航空業界の外資系企業で働く元自衛官・公務員のわびです。詳しい自己紹介はこちら!
自衛隊から転職する際にどのような業界や職種に就くかは今後のあなたの人生に大きく影響してきます。
選んだ業界によっては、給料が下がったり、将来的に仕事がなくなったりという可能性があります。
この記事では元自衛官の私が、これから自衛隊から転職を考えている方のために、おすすめの業界を徹底解説しています。
現時点で少しでも自衛隊からの転職を検討されている方は、この記事を参考にして頂けたら幸いです。
民間企業への転職にデメリットはあるか?
自衛隊から転職するメリットは数え切れないほどあります。
- 尊敬できない上司とオサラバ
- 無駄な業務、無駄な会議、無駄な残業からの解放
- ハラスメントが横行する環境との決別
- 休日をちゃんと休める
- 家族と過ごせる時間が増える
- スキルアップがしやすい
- スキルや成果に応じて給料が上がる
などなど挙げればキリがありません。
しかし、一方で自衛隊を退職するデメリットも気になると思います。
一番のデメリットは、年収が下がる可能性が高いことです。
自衛官のみなさんはご存知だと思いますが、自衛官は世間一般の会社員よりも平均年収は高いです。
35歳での平均年収は、自衛官のほうが約60万円も高いのです。
- 自衛官:520万円
- 世間一般:459万円
私は30代半ばで幹部自衛官から転職しましたが、そのときの年収は約750万円でした。
自衛隊から転職する人は、主に以下の3つを求めて転職すると思います。
- まともな職場環境
- 自由な時間・休日
- 給料アップ
まともな職場環境や休日は、業界や職種よりもどんな会社に入社するのかのほうが影響が大きいですが、給料は就職する業界や職種によってある程度決まってしまいます。
儲かっている業界や稼ぎやすい職種ほど年収は高い傾向にあるからです。
なので、この記事では主に年収が上がるような業界や職種を紹介していきます。
自衛隊からの転職におすすめの業界・職種
以下の5つがおすすめです。
- 物流・運輸業界(ドライバー)
- コンサルティング業界
- IT業界
- 営業職
- 建築業界
物流・運輸業界(ドライバー)
自衛隊からの転職では人気の業界です。大型免許を持っている隊員におすすめです。
大型トラックのドライバーの場合、30代の平均年収は455万円と少し低め。
とはいえ、トラック運転手はかなりの人手不足。
有効求人倍率は全職業の平均より約2倍高い1.83。採用される可能性は高いと言えます。
さらに物流・運輸業界は厳しい規則や時間の厳守などが求められるため、自衛官というだけで高評価です。
自衛隊で鍛えた体力も活かせますし、自衛隊から物流業界に転職する人は多いです。
コンサルティング業界
30歳以上の幹部自衛官には、総合系やシンクタンク系など、コンサルティング業界がおすすめです。
30代の経営コンサルタントの平均年収は878万円とかなり高め。
しかも、意外なことに幕僚業務がコンサルタントの業務と親和性がああり、面接時に高い評価をもらいやすいです。
幹部自衛官として10年以上働いて習得できるのは『自衛隊内部でしか役に立たない知識と幕僚業務』しかありません。
ただ、この『幕僚業務』はコンサルの仕事と似ているところがあり、面接で話をすると面接官のウケがいいので高確率で内定をいただけます。
また、幹部自衛官は仕事に対してタフなのでいい評価をいただけます。
IT業界
論理的思考力が高い人はIT業界がおすすめです。30代の平均年収は498万円です。
IT業界というとエンジニアを連想すると思いますが、ITエンジニアは2030年に80万人不足すると言われているぐらい人手不足です。
自衛隊で通信科に所属する隊員などは、コンピュータプログラムに精通しているので、その知識を活かしてエンジニアとして活躍できるでしょう。
しかしながら、IT業界はエンジニアばかりではありません。
WebマーケターやWebディレクターなど様々な職種があります。
エンジニア以外の職種でも人手不足ですし、未経験者でも採用している会社があるので、パソコン操作が得意なのであれば検討の余地ありです。
リモートワークがしやすい、フレックスタイム制の会社が多いのもIT業界の魅力です。
営業職
業界問わず、営業職は高年収が期待できる職種です。とにかく稼ぎたい人におすすめ。
人によって年収の差が大きいですが、30代の平均年収は500万円です。
営業で稼げる業界というと、
- 金融業界(保険、証券など)
- 不動産業界
- 医薬品業界
