ネットの情報やSNSでは、「何歳からでも転職は可能」「30代、40代からの転職は無謀」など、30代・40代は未経験で転職できるのか?できないのか?という議論は以前より絶えません。
実際のところはどうなのでしょうか?気になったので知り合いの転職エージェントに聞いてきました。
結論としては、30代、40代でも未経験職種への転職は可能です。
ただし、これまでの経験と親和性のある職種に限られてしまったり、履歴書や職務経歴書の完成度の高さ、面接での高いプレゼン能力が必要になったりするなど、20代と比べて転職難易度は相当上がります。
未経験職種や未経験業界への転職を考えている30代・40代の方は、上記のことを理解した上で本記事を読み進めてください。
年代別の未経験職種への転職

一般的には未経験転職で限界、壁とされている年齢は28歳、32歳、35歳までとされています。しかし、現実的な転職市場では28歳までが目安となり、年齢を重ねるにつれて転職難易度は上がっていきます。
厚生労働省が2018年に発表した以下の「雇用動向調査」からも、転職難易度が上がっていることが分かります。
===【28歳】===
「20代」というブランド力と社会人経験5~6年の経験で、未経験職種でも順応力・適応力が高いと見られ、転職市場でもニーズの高い年齢です。
伸びしろもあり、転職先でも上司や先輩が28歳より上の場合も多いため、企業にとって受け入れやすい人材であることも強いポイントです。
===【32歳】===
32歳になると、転職先の上司よりも年齢が上になるケースが出てきます。そのため、企業の年齢構成などによって、受け入れられるか判断が分かれる年齢です。
32歳で未経験職種への転職を考える際は、志望企業の年齢構成に注目しましょう。
===【35歳】===
35歳のビジネスパーソンに求める企業の条件は「即戦力」です。
「即戦力」とは売上・成果のことで、周りの社員と仲良くコミュニケーションを取ることではありません。
未経験職種・業界であっても、これまでの経験と実績を転職先でどう活かせるのかを、明確に経歴書や面接で話せるようになっていることが最低条件です。
20代なら未経験でも問題なし
20代の未経験職種・業界への転職は、そこまで心配をしなくても正直何とかなります。先述した20代というブランド力があり、売り手市場のド真ん中にいるためです。
気を付けるとしたら「転職回数が多すぎないこと」「在籍期間が短すぎないこと」。
一般的に転職回数が多いと判断される基準は10の位+1と言われています。20代であれば3回までが許容範囲と言えます。
在籍期間は1年以内の離職が2回以上続いているようだと、短期離職の懸念ありと見られてしまうことが多くなります。
30代ではスキルを活かすことを考えるべき
30代といっても30歳から39歳までと幅が広いのですが、30代の未経験職種や業界への転職の基本的な考え方は、スキルを活かすことを考えてください。
例えば飲食業界で仕事をしてきたとして、活かせるスキルにどんなものがあるでしょうか?
飲食業界でパッと思い付くところだと、接客・サービス・スタッフマネジメントなどが挙げられますが、それだけではありません。活かせるスキルを考えるときには、実際の業務で苦労していたことを思い返すと良いです。
- 集客で苦労したことは?
- 営業中の予約電話は大変でしたか?
- スタッフの当日欠勤の時の対応は?
- タイムカード管理やシフト作成などの勤怠管理は?
など、あなたが大変だと思ったことは、他の誰かも大変だと思っていることなのです。
その「大変なこと」を解決・改善させる方法を持っているのなら、未経験職種や業界でも間違いなく活かせるスキルになります。
上記の「大変なこと」を解決できるサービスや製品を扱っている企業なら、これまでの経験がそのまま活かせる経験になり、実際の業務として使ってきた経験は、何よりも強い一次情報です。
40代だと転職できる職種は限られてくる
40代になると転職へのハードルは、20代・30代の頃と比べると格段に難しくなります。更に未経験職種への転職となれば、正直言って職種や業界が限られてきます。
人手不足が深刻な業界(介護、飲食、運送、建設、IT)を視野に入れれば、未経験転職は可能かもしれません。特に介護や飲食は資格が無くてもできる仕事のため、受け入れ枠は他業界に比べて広がるでしょう。
しかし、多くの40代にとっての未経験職種や未経験業界とは、人手不足が深刻な業界以外ですよね?だから40代の未経験職種・未経験業界への転職は難しいと言われるのです。
人手不足業界を視野に入れれば、40代でも受け入れてくれる企業はたくさんあるはずです。でもあなたを含めて、多くの40代は人手不足の業界には行きたくない。
では、40代が未経験転職を成功させるにはどうしたら良いのでしょうか?
