給休暇が付与されなければなりません。
取得の理由で会社が有給休暇を拒否することはできませんが、労働基準法第39条第5項で定められているように、繁忙期などで休まれると事業が運営できない場合は、会社は有給休暇の時季変更権を行使できます。
第39条
5. 使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用元:労働基準法第39条|Wikibooks
とはいえ、時季変更権も自由に行使できるわけではありません。基本的には、労働者が自由に有給休暇を取得することのほうが優先されます。
時季変更権が使えるのは、例えば
- 代替人員を確保できない場合
- 同時季に、有給休暇取得者が重なった場合
- 1ヵ月以上などの長期間連続する有給休暇を取得する場合
などです。
会社がちゃんと代替人員を確保しておけばいいだけの話な気もしますがね…
時季変更権が認められるかどうかは、より具体的には会社の規模や業務内容、代替要員確保の難しさなどを基に判断されます。
ただし、「繁忙期だから」という理由だけで時季変更権を行使することはできません。
会社が有給休暇の取得を拒否してきたり、不当に時季変更権を行使してくるようなら、上記のことを説明してみましょう。
冠婚葬祭で休めなかった場合の対応策
これまで紹介してきたような法律の話を会社にしてみても休めないのなら、今すぐにあなたにできる対応策としては
- 会社の同僚に穴埋めをしてもらう
- 休む前に仕事を終わらせる
- 上司よりも上の人に相談する
- 冠婚葬祭の一部だけ参加する
- 冠婚葬祭を欠席する
などが考えられます。
1.や2.で解決できるのならそれに越したことはありません。会社によっては3.の方法も有効でしょう。
しかし、会社全体がブラックな体質の場合、上司より上の人に相談してもどうにもならないケースがほとんどです。
なので、4.や5.を選択せざるを得ない人もいるでしょう。昔の私のように…。
参考になるか分かりませんが、ここからは私自身が体験した、冠婚葬祭で休めなかった時の話を2つ紹介します。
- 結婚式で休めなかった事例(なんとか1次会だけ参加)
- 葬式で休めなかった事例(結局欠席するハメに…)
結婚式で休めなかった事例
全く結婚式に参加できなかったわけではありませんが、結婚式の1次会だけ顔を出し、その後トンボ返りで即座に会社に戻るハメになりました・・・。
大抵の場合、結婚式は一般企業が休日の日曜日に行われるものです。最近では招待客の受けが良いということで土曜日にやる方も多いようですが、いずれにせよ土日のどちらかに開催するの普通。
えてしてサービス業についている人の場合、週末が仕事の繁忙期になるため土日に休日の申請が出しにくかったりします。
上司にあらかじめ言っておいても、直前になって予約が増えたり、欠員が生じたりすると余計休みにくい。
場合によっては、1ヶ月以上前から言っておいたにも関わらず、上司が忘れてしまっている事もあります。気づけば普通に出勤のシフトが組まれているのです。
すいません。ここ、前から言っていたように友人の結婚式で・・・
などと言おうものなら、
マジで!お前そんな事言ってたっけ!?
などの反応をされたりするのです。
挙句には、
俺も昔、冠婚葬祭で休めなかったんだよね~
などと言い始め、
なんとかならないかなぁ
とウダウダ言われる始末。
あまりにもしつこいので、
披露宴だけは出席を約束しているので、それが終わり次第お店に戻ります。
という事を言わざるを得なかったのです。
結婚式の後に、仕事が控えているのって精神的に結構しんどいです。
まず酒が飲めません。披露宴がだいたい日中に行われるのですが、その後の夜の業務の事を考えると酒を飲むわけにはいきません。
ましてや、飲むと顔に出る人ならなおさらです。
さらに、久々に顔を合わせた一緒に参加している旧友がみんな揃って2次会に移動している中、自分は帰らなければならないという悲惨さも追い打ちをかけます。
しかも、帰る理由が遠方だからとかではなく、「仕事のため」にです。
結婚式の後に仕事が控えているなどと恥ずかしくて言えないから、嘘までついて・・・。
本来まともな会社であれば普通に慶弔休暇が取れたものの、やむにやまれず休暇が取れないために戻るのです。
その瞬間、
なんでこんな会社で働いているんだろう・・・
こんな疑問を感じざるを得ません。
しかもこの話には続きがあります。
夜の業務のために職場に戻ったわけですが、よりによって日中が営業で予約が殺到し、かなり忙しかったようです。
おまえのおかげで休憩もまともに取れなかったよ。
上司にこんな嫌味を言われたのですね。
そしてさらには、この上司、夜の営業が落ち着いたのを見計らって早々と上がっていきましたね。
まるで、「俺はランチを一人で頑張ったんだ」とでも言わんばかりに、当然の権利のように帰って行きました。
当時は新卒だったということもあり、それが社会人たるものなのだと漠然と理解してましたが、今振り返ってみるとかなりおかしな話です。
こんな会社は異常です。
葬式で休めなかった事例
葬式に参加しようとしたときにも休めませんでした。
12月の繁忙期に、嫁の父親が亡くなった時の事です。
当時は飲食店で働いていたのですが、12月の月末、さらには週末という戦争のような状態の時です。
突発的な亡くなり方だったので、全く予想できなかったのですが、繁忙期過ぎて休暇の申請を出せるような状況ではありませんでした。
人手が不足しており、私が休むとお店を閉める必要性が生じていたのですね。
一応上司に休暇の願いを出してみましたが、
そんなの無理に決まってるだろ!もっと早くいえよ!
と怒鳴られる始末。
だいたい、葬式の予定なんぞは立てられるはずもなく、
人の死を早く言えとか、こいつ何言ってんだ?
と疑問がわきましたね。
やむなく葬式は欠席になったわけですが、嫁からは非難轟々でした。
あなたが仕事が忙しくて来れないなんて身内に話せないから
などと罵られ(当然です)、非常に惨めな思いをしましたし、嫁自身にも恥を書かせてしまったのを覚えています。
冠婚葬祭で休めないのは異常
冠婚葬祭で休日が取れない会社は何かしらの不備を抱えている異常な会社だと断言できます。
こんな会社を退職した今だからこそ、この異常性を客観視できますが、当時はそれでも仕事を優先するのが普通だと思っていました。
上司も同僚も同じように冠婚葬祭で休んでいなかったからです。
むしろそれが当たり前で、そういった多忙な中でやっている事がやりがいがあることだと会社からも刷り込まれていました。
おかしい事に気づいたのは、会社を辞めてから。
転職後に前の会社では冠婚葬祭で休めなかった話をした時に、周囲の人間がみんなドン引きでしたね。
うそだ。冗談でしょ?
こんな事を言われるぐらい、おかしい環境にいたんだと改めて実感しました。
最後に|冠婚葬祭で休めない会社からは早目に逃げろ!
繰り返しですが、休みもまともに取れない会社に将来性はありません。
その証拠に、私が勤めた「結婚式」も「葬式」も休めなかった会社、今は跡形もありません。
なぜ倒産したのか?そんなの考える余地もありませんね。
冠婚葬祭もまともに休ませず、馬車馬のように働かせて従業員を大切にできていないのに、お客様だけ都合よく大切にするなんて出来るはずがありません。どこかで必ずボロが出ます。
今は退職しましたが、もっと早く辞めればよかったと痛感しています。
もしあなたも冠婚葬祭で休めないような会社で働いているなら、今すぐ転職活動を開始することをおすすめします。
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それを避けるためにもおすすめの転職エージェントを選びましたので、最後に紹介します。
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