「ブラック企業」というワードも世間的にかなり認知されました。
劣悪な労働環境の会社の事を指す単語ですが、できれば誰もがこんな会社には入りたくないものです。
そこで今回は、ブラック企業かどうかを見極める方法を紹介します。
ブラック企業に入りたくない人必見!
ブラック企業の見分け方:応募前の段階
自分の関心がある会社がブラック企業かどうかを調べるには、その会社に実際に入社する方法が一番よくわかります。
というのも、基本的には企業の込み入った情報というものは外部には流出しにくいものです。
- 拘束時間が長い
- 残業代がでない
などの情報は外部には漏れるものの、実態として正確に把握することは、その会社に友人や身内でも働いていない限り基本的にはできません。
そうなると応募前段階で、ブラック企業と判断を下す事は不可能なのか?
事前にブラック企業と判別するには、出回っている情報からその企業についてを調べあげるしかありません。
方法を紹介します。
口コミサイトで会社の評判を調べる
一番簡単な方法は、企業の口コミサイトを使うことです。
産地偽装や会社内部の違法なやり口が流出するのは、ほとんどが元働いていた人か現在働いている人の内部告発です。
関係者の口コミからその会社の内部実態が掴めることは往々にしてあります。
同様に、ブラック企業を事前に調べるには「口コミサイト」を利用するのはかなり有力です。
ただ気をつけないといけないのは、口コミサイトの場合単なる悪口の書き込みがなされているようなサイトもある点です。
口コミの信ぴょう性が高いサイトは、
などです。
口コミサイトを利用するとき、「退職理由」の項目がその企業がブラック企業かどうかの指針になりますね。
「待遇面」や「社風」などの口コミでは、実際にブラック企業かどうかの判別がしにくかったりするからです。
そこに、
こういった労働環境の異常さが伺える口コミが投稿されている会社は、ブラック企業だと断定出来ます。
余談ですが飲食業など店舗を構えている業種の場合、会社名で登録されているので屋号(店名)で検索すると口コミが出てこなかったりします。
こういった業界をリサーチする際には正式な社名を押さえておく必要があります。
転職サイトを使い求人を出している頻度を調べる
ブラック企業は人材を使い回すため、大量募集し大量に退職していく事を前提にビジネスが回っています。
そのため、人材募集を常にかけ続けている事が多いのです。
劣悪な環境の会社ほど、登録が無料のハローワークで常時募集し続けているのはもちろん、転職サイトでも頻繁に登場します。
リクナビNEXTやdodaに登録して、定期的に覗いてみるといいでしょう。
このときに特に気をつけたいのが大手企業。
転職経験があまりない人ほど、「大手であれば安心」こういった先入観が先走ってしまいます。
企業体力もあり知名度も高いのでつい信用しがちなため。
しかし頻繁に求人を出し続けているということは、頻繁に出さなければいけないれっきとした理由があるということ。ここを忘れてはいけません。
こういった思惑があることが充分に読み取れます。
そのため、転職サイトを利用して求人の頻度確認しながら、平行して口コミサイトを使ってその会社の本音をリサーチしていけば、おぼろげながらの実態がつかめてきます。
転職エージェントに「離職率」「平均勤続年数」を聞いてみる
ブラック企業かどうかを見分ける上で、「離職率」と「平均勤続年数」のデータはかなり重要です。
これらのデータは就職四季報でも確認できますが、公表していない企業もあります。特に「離職率」は公表していない会社が多いです。
離職率が高いと求職者に悪い印象を持たれてしまいやすいからですね。
公表してしまうと、わざわざ
ウチの会社は人が定着しないんです!
と叫んでいるようなものになってしまいます。
一方、転職エージェントは通常、紹介先の企業の内情を把握しています。
また、人を紹介しその紹介料で報酬を得るというのが転職エージェントのビジネスモデルです。
エージェント側は紹介した人材がすぐに退職してしまうと報酬を減額されたり、ペナルティを課されたりなどの不利益を受けます。
そのため、紹介した人が可能な限り長く働いてもらうことを望むため、転職エージェントが「離職率」や「平均勤続年数」を把握している事があるのです。
ブラック企業の見分け方:面接段階
ブラック企業を見抜く際にこの「面接」はかなり重要です。
面接は一見すると、企業が一方的に応募者を診断しているようなイメージを持ちがち。
ですがそんなことは一切ありません。
同時に、応募者側も企業を診断している。
まずこの感覚を強く強く持って下さい。
ブラック企業の面接にはかなり特徴があります。
通常のホワイトな会社で勤務している人からみたら考えられないような事が平然と起こったりするのが実態です。
一つ一つ紹介します。
面接官の態度が高圧的
ブラック企業の面接官は求職者に対して圧力をかけ、厳しい労働環境に耐えられるかどうかを見ています。
例えば、
- うちは厳しいけど大丈夫?
- 前職が事務系だったけど、うちは体力仕事できついよ
- キミ本当に耐えられるぅ?
