この記事は次のような疑問を持つ人向けに書いています。

転職エージェントってそもそも何をしてくれるのだろう。必ず使わなければダメなの?

ついでにオススメの転職エージェントも知りたい。
転職エージェントは、転職を考えている人にとっては企業選びや面接・書類選考対策、さらに年収交渉までをサポートしてくれる転職時の強い味方です。
また転職を具体的に考えていない人でも、自分のキャリアの相談ができます。
しかし、自分は転職エージェントを使うべきなのか、使うとしてもどのエージェントにすべきか迷う人もいるでしょう。
転職時に強い味方となるエージェントですが、自分に合った担当者に巡り合えないと、逆に自分が望まない会社への転職を促されてしまう可能性もあります。
何もわからない転職初心者を半分騙して、自分の成績のために転職をさせることも、残念ですが実態としてはあります。

そこでこの記事では、2回の転職経験があり合計10社以上の転職エージェントと面談経験のある僕が、下記の内容を解説します。
- 転職エージェントの仕組み・サービス内容・利用の流れ
- 転職エージェントの選び方や使う際のポイント
- オススメの転職エージェント
この記事のゴールは次の通りです。
- 転職エージェントとは何かを理解し、転職活動を有利に進める知識をつけること
- 転職を考えていない人でも、どう転職エージェントを活用すれば自分の理想的なキャリアが歩めるのかを理解すること
それでは解説していきます。
転職エージェントの仕組みとサービスの内容

転職エージェントの仕組み

上の画像のように、転職エージェントは企業から紹介料をもらってビジネスをしているので、転職希望者は無料で利用ができます。
相場としては年収の35%ほどが報酬として転職エージェントに支払われています。
また入社した人がすぐに退職したり、その企業に合わない人材だった場合、紹介料の一部を返金したり、転職エージェントの業界内での評判が悪くなるリスクがあります。
そのため転職エージェントは、あなたが長く働けて組織の風土になじむような会社を紹介する動機があります。
サービス内容【図解】
転職エージェントを使うことで、具体的には次のようなサービスを無料でうけることができます。

転職エージェントは転職をすぐに考えている人だけが利用するサービスではありません。
転職エージェントを利用する価値がある方は下記の通りです。
- 漠然とした将来の不安があり、今の会社にずっと勤め続けるべきか迷っている人
- 自分の今後のキャリアについて誰かに相談に乗って欲しい人
- 今いる会社に不満はないが、自分の実力が他の業界だとどう評価されるのか知っておきたい人
もちろん、具体的に転職を考えている次のような人もエージェントを利用する価値があります。
- 転職をしたいが、具体的にどのように行動し始めたらいいのか分からない人
- 面接が苦手でどのように対策をしたらいいのか分からない人
- 自分がどの企業を受けるべきかについて意見が欲しい人
- 転職活動全般において、書類・面接対策など、がっつりサポートして欲しい人

転職エージェントに登録をするとすぐに転職活動を始めなければならないと思っていました

転職エージェントの知人に聞いたところ、面談にくる約8割の人は具体的に転職を考えていない状態のようです。だから転職を考えていなくても、自分の都合のよいように利用してもいいんです!
転職エージェントのサービスの流れ
図解すると次の通りです。

また、各フェーズでやるべきことを簡単にまとめると下記の通り。
- 登録:転職エージェントへの登録。複数社登録が基本。
- 自己分析:エージェントに会う前にまずは自分で転職理由や志望動機をまとめる。
- 面談:用意した転職理由などを対話を通じて壁打ちしてもらう。
- 求人紹介:自分の希望に沿った求人をエージェントから紹介してもらう。
- 書類添削:職務経歴書をエージェントに添削してもらう(僕は3往復ほどしました)
- 応募:自分が興味のある企業、練習台で受けておきたい企業に応募する。
- 面接練習:志望動機などがスラスラ言えるようになるまで声に出して練習する。
- 本番:実際に企業に訪問して採用面接を受ける(合計で2,3回が目安)
- 内定〜退職:無事内定獲得後は、給与など条件交渉&今の職場へ退職報告する。
転職エージェントを使うときの7つのポイント

- 仕事をしながら使う(辞めてからはNG)
- 複数社登録することでリスク回避する(そのことは隠すのはNG)
- 転職希望時期は「いいところがあれば」が正解
- 経歴を盛るのはだめ、絶対
- 選考のスケジュールは揃えるべし
- レスを早くしてアドバイザーの中での対応優先順位を上げてもらう
- 面接後にはその日中に担当アドバイザーにフィードバックを送る
仕事をしながら使う
転職エージェントは、必ず仕事をしながら並行して利用しましょう。
今の会社が嫌すぎて退職してから次の職場を決める、という人もいますが、無職の期間が長くなると、焦って転職先を決めてしまうことにつながるのでオススメしません。
複数社登録することでリスク回避する
転職エージェントは複数社利用するのが基本です。後ほど解説しますが、いくら実績のある転職エージェントでも、担当アドバイザーとの相性が悪ければその利点を活かせません。
担当アドバイザーが悪いと、希望しない転職先を紹介され、後から