などがイメージしやすいですが、狙うのはそこではありません。
toB向け(対 企業向け)の営業職のほうがラクに稼げます。
保険や証券、不動産は個人向けに商品を売りますが、企業向けの営業だと1件あたりの取引額が大きいのでラクに稼げます。
とはいえ、対企業向けの企業は知名度も低いので、穴場の企業に入社したいのであれば、転職エージェントの利用をおすすめします。
建築業界
自衛隊では測量士、建築士、電気工事主任技術者、電気事業設備主任など、建築系の資格を取得している人におすすめです。
職種によって平均年収は異なりますが、30代だと以下の通り。
- 建築士 / 設計:498万円
- 測量 / 積算:411万円
また、建築業界も人手不足で、20代であれば未経験でも施工管理職の募集をしている会社があります。
建築業界では資格が必要な職種が多く、仕事がなくなることはないので、実はかなり安定した職業でもあります。
自衛隊からの転職におすすめしない業界・職種
以下の3つは人手不足ですが平均年収が低く、スキルも身につきづらいのでおすすめしません。
- 警備業界
- ビルメンテナンス職
- 飲食業界
警備業界
自衛隊から警備業界に転職する人もいますが、30代の平均年収は334万円と低め。
警備員も自衛官と同じように責任感や忍耐力が必要となり、多少似ているところがありますが、基本的に立っているだけです。
年収アップやスキルアップができるはずがありません。
ビルメンテナンス職
ビルメンテンナンスの30代の平均年収は351万円です。
ビルメンテンナンスは高層ビルの窓ふきやビル内の清掃、ビル内の設備やエレベーターの点検などの業務を行います。
単純作業がほとんどなので、スキルアップもできません。
飲食業界
飲食業界が激務で給料が低いことはご存知だと思います。
30代の平均年収は379万円です。
年収が低いだけでなく、もれなく長時間労働もついてくるので、料理が好きな人意外はわざわざ自衛隊を辞めてまで就く価値はないでしょう。
年齢別のおすすめ転職先
自衛隊からの転職先として年齢別にみた場合、20代であれば比較的どこの業界でも転職はしやすいと言えるでしょう。
ただ、35歳ぐらいを超えてくると特に未経験での採用はほぼ絶望的です。
また。30代後半となるとそもそも採用のニーズがかなり下がり、これまでの経歴やスキル、資格を活かせる職業でなければ採用される確率はかなり低いです。
その為、30代後半〜40代にかけては自衛隊で培ったキャリアやスキル、知識をどのように活かすかが鍵になってきます。
20代自衛官
20代の元自衛官であれば、将来性がありスキルや資格が身につけやすい業界に転職することをおすすめします。
- IT業界
- 営業職
- 建築業界
世間の自衛隊のイメージは今はかなり良い為、どのような企業でも好印象を相手に与えることができるでしょう。
また、20代の転職市場でのニーズはかなり高い上に、未経験からキャリアチェンジしてもまだまだ取り返すことができる年代でもあります。
30代自衛官
- コンサルティング業界
- 物流・運輸業界
- 営業職
30歳を超えてくると即戦力が求められるようになります。つまり、これまでの経歴やスキルを活かして会社の売上アップに貢献できるかどうかです。
年齢を重ねるほど転職はしずらくなるので、あなたが30代なのであれば今すぐ転職活動をスタートしましょう。
40代自衛官
- あなたのスキルや資格が活かせる業界
- 物流・運輸業界
- 営業職
40代以降の転職では、あなたのこれまでの経験や持っているスキル、知識が活かせるかが鍵となります。
これまで紹介してきたおすすめの業界や職種以外も視野にいれるべきです。
自衛隊では大型免許などを無料で取得できる制度などもありますので、退職前に取得して運輸業に転職するのもありでしょう。
とはいえ、自分のスキルだとどういう仕事に就けるのかは判断しづらいと思いますので、早めに転職エージェントに相談するといいでしょう。
自衛隊からの転職方法
自衛隊から転職する場合でも、いきなり退職するのは止めておいたほうがいいです。
働きながら転職活動を行い、内定がもらえたら退職を申し込んだほうがリスクが低いです。
そして、ここからは自衛隊から転職するおすすめの方法を教えます。
まずは一般的に転職する方法は次の5つに分類されます。
多数の求人情報の中から、自分で求人を探し、応募する方法
エージェントとの面談を行い、求人の紹介を受けて、選考に進む方法
職務経歴書を登録して、スカウトを受ける方法
