プログラマーの仕事は需要が伸び続けるという意見もあれば、将来的にプログラマーは不要になるという意見もあります。
あまり知識がない人からすると、一体どっちが本当なの?と疑問に思われますよね。
そこで今回は、現役のエンジニアである僕が、
- なぜプログラマーが必要とされているのか
- どんなプログラマーの需要は今後も伸び続けるのか
- プログラミング知識がゼロの方に向けて
をお話していきます。
プログラマー(エンジニア)の需要は伸び続けている
まず、これからプログラマーを目指すか迷われているかと思いますが、今からプログラマーを目指す選択は非常に良い選択といえます。
なぜなら、今後10年以上にわたってもエンジニアの需要は伸び続けると予想されているためです。
プログラマーの今後の需要グラフ
こちらは経済産業省が出しているIT人材の不足規模を表したデータです。
このグラフを見てもわかるようにIT人材は2030年には45万人不足すると言われています。
このIT人材不足の影響を受けて、有名企業ですら採用においてエンジニアの獲得合戦になっているという事実もあります。
今やどこの企業においてもエンジニア不足は深刻であり、今後もその深刻度は増していくと考えられているのです。
全てのプログラマーの需要が今後伸び続けるわけではない
ただし、プログラマーの需要が伸び続けているからといって全てのプログラマーの需要が伸びるわけではありません。
先ほどの経済産業省のデータにおいても「ビッグデータ」「IoT」「人工知能」といった先端IT人材が不足する見込みであることが記載されています。
したがって、仕事ができるレベルの技術を身につけて後は学習をしないといったエンジニアの需要はどんどん下がっていきます。
実際、ITエンジニア向けの総合求人サービスであるpaizaも本当の問題はエンジニアの量ではなく質ということに触れています。
» 本当の問題は量よりも質…IT人材白書「エンジニア不足」の真相|paiza開発日誌
したがって、今からプログラマーを目指すとしても、プログラマーになれば将来は安定する!という考え方ではいけないということなのです。
なぜ将来プログラマーは不要と言われるのか
今後、プログラマーの需要は伸び続けるという話をしたものの、一方でプログラマーは将来不要になるという意見もあります。
過去には「2020年になくなる仕事」としてプログラマーがランクインしていました。
個人的な意見ではありますが、プログラマーの数は今後減っていくことはあるものの、なくなることはないと思っています。
なぜ、プログラマーがなくなる仕事と言われているか?については大きく3つの理由があります。
- オフショア開発による人員の削減
- コード生成ツールによる作業者の削減
- AIの進化による作業者不要論
順番に見ていきましょう。
オフショア開発による人員の削減
まず、初めに挙げられるのがオフショア開発によるプログラマーが削減されるという話です。
おそらく、2019年現在では他の2つの理由に比べて、最も人員削減が進んでいる理由になるでしょう。
しかし、オフショア開発を試みる企業はあるものの、多くの企業がオフショア開発のノウハウを確立できていません。
そもそもオフショア開発のメリットは以下の通りです。
- 人件費が安い
- 人材を確保しやすい
- 言語障壁が低い(プログラミング言語)
この中でも最もオフショア開発のメリットとして挙げられるのが、人件費が安いためです。
しかし、オフショア開発の委託先の多くは新興国のため年々賃金が上がっており、以前と比較するとオフショア開発のメリットは薄れてきています。
新規でオフショア開発に臨む企業はあると予想されるものの、プログラマーの仕事をなくすほどオフショア開発のノウハウが確立できるとは到底思えないのが現状なのです。
コード生成自動化ツール
また、自動でコード生成をする技術の発展がどんどん進んでいるため、将来的にコードを書く人は不要になるという意見もあります。
では、こうしたコード自動生成ツールが発展していくことによって、プログラマーが削減できるか?と言われると正直難しいという意見になります。
なぜなら、こうしたコード生成ツールは標準的についていない機能については対応できないためです。
コード生成ツールに全ての機能が盛り込まれたら、プログラマーが削減できるだろうという意見が出てくるかと思いますが、そちらも難しいでしょう。
なぜなら、現代の需要は目まぐるしく変わっていくため、昨日存在しなかった需要が今日突然存在するようになったということがあり得るためです。
こうした突然現れる需要にまで既存のツールで全て対応することは事実上不可能です。
コード自動生成ツールで多少のプログラマー削減は可能かもしれませんが、最終的には人が設計しなければ難しいでしょう。
AIの発展によるプログラマー不要論