こういった形で、応募者にやっていける意思があるのかどうかを問うてきます。まるで自社が軍組織か何かのような横柄な態度。
しかしこれは裏を返せば、
うちは違法な事スレスレをやってるけど、お前は本当に我慢できるのか?
こういった事を言っているのと同義。
ここで生真面目に、
本当にやれる意思があるのか試されてるのかも?
と気張って、
はい大丈夫です!!
などといって入社してしまうと、一気にブラック街道まっしぐらになってしまいます。
そういった企業は、根本的に人材を育てる意思や自社の環境の悪さを自分たちで解消できない事を面接の場で物語っています。
言い換えれば、
俺たち無能な集団だけど、キミ耐えられるぅ!?
と言っているのと同じなんですよね。
入社してしまうと本当に耐え難いほどの苦痛が待っているので、そんな面接が終わったらその会社のことは忘れ去ってください。
「離職率」と「平均勤続年数」を隠したがる
先程も述べましたが、「離職率」と「平均勤続年数」はブラック企業なのかどうかを判断する重要なデータです。
ブラック企業のレッテルを貼られたくないという想いからも、企業側は「離職率」と「平均勤続年数」は絶対と言っていいほどに把握しているのが普通です。
にも関わらず、そのデータを隠したがるということは、後ろめたいことがあるということ。
ましてや面接官は、社員数や会社の沿革、勤務条件や職務内容に精通しているもの。
なので、これらのデータを出せないということは、文字通り黒であることを疑ったほうがいいのです。
特に厄介なのが、自社の「3年以内の離職率」と「平均勤続年数」です。
これらの数字はかなり重要です。
と判断できるからです。
もちろん社歴の短い中小企業やベンチャー企業では、会社が立ち上がったばかりのため、こういった数字自体が意味をなさない場合も多い。
しかしある程度の歴史があるにも関わらず、こういった実態を隠したがる会社は「知ってほしくない事情を抱えている」と判断できます。
もちろん、事前に転職エージェントに聞いておいたほうが無難です。
ですが、もし怪しいと感じたなら、是非とも勇気をふり絞って直接面接官に聞いてみるべきです。
もしこの質問に、面接者が
- 今すぐに分からないので調べておく
- それはこれからじっくりと作っていくものだ
のような形で答えられない。お茶を濁す。といった場合、その会社は要注意。著しくその数字が悪く応募者に伝えられないということが濃厚です。
募集要項と面接で提示される条件が異なる
例えば、
こういった募集要項には誇大広告のような表示をしておいて、いざ面接の場では一気に真逆の事を提示しくる会社は要注意です。
人手不足にあえいでいる感が全面に出ています。
とりあえず募集するだけしといて、全くありえない条件を提示。こういった会社に間違って入社してしまうと、入社後も平然とありえない事が起こる可能性も高いです。
そういった嘘つき体質が社内でも蔓延してしまっていると考えられます。
一度の面接、その場で即決
これは体力勝負のサービス業を主軸にしているブラック企業でありがちな事ですね。
面接が1回だけで、その場で採用が即決する。
履歴書もまともに見てない。形式的に持ってきてもらっているだけ。
こんな会社、一体この場では何を見ているのか?その意図は?
それは、あなたが、
これに尽きます。
ようは、自社が体力勝負で長時間労働のブラック企業なため、必要とされるスキルが「健康度」「言うことを聞くか」に特化している。
この要件わかります?
まるで軍隊の求人募集と一緒なのです。
あなたに生命力があるのか?忠実であるのか?必要なスキルはそれだけ。
ここさえクリアしてしまえば、現場は超絶人手不足なためすぐにでも採用したい訳ですね。
ブラックな飲食業や販売業、不動産業などによくありがちです。
極端な場合、
明日から来れる!?
とか聞いてくる。
こんなの普通じゃないですからね。
事務所が汚い、存在しない
これもまさしくブラックの象徴です。
基本的に企業体力のある会社は自社ビルを持っているか、有名ビルの一室がそのまま本社になっています。
またホワイトな会社は清掃が行き届いているのが普通。専門の清掃要員を雇っているからです。
「衣食足りて礼節を知る」
こんなコトワザに象徴されるように、当たり前の事が整っていてこそビジネスが展開できると言っても過言ではありません。
現場を回すのに精一杯なブラック企業では、事務所を掃除している余裕さえなかったりする。
衣食も足りてないので礼節もくそもないのです。
面接の際に訪問する事務所の内部や、そこで働く社員の様子にも気をつける必要があります。
こういった特徴が見て取れる場合はかなりヤバイ。
デスクの上は社員の整理能力や処理能力を示します。部屋が汚いや身だしなみが整っていないなどは、売上さえ上がっていればあとはどうでもよいといったある種、「拝金主義」的で非人道的な印象を受けます。
そういった企業ほど、
人材は人財だ!!
