昇格はサラリーマンで会社勤めする人にとっては、一定の目標になるのは言うまでもありません。
- 来期から課長に昇任!
- 来月から店長に!
こういったメリハリがあるからこそ、日々の業務に邁進できるしやりがいも生まれるものです。
昇格の魅力の一つに、同時に昇給するという面もあります。
役職がつくことで手当が付与されて給料が上がるのです。
ところが、
世の中には、昇格はするものの昇給はしないといった類の会社も存在します。
得てしてそんな会社はえげつないブラック企業であることがしばしば。
あなたの会社が当てはまるなら辞めてしまうのもアリです。まずは気軽に転職エージェントに相談してみて、いい会社があれば本格的に転職活動を始めるといいでしょう。
昇格しても昇給しない理由
昇格しても給料が上がらないのには、会社の思惑が見え隠れしてしまいます。
会社によって昇給させない理由は様々ですが、ここではよくある理由を3つ紹介します。
責任感を持たせるためだけの役職なため
よく仕事に対する意識レベルを上げるために、社員に責任感を持たせるといった手法がよく取られます。
数字の管理を任せたり、下に部下をあてがって当事者意識を高めてもらうといった感じで。
確かに、具体的な数字の内訳や、どう数字を伸ばしていくのかを考えるキッカケになったり、どうやったら下の人間が効率良く仕事に取り組んでくれるかを考えるトレーニングにはなるでしょう。
会社側としては責任感や当事者意識を持ってもらうニュアンスが強いのでしょうが、雇われている社員側としてはそれに付随する待遇に当然目がいきます。
俺も明日から課長だ。
責任のある立場だしバリバリ働くぞ!
給料も上がるだろうしな!
こういった感覚になるのが普通です。
しかし、昇格したからといって役職手当をつけなければならないという法律もありません。
労働基準法第37条では、「時間外手当」「休日手当」「深夜手当」の割増賃金を支払う義務については記載がありますが、その他の手当については定められていません。
ただし、就業規則に昇格した場合の昇給額について記載があり、その金額が守られていないのであれば、会社は労働基準法第89条に違反しています。
また、常時10人以上の従業員を雇用しているのに就業規則がない場合も違法です。
違法ではないにしても、昇格しても昇給しないことに普通の社員は違和感を抱きます。そんなことには会社の経営陣も気づいているでしょう。
こんな状態を放置していれば、そんな会社の方針は噂話で一気に社内に広がるからです。会社が中小企業であればなおのことです。
普通の会社であれば、昇格しなくても昇給することは珍しくありません。
昇給しないのであれば、仕事に対するモチベーションも上がらなくて当然です。
管理職になって残業代がなくなったため
平社員時代は残業代をもらえていたけど、出世して係長という管理職についた途端に、管理者扱いになって残業代をもらえなくなった。
これも昇格して給料が上がらない、よくあるパターンです。
そもそも、残業代を支払わなくていい管理職は、法律上では「管理監督者」と呼ばれています。
管理監督者は経営者と同等の権限を持つ立場の人を指すのであって、日本企業の係長や課長クラスだと管理監督者には該当しないことがほとんどです。
業務内容でいうと、以下のような重要な決定を行う人が該当します。
- 取引先を決定する
- 自社商品の価格設定を決める
- 店舗の営業時間を設定できる
- 正社員の採用権限を持つ
こういうことは、社長の側近でもある「専務」や「常務」クラスが行うのが普通です。
ですが多くの企業で管理職にしたてあげ、残業代をカットする口実にしているのが実態です。
役割等級制度(ミッショングレード制)の一部だけを上手く利用しているため
会社によっては、ミッショングレード制を取り入れているところもあるでしょう。
ミッショングレード制とは、簡単に言えば「果たすべき職責や上げるべき成果などの”役割”を基準に評価を決定する制度」です。
年齢やキャリアに関係なく、自由な風土の中で伸び伸びと業務に取り組んでもらい、どういったプロセスと結果を残したかで給料が決められます。
厳しい成約を設けず自由にやって分責任が増しますが、その方が結果に最大限コミットすることを狙った制度とも言えます。
ミッショングレード制を導入すれば、
- 社員の役割がより明確になる
- その役割に応じた給料も明確になる
といったメリットがあります。
ところが、昇格しても給料が上がらない会社では、「社員の役割がより明確になる」という部分だけを一人歩きさせているのです。