最後にAIが発展することによって、プログラマーが不要になるという意見もあります。
こちらの意見に関しては、正直最も可能性がある話であると感じるものの、日本企業が導入するかは大きな疑問という結論です。
例えば、プログラマーとして仕事をするのであれば、必ず知っておくべきGitやSVNというバージョン管理ツールがあります。
しかし、未だに大手のIT企業では、こうした便利なバージョン管理ツールを使っていません。
したがって、プログラマーの数が減ることは十分にありえるものの、なくなる仕事とも言えないのです。
需要の高いプログラマーになるためには
では、将来的にも活躍できるプログラマーとはどんなプログラマーなのでしょうか。
ここまでもお話してるように、プログラマーの仕事はなくならないとしても数が減ることは十分にありえます。
将来的にも長く活躍するためには、需要が高いプログラマーになっておく必要がああります。
今後も需要が高くなると予想されるプログラマーは大きく分けると以下の3つになります。
- ビジネスの観点を持てる
- エンジニアとして幅広い知見を持つ
- RPAやAIなどを使う側になる
ビジネスの観点を持てる
まず、1人の技術者である前に、ビジネスマンとしてプログラマーをする人は今後も需要が高いと言えるでしょう。
もう少し詳しく言うと、顧客や社内の人が何を求めているか?を理解した上で、課題を解決するシステムを作ることができる人です。
こうしたプログラマーは独立しても仕事を継続的に獲得できる場合が多く、会社に頼らずとも仕事を受けることが可能になるでしょう。
常に相手の課題は何で、どのようにして解決するとベストか?を考えながら仕事を進めていきたいところです。
エンジニアとして幅広い知見を持つ
また、エンジニアとして深い知見がある人も価値が高くなると言えるでしょう。
なぜなら、エンジニアは使う技術を決める上でも、過去にその技術を使ったことがあるか?は重要な判断軸の1つになるためです。
したがって、様々なプロジェクトに関わり、多くの技術に触れている人はどこの企業でも重宝されます。
幅広い経験を積むためには、主に2パターンあるかと思います。
- 受託開発企業で様々なプロジェクトに関わる
- フリーランスとして活動する
受託開発は、様々なプロジェクトに関わりやすいものの、企業によっては軸となる技術を作ることが難しくなる可能性も否定できません。
一方、フリーランスは自分で案件を選べるものの経験やスキルがない状態でなるのは難しいため、一度は企業に就職を考えるといいかと思います。
RPAやAIを使う側になる
また、最後にRPAやAIを使う側のエンジニアになるという方法もあります。
実際、冒頭で表示した経済産業省の資料でも先端技術が使える人材は量も質も不足すると予想されているため、どこの企業でも必要とされます。
こうした先端技術を扱うエンジニアになるためには、地方では就職・転職のハードルが高い現実もあるため東京で働くことを考える必要が出てくるかと思います。
また、他の選択肢と比べても最初からAIやRPAの技術に触れるのは難易度が高いため、エンジニアを数年経験してからチャレンジするのも良い選択と言えそうです。
需要の高いプログラマーになるためにも開発の経験は必須
上記で上げたような需要のプログラマーになるためにも、まずは開発の経験を積むことはほとんど必須といえます。
したがって、まずはプログラマーとして企業に就職することを考えたいところです。
未経験からエンジニアになるステップについては以下の記事で解説しているので、ぜひとも参考にしてみてください。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- スキルの高いプログラマーの需要は今後も伸び続ける
- プログラマーが完全に不要になることはなさそう
- 需要の高いプログラマーになるには以下の3パターン
- ビジネス的な視点を持てる
- 技術に関して幅広い知見を持つ
- AIなどの最先端技術に関わる
- 何をするにもプログラマーの経験は必須
プログラマーの需要は今後も伸び続けますが、プログラマーになったから安心というわけではないという結論でお話を進めてきました。
プログラマーは不要になるという話もありますが、個人的には「なぜ将来プログラマーは不要と言われるのか」でもお話したように、しばらくは現実味が薄い話だと思っています。
しかし、今後、どんな技術が使えたとしても一生安泰ということはありえないので、プログラマーになるなら学習し続けることは必須になります。
もし、プログラマーになりたい!と考えるなら以下で、具体的な学習方法も解説していますので合わせてご覧ください。
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