その答えの1つに、副業や業務委託など正社員以外での働き方があります。
未経験とは実務を経験していないことなので、副業や業務委託で希望する職種を経験して、まず未経験から脱却することを考えてみてください。
後述しますが、ITエンジニアやWebデザイナーを目指せるサービスは相当数リリースされていて、インターネットで検索をすればすぐに見つけることができます。未経験を対象にしているものも多く、「90日間で実案件を受注する」などのサービスもあります。
クラウドワークスなどのサイトでは、副業や業務委託で挑戦できる案件が毎日のように更新されています。
40代に対して、仕事を1から教えてくれる企業は存在しないと思っておいた方が良いです。もし、「1から仕事を教えてくれないなんて、企業の責任を果たしていない」と考えるのなら、先述した人手不足業界へ行きましょう。1からと言わず、0から仕事を教えてくれるかもしれません。
以上のことから副業・業務委託での働き方は、40代が考えるべき未経験転職を成功させる1つの方法です。
【30代40代向け】職種別の未経験転職のコツ

ここまで話してきたように、30代・40代の未経験転職は全くの未経験ではかなり厳しいことをお分かり頂けたと思います。
ここからは実際の職種別に未経験転職を成功させるコツについて見ていきましょう。
ITエンジニア・Webデザイナー
ITエンジニア・Webデザイナーは20代の若手世代をはじめ、幅広い年代から近年人気のある職種の1つです。人気の理由は、パソコンがあればできる仕事が多いため、リモートワーク・在宅勤務ができることが挙げられます。
30代がITエンジニア・Webデザイナーを目指すのであれば、同じIT・Web業界に属して業界知識を深めたり、ポートフォリオの完成度を上げたりするなど、アピールできる材料を増やしましょう。
40代であれば、正社員だけではなく業務委託でのプロジェクト単位での契約、契約社員など有期雇用契約などを視野に入れ、先述したように副業などで実案件をこなしスキルと実績を磨いていくことを考えるのがおすすめです。
営業職
営業職は幅広い業界から求められている職種で、30代・40代であっても未経験転職は可能です。
営業職に求められるのは「数字」です。数字で仕事の成果が見えるので、未経験であっても実績が作りやすい職種です。
30代・40代が営業職への未経験転職を考えるのなら、これまでの人間関係でコネを作っておく、紹介できる企業を持っておくと転職にも有利に働くと共に、転職成功のコツと言えます。
コンサルタント
コンサルタント業界は未経験スタート人材が多い業界で、年齢制限もあまりされていないように感じます。
適性・実力があれば誰にでも挑戦可能な反面、転職者に対して求められる基準は高く、選考ハードルは低くないのが現実です。
前職経験とプロジェクトとの親和性などが評価される場合もあり、30代・40代でも未経験転職を成功させる可能性は充分にあります。
未経験からコンサルタントになるには、
- クライアントの課題を論理的に分析していく基本的なスキル
- これまで経験してきた業界の特定分野の深い知識
などが必要になることは押さえておきましょう。
事務職
事務職は数あるホワイトカラー職種でも、常に人気のある職種です。一般事務職の倍率は0.35倍、転職市場では0.19倍とも言われている超が付く人気職種です。
事務職といっても種類は多くありますが、一般事務・営業事務が未経験転職を考えている30代・40代にとって狙いやすい職種でしょう。
超が付くほど人気の事務職では、パソコンの使用は当然ながらエクセルやワードなどのソフトを、業務で使用する上で滞りなく使用することができるかを見られますので、エクセル・ワードの勉強は欠かせないでしょう。
また、多くの人が「営業のようにノルマがない」「土日休みで残業が少ない」など、楽な仕事として希望している人が多い職種のため、志望動機が安易になりがちです。楽であることを理由にした志望動機で選考に受かる見込みはなく、他の人が言わないような志望動機を、30代・40代ならではの視点で話すことが大切です。
経理・総務・法務