知り合いが働いている企業を紹介してもらう方法
ハローワークから求人を紹介してもらう
それぞれの方法には、メリット・デメリットがあります。
おすすめする人 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
転職サイト | ・希望が明確 ・転職に慣れている | 自分のペースや 希望を重視できる | 一人で転職活動を 進める必要がある |
エージェント | ・希望が明確でない ・転職活動が不安 | 転職のサポートを してくれる | 結果がエージェント の質に左右される |
スカウトサービス | ・キャリアに自信がある ・市場価値を知りたい | 基本的に受け身でいい | 市場価値によっては スカウトが来ない |
知り合いから の紹介 | ・知り合いが多い ・誰と働くかを重視する | 知り合いが働いている ことの安心感がある | 内定が出た後に 入社を断りづらい |
ハローワーク | ・失業保険をもらう場合 | 特になし | 紹介される求人の 質が低い |
補足すると、ハローワークは企業が無料で人材を採用できます。裏を返せば「人材採用にお金をかけない(かける余裕がない)企業が多い」ということです。
なので、ハローワークから紹介される求人は、ブラック企業やイケてない企業のものが多いです。民間企業に勤めている人が退職して失業保険をもらう場合以外には、利用することはおすすめしません。
一方で、転職サイトや転職エージェントには、企業がお金を払っています。お金を払ってでも優秀な人材を採用したい企業の求人が集まっているということです。
以上のことから、自衛官におすすめする方法は「転職サイトと転職エージェントの併用」です。
具体的には次の手順です。
この方法で転職活動をすると、転職サイトで応募しただけでは落ちてしまう求人にも、転職エージェントに推薦してもらうことで通過しやすくなります。
転職サイトは、学歴や企業名などのフィルターを設けていることがあるので、転職サイトから応募ではフィルターで自動的に落とされてしまうことがあります。
ですので、公務員で転職を考えている方は、転職サイトで求人を見つけて転職エージェントに推薦してもらう方法をおすすめします。
また、転職エージェント選びで重要なのはたった1つで、「自分にとって優秀なキャリアコンサルタントに出会えるか」です。
そのためには、複数の転職エージェントに登録しておいたほうが良いでしょう。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
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豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント
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転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
アデコ転職エージェント
アデコ転職エージェントは、日本で37年以上の人材事業を運営している実績があります。
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他の大手の転職エージェントと比較すると求人数は少なめですが、やはり求人数が少ない事務職に強いのが魅力的です。事務未経験でもOKな求人もあります。
ただし、特に事務職は人気なので、20代~30代前半ぐらいまででないと求人が見つからない可能性もあります。
何はともあれ面談してみないと分からないので、まずは相談してみましょう。平日の遅めの時間帯も面談可能です。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
まとめ|自衛官の転職先におすすめの業界や職種
自衛隊の転職先におすすめの業界について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事の要点は以下となります。
- 物流・運輸業界(ドライバー)
- コンサルティング業界
- IT業界
- 営業職
- 建築業界
セカンドキャリアとしての業界選びは大変重要となってくるので、まずは自衛隊にいる間に転職に関する情報収集から始めてみてくださいね。
転職エージェントを上手に使いこなして、万全の転職準備をしておきましょう。
あなたの転職が成功することを祈っております!