先ほど紹介した「責任感を持たせるためだけの役職なため」と会社の思惑は似ていますが、昇格させることで社員に責任をなすりつけて、待遇はそのままにするわけです。
昇格しても給料が上がらない会社は辞めたほうがいい理由
あなたは今、昇格したのに給料が上がらないことに愕然としているかもしれません。ただ、このまま今の会社にとどまっていると、それだけでは済まない悪影響が出る可能性もあります。
ここでは、昇格しても昇給しない会社を辞めるべき理由を3つ紹介します。
今後の給料も上がらない可能性が高いため
現段階で昇格して給料が上がらないのであれば、今後の昇給も期待できません。
もし一時的に会社の業績が悪いだけで、今後は業績が上がるのであれば、今の会社にとどまっていてもいいかもしれません。
しかし、昇格しても昇給しない会社では社員のモチベーションも上がらないため、業績も上がらない可能性が高いです。
今の会社に将来性があるかどうかはなんとなく分かると思うので、どうせ転職するなら早目に決断することをおすすめします。
責任だけが増えていくことに虚しさを感じるため
基本的に昇格すれば責任は増えます。それに伴って、1日の拘束時間が伸びたり、休日にも仕事をしなければならないこともあるかもしれません。
にも関わらず給料は微塵も上がらない。
こんな状況では、
自分は何のために働いてるんだろう…
という虚無感を感じるようになります。
給料が上がらない会社ではやたら、
仕事は金を稼ぐことだけが全てじゃない
といったニュアンスの事を全面的に打ち出したり、
- 仕事は社会貢献をはかるもの!
- 仕事を通じてお客様を幸せにする!!
などと精神論振りかざしたりして、待遇の悪さをぼやかそうとします。
しかし、自分のやったことがお金という形で返ってくることで、やりがいや達成感を感じることができるもの。
我慢していても、精神的に削られていってしまうのです。
時間が経てば経つほど、転職するときに給料交渉がしづらくなるため
しばらく今の会社の待遇に我慢していても、いつかは限界を迎え転職を考えたとします。
しかし、転職活動でも愕然とさせるような仕打ちを受ける可能性があります。
転職先の会社の給料は今の会社でもらっている給料をベースに決められることが多いため、昇給しない会社で働き続けると、転職先の会社でも給料が低くなってしまうかもしれないのです!
専門的なスキルを持っている場合などはこの限りではありませんが、昇格しても昇給しない会社では退職する人も多いため、1つのスキルを磨く余裕もないでしょう。
下手に我慢してしまうことが、将来にわたって自分の首を締めてしまいかねません。
最後に|利用されるだけの昇格には注意しよう!
これまで紹介してきたように、ブラック企業の中には無理やり役職をあてがい、責任者にしたてあげて、テイよく会社の歯車として回そうとする会社も存在します。
昇格はするのに昇給はしない会社ほど、日本人の謙虚な姿勢を利用します。
給料の話題や、具体的な昇給額といったものは中々聞きづらいものです。
特に日本人の場合、会社の上司や経営者に給料の話を持ちかけることは、余程の事情がない限りしないのが普通です。
人員を使い倒す企業ほど、こういった「聞きづらい」といった風習を利用し、人件費を浮かそうとしているのです。
昇格はするのに昇給はしない会社=責任は上がるのに給料は上がらない会社
結局、そんな中でモチベーションを保つのは難しいです。
昇給がないと、そこで働く社員は問題提案や改善点の提起などを一切行わなくなります。
言っても対価がないから意味がない
こう感じて何も改善しようとしない。そんな会社に将来性があるわけがない。
また、昇格を拒否しようものなら、上司の評価がかなり悪くなったり、会社に居づらくなったりするかもしれません。
なので、もしあなたの会社が昇格しても給料が上がらないのであれば、早々と給料が上がる会社に転職することをおすすめします。
まずは転職エージェントに相談してみるといいでしょう。
水面下で転職活動し、転職先が決まってから退職届を出す。こうすることで、自分の収入が途切れることも防げますからね。
スムーズな転職を行うためにも転職エージェントは利用すべきです。転職エージェントは企業の紹介だけでなく、書類の添削や面接対策も行ってくれるからです。
ただし注意しないといけないのが、転職エージェントの中にも、ブラック企業でもいいから、とにかく紹介数を伸ばして利益を伸ばそうとしている悪質なエージェント会社もあります。
それを避けるためにもおすすめの転職エージェントを選びましたので、最後に紹介します。
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