
転職した後のギャップってどんなものがあるんだろう。ギャップが発生する理由も知りたい。
こういう人は少なくないでしょう。

実際に僕は20代で2回の転職を経験し、1回目の転職では大企業からベンチャーに転職したのですが、結構ギャップがありました。
ギャップが大きすぎると、すぐに転職を繰り返すハメになってしまいます。
転職回数を重ねれば重ねるほど転職はしづらくなってしまいます。特に若くして転職回数が多いと、どの企業に応募しても書類で落とされる、なんてことも起きえます。
そうならないように、この記事では転職時のギャップを回避する方法を紹介します。
転職後によくあるギャップの事例

エン転職の調査によると、30歳以上の転職経験者で、聞いていた情報と転職先企業の実態が違うと感じたことがある方は8割以上にのぼるというデータがあります。

そして、転職時のギャップを感じた人は、やはり次の転職を考えてしまうようです。

さらに具体的なギャップ内容を見て行くと、
転職後に感じたギャップを良かった点と悪かった点の両⾯で伺いました。悪かった点のトップ3は「風土・社風が悪かった」(42%)、「昇給しにくい」(38%)、「教育体制が整備されていなかった」(36%)という結果に。
引用元:8割の転職経験者が入社後にギャップを感じたと回答|エン転職
これらは、会社や部署の特性に起因するギャップ』に分類できます。もう一つ、『業界構造上の特性に起因するギャップ』というのもあるのですが、こちらは後で解説します。
会社や部署の特性に起因するギャップ
まずは会社や部署の特性に起因するギャップから解説します。先ほどのエン転職の調査データの、ギャップの悪かった3点を見ていきます。
風⼟・社風
ベンチャーや外資系の一般的なイメージと異なっている、働きやすい環境です」と謳われているのに、実際はブラック企業まがいの会社だった、といったギャップがあります。

堅実に⾒えた社風は、裏を返せば保守的な社風であった。そのため、ベンチャーといいつつ古い⽇本企業の風土とベンチャーの悪い風土が混ざった社風でした。

社風自体は、グローバルなビジネス展開、働きやすい環境を掲げており、実際にそういうシステムになっていたが、部門によってはとんでもない環境だった。パワハラ、マタハラなど日常的で、ここはどこのブラック企業かと、錯覚した。

「意⾒が⾔いやすい環境」「⾃由な社風」の意味は広いと感じた。ただの悪⼝や噂話を本人の目の前で人格否定というところまで自由に発言。いじめやパワハラと感じるだけだった。

家庭的で和気あいあいとした職場と聞いていたが、実際は要職を身内で固めたワンマン企業。何でもやらされ、ミスはすべて新人の責任になるので、なかなか人材が定着しなかった。
昇給制度
昇給ありと事前に聞いていたのに実質的に昇給できない、評価に応じて昇給すると言われていたのに高い評価でも給料が上がらない、といった詐欺まがいの事例があります。

求⼈票には昇給ありと書いてあったが、それは社⻑と話し合ってOKが出たら…ということであって、実質昇給なしだった。⼊社後、他の社員から知らされた。社⻑からは説明なし。

評価と昇給の連動を謳っていて、評価がよかったため、十分な昇給を期待したが、まったくかなわなかった。

昇給昇格は随時あって飛躍的にあがると聞いたが、そんな実績はどこにもない。
教育体制
教育体制が整っていると思っていたらムチャクチャな教育方法だった、教育体制なんてものはそもそもなかった、という事例があります。

教育をする余裕もなく、とにかく⾒て覚えろと⾔われた。

教育体制が整っていない上、上司の指示系統もなかったので現場は混乱していた。

営業店舗を任されたが教育制度がなかったため、⾃分の判断でやらざるを得なかった。その結果が伴わないことを責められても、改善策がわからず、勤務時間だけが⻑くなることに。
業界構造上の特性に起因するギャップ
これは主に、給料や労働時間に対してのギャップです。
業界ごとに、平均年収が低かったり、サービス残業が横行していて労働時間が長かったりということが起きています。

自分のやりたい仕事だから
と最初は意気込んで転職したものの、思っていた以上に待遇や労働環境が悪く、ギャップを感じてしまうことがあります。
また、仕事をしていたものの、友人の会社と比較したり、働いている期間が長くなっていったりすると、今の職場環境に疑問を持つことも少なく有りません。
転職サイト”doda“を運営するパーソルキャリアの調査によると労働時間が多い業界TOP3は次の通りです。
- 運輸業・郵便業
- 情報通信業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
他の業界も含めた全体ランキングはこのような感じ。
また、「サービス残業」が増えがちな業種のランキングはこのような感じ。
これらの業界に転職するときには、あらかじめ労働時間やサービス残業は覚悟しておきましょう。
転職後のギャップの防ぎ方