経理や総務、法務の仕事はバックオフィスの職種の中でも専門性を必要とされる職種になってきます。正直言って、30代・40代から未経験で入れる会社はほとんど無いかもしれません。
それでも目指したいというのであれば簿記2級は必須で、中小企業診断士、人事総務検定など、アピールできる資格取得を考える必要があります。
人事
事務職に並んで高い人気を誇る人事職ですが、企業の今後を担う人材の採用に関わる仕事のため、採用のハードルは非常に高いです。
30代・40代の未経験者が人事職へ転職できる可能性は限りなく低く、書類選考の時点で80%以上、いや90%以上は落ちるだろうと思います。
なぜ人事をやりたいのかの理由にもよりますが、もし「採用だけをしている仕事」と考えている人がいたら、今すぐに人事の仕事内容を調べ直してください。
人事は読んで字の如く「人に関わる事」を全て担当すると言っても過言ではない職種です。
採用をやりたい、採用に関わる仕事が良いと考えているなら、キャリアアドバイザーやエージェントといった仕事があります。
実際に私の知り合いで、36歳で飲食業界から未経験の転職エージェントに転職をした方がいます。
人材紹介ビジネスに行こうと思ったきっかけは、自分自身で売上を作ることができる人材になりたかったからだそうです。
飲食業界は待ちのビジネスと言われていて、個人の力だけで売上は作りづらく、どれだけ頑張っても成果が見えづらい部分があります。
その点、人材紹介事業でエージェントとして働くことは、どれだけ転職希望者・企業へ貢献ができたかを数字で見ることができます。
30代・40代で未経験から人事職を目指すのは、正直かなり厳しいです。
一方、キャリアアドバイザー、エージェントには〇〇業界特化型・20代特化型・ミドル特化型など自分自身が得意とする業界や職種、年齢層を相手に人事に近い仕事に就ける可能性は高まります。
最後に|転職するならとにかく早く動こう

転職を考えているのなら考えながら行動することが大切で、転職エージェントも積極的に使っていくことをおすすめします。
なぜなら、転職活動にかかる時間は1日や2日で終わるものではなく、順調に進んだ場合でも1ヶ月~1ヶ月半はかかる場合が多く、エージェントを使うことで効率化が図れるからです。
じっくり1社ずつ選考を受けることも大切ですが、書類提出をして返事が来るまでに1週間、2週間かかってしまうことだってあります。そもそも書類選考の通過率が低下する傾向にある30代・40代は、1社ずつ選考を受けるよりも、ある程度まとめて選考を進めていくのが転職活動を効率的に進めるコツです。
また、30代・40代での未経験職種への転職は、ただでさえハードルが高いため履歴書や職務経歴書の魅せ方やまとめ方を第三者から見てもらうことが重要です。
転職活動で最初の関門である書類選考を通過するには、第三者の協力とサポートが必要不可欠で、プロである転職エージェントへ相談するのは必須要項とも言えます。
まだ転職するかどうか固まってなくてもエージェントへの相談はOKなので、まずは気軽に相談してみましょう。
おすすめの転職エージェント
- 転職が初めてでも安心 ⇒ リクルートエージェント
- 年収アップしたい ⇒ LHH転職エージェント
- 転職者の満足度No.1 ⇒ doda
- 事務職や営業の転職に強い ⇒ アデコ転職エージェント
- キャリアが浅くて不安 ⇒ マイナビAGENT
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★複数に登録しておくと転職成功率がアップします。
リクルートエージェント

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豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
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普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
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