転職しなければよかった…
と後悔することになってしまいます。
そのためのリスクヘッジとして、エージェントは複数社登録をして、自分と相性の良いエージェントだけを選んで付き合っていくのが転職における鉄則です。
なお、複数社利用していることをエージェントに隠すと、異なるエージェントから同じ企業に応募されてしまいトラブルの元になるので注意です。
転職希望時期は「いいところがあれば」が正解
転職エージェントに登録をすると

転職希望時期はいつですか?
と必ず聞かれます。ここで「今は考えていなくて将来的にするかもしれない」と言ってしまうと転職エージェント側であなたの対応順位が下がってしまいます。
しかし、だからと言って「1ヶ月以内に転職希望です」と嘘をつくのもNG。正解は「いいところがあれば転職を考えています」という回答です。
これであれば、転職しない可能性も残しつつ、エージェント側にも転職のやる気があることを示せます。
経歴を盛るのはだめ、絶対
これまで経験したことを魅力的に語らないと企業側の書類選考で落ちてしまうので、多少盛って書くのはありでしょう。
しかし、自分が経験したことのないことを経験したように書いたり、明らかに自分の実力以上のスキルがあるように盛り過ぎるのはNGです。結局面接の過程でバレたりします。
選考のスケジュールは揃えるべし
複数の転職エージェントを利用する場合、企業の面接を受けるタイミングは揃えましょう。
内定が出たら返答を待ってくれる期間は通常2週間です。
例えば希望する会社が2社あったとして、A社の最終面接が終わった2週間後にB社の1次面接となると、A社の返事を受けるかA社を断ってB社にかけるかの選択を迫られることになります。
レスを早くしてアドバイザーの中での対応優先順位を上げてもらう
担当アドバイザーも営業成績を追っています。転職が決まればアドバイザーの成績になるので、アドバイザーは転職意欲が高い人から順番に相手をするのが普通です。
そのためには、先ほど述べた「いい企業があれば転職する」というスタンスを示しつつ、アドバイザーからのメールに出来るだけ早くレスポンスするなど意欲があることをアピールすることが重要です。
面接後にはその日中に担当アドバイザーにフィードバックを送る
企業との面接が終わったら、その日のうちにアドバイザーに報告しましょう。
面接での出来やどのように質問されてどう答えたのか、面接を通じて志望度合いは変わったか、聞き漏れてしまったことはないか、などを伝えましょう。
そうすることで、転職意欲が高いことをアピールできるのと同時に、次の面接のためのアドバイスをもらえます。
転職エージェントの効果的な使い方とオススメエージェント

これまで見たように、あなたの今後のキャリアを考える上で転職エージェントはとても心強い存在です。
しかし、転職エージェントは全国で1.7万社(!)もあり、その特徴は様々。
また、あなたの会社でも仕事ができる人とできない人がいるように、担当アドバイザーの質も正直バラバラです。
能力が低かったり相性が悪いアドバイザーに当たってしまうと、逆に「本来受かるはずの企業にも落ちてしまう」ことにもなりかねません。
そこで、あなたがハズレくじを引く確率を出来るだけ低くするために、次の2つを解説します。
- 転職エージェント会社の選び方
- 良い担当アドバイザーの見極め方
転職エージェント会社の選び方
前提として、転職エージェントは複数社選ぶのが通常です。
理由は先ほども述べたとおり、担当者によって対応レベルにばらつきがあるので、悪い担当者に出会った時にすぐ変えられるようにリスクヘッジをするためです。
また、転職エージェントには総合型と特化型があります。

総合型と特化型から1社ずつ選んで登録してみることをオススメします。
良い担当アドバイザーを見極める3つの条件
フィーリングが一番大事ですが、次の観点でみると、信頼できるエージェントかどうかの見極めになるでしょう。
- 自分の志向に寄り添ってくれるか
- 賢いか(話が通じるか)
- 経験は豊富か
自分の志向に寄り添ってくれるか
基本的にエージェントは「自分が入社させたいと思っている企業」を求職者に紹介したいと思っています。
信頼できないエージェントは、一般的には良いとされる会社だがあなたの志向に沿わない会社を勧めてきます。例えばこんな感じ。

残業は多くてもいいから成長できる企業がいいなと思ってます

例えばこの企業はホワイトでとても働きやすいです!オススメです!