などと言っていて、ダメな雰囲気をかき消そうとしているものです。
ブラック企業の見分け方:入社後
入社後にこんな事が起きているが、これは正常なことなのか?こんな疑問を抱えている方のために、入社後にブラック企業にみられる顕著でおかしい例を挙げてみます。
雇用契約書がない
これ完全にブラックです。
初めに断っておきますが、法律としては「雇用契約書」を書かせる義務というものはありません。
そのため口頭で済ませることも可能です。
おまえの給料は20万円、勤務時間は9時~18時だ!
極端な話、こんなやり取りだけでも済んでしまうわけですね。口約束だけでも法的にはOKなのです。
とはいえ、会社は労働基準法第15条にも記載があるように、給料や労働時間について通知する義務を負っています。
労働基準法 第15条
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
引用元:労働条件の明示-なるほど労働基準法|キノシタ社会保険労務士事務所
契約を署名捺印で締結していなくても、上記旨が記された書面は労働者に交付する必要は絶対あるのです。
普通、口頭約束というものは後々トラブルになることが多いため、書面を交わすのが通常になっています。
雇用契約書が無いということは、
こんな事を示しています。
同様に、社会保険がない、入社後に1年経つのに住民税が引かれないなどの人事がいい加減な会社もブラックと言えますね。
» 正社員なのに社会保険がない会社はブラックです。
固定残業代(みなし残業制)を採用している
社員に対して、残業代の制限をかけています。
こういった会社の場合、到底に固定残業代内で残業が収まるはずもない、長時間拘束のブラック企業と言えます。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
» みなし残業(固定残業代)制はおかしい?取り入れる会社はブラックばかり!
交通費が出ない
地方の車通勤での会社で見られますね。
いわゆる交通費が出ないというやつ。
詳しく聞いていくと、交通費込みでの給料の支給だ。などと言われたりする。
また都内でも、会社の社宅に入居した場合には交通費は支給しないなどと定義している会社も結構存在します。
事前に確認しておくことももちろんですが、無意味に交通費を支給しない会社もブラックな可能性が高いと言えます。
» 正社員なのに交通費(通勤手当)が出ない会社はやばい!辞めた方がいい?
試用期間が異常に長い
入社後の1ヶ月間は試用期間。
研修の期間も兼ねて、お互いを理解する期間として使用期間を設ける会社は多い。せいぜい長くても3ヶ月といった会社が多いでしょう。
しかし中には6ヶ月、極端なところだと1年とかにしている会社も存在します。
なぜこんなロングな試用期間にするのか?
概ねこういった事が該当します。
1. は言わずもがなですね。中には試用期間中は社会保険に加入できないなどと言うブラック企業もあります。
2.は、もし採用した人間が、ブラック企業側の思惑と大きくずれていた場合、例えば、
- 周囲のブラックな空気に同調してくれない
- 法的知識に精通している
などで上手く自社に染められない場合に、すぐに解雇にできるように設定している(とはいえ普通、解雇予告は必要)。
また試用期間を極力長く設定することで、少しでも安い給料で使い倒せるようにといった思惑も盛り込まれているのです。
一番怖いのが、3.に関してです。
試用期間として採用されたものの、給料も低いし社会保険にも加入していない。
なんでだろう?と確認してみると、契約社員扱いになっている。
要は会社側からすれば、応募者がどんな人物か判断しかねないためリスクヘッジを取りたい訳です。
お前は契約社員扱いだ。試用期間を過ぎて本採用になったら、社会保険にも加入してあげる。
などと意味不明な事を言います。
そもそも社保は「通常の労働者(正社員)の概ね4分の3未満の労働日数・労働時間」の状態の時、加入の権利が発生します。
そのため上記のような理由で、社保に加入させないなどといったことは出来ない。
コストを抑えながらも、いつでもクビにできるようにしておこうという見え透いた魂胆が見て取れます。
法律のことなんかたいして分かってないだろうと勝手に決め込み、自分の都合のいいように振舞っているだけ。
特に若く社会人経験が少ない人ほど、こういった嘘八百に巻き込まれてしまいがちなので気をつけたいところ。
とんでもないブラック企業と言えます。
最後に|手っ取り早くブラック企業を避ける方法
ここまでブラック企業を見分ける方法を紹介してきました。
この他にもブラック企業なのかどうかを見分ける基準はあると思います。ただ、いちいち基準に照らし合わせるのも手間がかかります。
実は、ブラック企業を手っ取り早く避ける方法があります。
それは、転職エージェントを利用することです。
先程も述べたように、転職エージェントは紹介した人材がすぐに退職してしまうと報酬を減額されたり、ペナルティを課されたりなどの不利益を受けます。
つまり、わざわざ報酬を減額される可能性のあるブラック企業を紹介しようとはしないのです。
ただし、転職エージェントの中にも、とにかく紹介数を伸ばして利益を伸ばそうとしている悪質なエージェント会社もあります。
それを避けるためにもおすすめの転職エージェントを選びましたので、最後に紹介します。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
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カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
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マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代からの信頼がNo.1の転職エージェントです。
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