実は、これまで紹介してきたようなギャップの中には防げるギャップと防げないギャップの2つがあります。
防げないギャップの代表例として、誰が上司(部下)につくか、どんな同僚がいるか、があります。数人しかいないアーリーステージのベンチャーという場合を除き、これは事前にはわかりませんよね。
しかし、あなたの働きやすさは、誰が上司につくか・どんな同僚がいるかによって決まってきます。影響を及ぼすファクターがコントロールできないのはちょっとだけ絶望ですね。。
逆に言えば、それ以外のギャップはある程度事前の情報収集でカバーできるとも言えます。
「ギャップを完全にゼロにする」のは非現実的。ただしギャップをできるだけ小さくする努力は可能ですしやるべきです。
その方法は、転職する前にできるだけ正確な情報を集めることです。
そこで、どのようにして情報を集めれば良いのかを紹介します。
口コミサイトを使う
一番簡単な方法は、企業の口コミサイトを使うことです。
口コミサイトでは、「退職理由」の項目は特に見ておいたほうがいいです。退職理由にはその企業への不満が書かれているので、一番参考になります。
ただ口コミサイトの場合、気をつけないと単なる悪口の書き込みがなされているようなサイトもあります。
その為、サイトを使う際には、自分の在籍していた会社や関連する業界の会社など、実際に調べてみて口コミの信ぴょう性が高いかどうかをリサーチする必要はあります。
口コミの信憑性が高い所だと、
このあたりになります。
ただ、あくまでも匿名での口コミで、どうしても信憑性にかける部分があるので、これから紹介する方法と合わせて利用することをオススメします。
社会人のOB訪問サービスを利用する
キャリーナ(旧:CREEDO)という、転職の体験談を見たり、転職した人に直接以前の職場の情報を聞いたりできるサービスがあります。
実際にどういう人が体験談を書いているのかも公表されているので、口コミサイトよりも正確な情報を得ることができます。口コミサイトの情報の裏を取るという使い方もアリでしょう。
また、ビデオ通話を用いて、転職経験のある人に相談できるので、転職エージェントとは違った視点から意見をもらったり、転職の相談をしてモヤモヤを解消できたりします。
転職エージェントから情報を聞き出す
転職エージェントは通常、紹介先の企業の内情を把握しています。口コミサイトに書かれていることも転職エージェントに確認してみたほうがいいでしょう。
また、人を紹介しその紹介料で報酬を得るというのが転職エージェントのビジネスモデルです。
エージェント側は紹介した人材がすぐに退職してしまうと報酬を減額されたり、ペナルティを課されたりなどの不利益を受けます。
そのため、転職エージェントの情報は信頼性が高いのです。
転職するかどうか分からなくても、今の自分の市場価値を測ることもできますし、すべて無料でサービスを受けられるので、まずは気楽に相談してみてもいいと思います。
おすすめの転職エージェントも選んでおいたので紹介します。
おすすめの転職エージェント
- 初めてでも安心 ⇒ リクルートエージェント
- 年収アップしたい ⇒ Spring転職エージェント
- 急成長企業でスキルUP ⇒ 識学キャリア
- 転職の軸を固めたい ⇒ パソナキャリア
- キャリアが浅くて不安 ⇒ マイナビAGENT
- 企業からの直接スカウト ⇒ リクナビNEXT

複数に登録しておくと転職成功率がアップします
自分が過去に転職した際のギャップの回避方法【実体験】


実際に僕が転職したときに感じたギャップを紹介します
僕の場合は1回目の転職は転職後のギャップがめちゃめちゃ大きかった一方、2回目の転職は転職のギャップをかなり小さくできました。違いはやはり事前の情報収集の量と質でした。
1回目のやり方
1回目のときは、全部自分ひとりで調べて、応募から面接対策までやっていました。その結果、得られる情報量も少なく、転職後のギャップが大きくなってしまいました。
- 自分でリクナビNEXTなどの転職サイトに登録
- 自分で検索
- 自分で応募
- 自分で面接対策
2回目のやり方
2回目のときは、転職エージェントをフル活用しました。
転職エージェントを利用するときは、まずは複数のエージェントに登録し、転職エージェントの合う合わないなどで、利用する転職エージェントを絞っていきます。
転職エージェントは情報収集だけでなく、書類の添削や面接対策までやってくれるので、利用しない手はありません。
1回目の転職の時にも、やっぱり専門家の意見を聞いて内部事情をヒアリングしておくべきだなと思いました。まあ、初めての転職でわからないことだらけだったのでしょうがないです。
- まずは転職エージェントに10人ほど会う
- そのうち信頼のできる3人のエージェントのみに絞り、転職相談
- 自分の歩みたいキャリアに合った企業を紹介してもらう
- 企業ごとの特徴、応募ポジションに求められる能力をエージェントにヒアリング(特に重要!)
- 職務経歴書の添削、面接対策をしてもらう
まとめ|ギャップは起こりうるものだと心得ておくことも必要

誰もが自分なりのイメージや理想像を抱いて転職しますが、環境が変わるのですから、大なり小なりミスマッチ、ギャップは起こりうるものです。
また、どうしても転職した後じゃないと手に入らない情報(自分の上司が誰になるのか、実際にどういう業務をやるのか、など)もあるので、ギャップを0にすることは難しいです。
必要なのは、転職時の理想と現実ギャップを最小限に抑えられるよう、自分でできることはしっかりと準備しつつ、遭遇したギャップに適応していこうとする覚悟や柔軟性を持っておくこと。
そうすれば、多少のギャップがあったとしても、転職後の企業に適応していけるでしょう。
ただ、繰り返しますが、転職時の情報収集はかなり大事です。情報収集方法はいくつか紹介しましたが、一番手間が少なく、正確な情報が得られるのが転職エージェントに相談する方法です。
転職活動に限らず、何でも1人でするよりも、パートナーがいたほうがスムーズに物事は進むものです。