(いやそこは重視してないんだけどな。。)
賢いか(話が通じるか)
エージェントの賢さは、ヒアリングとその後のキャリアプランの構築時に表れます。
賢いエージェントは、下記がちゃんとできています。
- 現職の不満や転職の軸をまとまりなく話しても、整理してくれる
- 将来なりたい状態(ゴール)から逆算して、今何をすべきかを示唆してくれる
経験は豊富か
これを言うと若手には優秀な人がいないのか!となってしまいますが、決してそうではないものの、転職は経験した場数がものを言うと思っているので、
- エージェント自身が転職経験がある
- 数多くの転職者を支援して業界に精通している
などの経験値が豊かな方が「ハズレ」の確率が低いと思ってます。
自分の大事なキャリアのアドバイザーには、やっぱりちゃんとした人について欲しいですよね。上記の視点を使えば、限りなく「ハズレ」の選択肢を狭めることができると思います。
使い方を踏まえたオススメの転職エージェント

総合型、特化型に分けてご紹介します。

評判のいいエージェントなので、迷ったらこの中から登録をすればまず失敗しません!
総合型エージェント
- 初めてでも安心 ⇒ リクルートエージェント
- 年収アップしたい ⇒ LHH転職エージェント
- 転職者の満足度No.1 ⇒ doda
- キャリアが浅くて不安 ⇒ マイナビAGENT
- 転職の軸を固めたい ⇒ パソナキャリア
- 企業からの直接スカウト ⇒ リクナビNEXT
★複数に登録しておくと転職成功率がアップします。
リクルートエージェント

リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
LHH転職エージェント

LHH転職エージェントで年収アップしている人多数!キャリアアップを目指す人向けの転職エージェントで、外資系、法務・経理などの管理部門、第二新卒などの転職に特に強いのが特徴です。
世界でもTOP3位に入る人材会社のアデコグループが運営しており、細かなカウンセリングによる高いマッチング精度が売り。
普通のエージェントは転職者と企業側の担当が分かれているところ、LHH転職エージェントは1人で転職者と企業側を担当しています。そのため、企業カルチャーとの相性まで見極めることが可能です。
エージェントは各専門職種に精通しているため、他のエージェントにはできなかった専門的なことまで相談できます。
doda

dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
マイナビAGENT

マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
熱意のある担当者によるサポートも評価が高く、中小企業や第二新卒のための独占案件の多さに定評があります。
転職サポートについては、職務経歴書のブラッシュアップや模擬⾯接はもちろん、利⽤回数や期間に制限なく転職相談をすることが可能です。
また、関東圏・関西・東海地方の求人が豊富で、20~30代向けのベンチャーから大手まで優良企業の求人を保有しています。
パソナキャリア

パソナキャリアは、主に関東圏・関西・東海地域のベンチャーから大企業まで30,000件以上の求人を保有しています。
また、未経験で応募できるポテンシャル求人から、リーダー・部長・事業責任者クラスまで、多種多様な求人の取り扱いがあります。
パソナキャリアの特徴としてはなんといっても親身で丁寧なカウンセリング。初めての転職の方でも安心できます。
- 自分に合った会社に転職したい
- 自分の転職の軸がわからない
という方には特にオススメです。
特化型エージェント

ここで紹介されたエージェントは全部登録しなければならないのかな?

全てでなくても大丈夫ですよ!もし迷ったら最低でも総合型から1社、特化型から1社は登録しましょう!

転職活動に割ける時間がそこまで多くないので安心しました!

はい!どのエージェントに登録すべきか迷ったら、先ほど紹介したエージェントの総合型と特化型それぞれの1番上のエージェントに登録してみてください。
まとめ|転職エージェントは使い方を間違えると毒になる
これまでお話した内容をまとめると、次の通りです。
- 転職を検討する前から、転職エージェントは利用していい
- 「自分のペースで情報を見たい」場合には転職サイト、「実際に転職活動を始め、自分に合ったアドバイスが欲しいという場合には転職エージェント
- 担当者によって合う・合わないがあるので、複数社利用してリスクヘッジしよう
転職エージェントは、転職時に頼りになるパートナーである一方、営利企業が運営しているのでどうしても転職する人の利益を犠牲にするアドバイザーも0ではありません。
相性の悪い担当アドバイザーと転職活動するくらいなら、自分一人でやったほうがよほどましです。
とはいえ、転職の全てを自分一人でやろうとするとかなり骨が折れます。忙しさにかまけて転職活動をなかなか始められず時機を逸してしまうかもしれません。
だからこそ、複数のエージェントを厳しい目で比較してみて、自分にあった担当者を見つけることが転職活動の成否を決める重要な要素となります。
転職エージェントの利用は全て無料なので金銭的なリスクは負いません。ぜひここは自分の時間を投資して、自分の目で相性の良いエージェントを確かめてみてください。