スーパーバイザー(SV)と聞くと一見かっこ良く華やかで、店長のワンランク上的な立場のポジションのような印象を受ける。
店長を取りまとめる頭のキレる仕事。企画・立案で皆を引っ張るリーダー、そんなイメージが先行します。
しかし、すでにSVを経験したあなたならよくご存知でしょう。SVという仕事の厳しさを。
もしあなたがスーパーバイザー(SV)を辞めたいと思っているのなら、取れる選択肢としては基本的には以下の2つです。
- 転職する
- FCオーナーになる
そして、SVをやっているあなたならよくご存知でしょう。FCオーナーの厳しさを。
なので、SVの仕事に我慢ができないのなら、転職するのが最有力候補になります。
とはいえいきなり会社を辞めるのではなく、まずは転職エージェントに相談して、転職先を確保してから辞めることをおすすめします。
おすすめの転職エージェントも載せておきますね。
この記事では、スーパーバイザーの仕事がきつい理由や、スーパーバイザーから転職するのにおすすめの転職先などを紹介します。
スーパーバイザーのここがきつい!
ここでは、スーパーバイザーのきついところを5つ紹介します。
ノルマがきつい&オーナーと本部の板挟みにあう
とにかくSVには担当のエリアの店舗の売上・利益を伸ばすことが求められます。
加えて、本部からイベントを催す企画が降ろされてくると、売上とは別にイベント商品を売り切る数字ノルマを課されることもあります。
ただでさえオペレーションと日々の売上で切り盛りしているのに、その上にイベント商材の販売コンペなんかも起こってくる。夏の◯◯うどんだとか、クリスマスケーキだとかいったもの。
本部側も在庫をはかしたいものだから、売れや売れやでどんどん圧がかかってきます。
しかも、目標達成はSVの力量よりもFC店舗次第みたいなところもあり、売上の悪い店舗を担当するかなりときつい。
売上が悪いとFCオーナーさんから嘆かれ、上司からは叱責されます。まさに板挟み状態。
そもそも販売力の乏しい加盟店オーナーさんとかだと、その販売フォローなんかにも悪戦苦闘するもの。上司からの圧と下のフォローとで、まさしく気が狂いそうな激務の瞬間です。
もちろん、自分がアドバイスして売上や販売数が伸びたときには嬉しさも感じますが、それよりもノルマ達成のために無理矢理にでも店舗に仕入れさせないといけないときも。
どれだけ自分が頑張っても成果が出ない時はやる気が失せ、辞めたいと思うことも多々あります。
24時間・休日関係なく連絡がくる
クレーム対応や店舗からの相談にのるのもSVの業務です。
特にコンビニなどの24時間営業の店舗のSVをやっていると、深夜だろうが休日だろうが関係なく連絡が来ます。対応しないわけにもいかないので、結果として自分の時間が減るハメに。
人によっては気が休まる暇もなく、常に疲れているような感覚に陥っていることでしょう。
長時間労働になりがち
店舗の繁忙期や新店舗の開業のときにはSVも忙しくなります。当然、1日8時間の労働時間で足りるわけもなく残業をするハメに。
さらに、会社によってはみなし残業(固定残業代)制で、残業代がつかないなんてこともあります。
暇なときには割りと自由に働ける一方で、繁忙期の忙しさにはまいります。
偏屈したFCオーナーも多い
FCオーナーさんの中には相当偏屈した人もいます。
本部の意向をまるで受けつけようとしない人、何でも本部のせいにしようとする人、超絶短気でいきなりキレだす人、ホント様々なタイプの人間がいて取りまとめるのにもかなり苦労します。
一番厄介なのが、なまじ好調な売上を立てているが故に天狗になってるオーナー。
俺がお前ら引っ張ってやってんだ
みたいな感じでつけあがっている。かなり厄介です。
そんなイベントしか企画できないのか
ぐらいの事もどんどん言ってくる。
直営店と加盟店が隣接しているような状況で、加盟店の方が売上が立っている時には本部に対してボロクソに言ってくることも。
あのスーパーバイザーは駄目だ
直営のクレームがうちに来た
などなど。
ただでさえスーパーバイザーとしての激務で疲弊している上にこんな事で上司からもお咎めをくらう。
売上が良いのに叱られるという不条理な激務っぷり!
飲食店の場合は店舗業務をやらされることも
フランチャイズ系の飲食店の場合だと、まず初めに店舗研修を通じて一店舗での実務経験を経てから、徐々にスーパーバイザーへと昇格していくスタイルをとっている会社が多い。
そして飲食店は猛烈人手不足なため、スーパーバイザーが直接に店舗業務シフトインしないと回らないことも。
というのも、飲食店ではあまりにも激務過ぎるが故に辞めていく人間が後を絶たない。社員、店長はまだしもスーパーバイザーさえもバンバン辞めていく。
飲食店のスーパーバイザーって店長の上司に当たる立ち位置であるため、万が一店長が辞めた場合、一時的にせよその穴埋めのためシフトインしたりするなんてこともザラにあります。
例えば、4店舗を管理している飲食店のSVの一日はこんな感じでしょう。
- 7:00モーニング準備、人員不足のため直接A店へシフトイン
- 10:00そのまま大慌てでB店へ移動し、新人主婦のパートさんと二人で無理なランチオペレーション
- 14:00ほぼ強引に引き上げる形でC店へ移動。休憩はもちろん無し。食事は移動しながらオニギリを食う
- 15:00アルバイトがバックレたため急遽そのままC店の夜営業にシフトイン
- 21:00ようやくピークも過ぎたので、慌ててA店に戻り閉めの作業オペレーションの教育
- 23:00ようやく一日の業務が終了
正直体力勝負がほとんど。とにかく毎日の業務に追われ、体力的にも精神的にもキツい!
これじゃ辞めますわな。
スーパーバイザーの将来性は?
これだけキツいスーパーバイザーのお仕事。これを続けていったとして報われるのか?
年齢が上がると平均年収も上がるが…
年齢が上がればスーパーバイザーの平均年収も上がる傾向にはあります。
ただ、40代や50代になって、今の業務内容で年収500~600万円の見込みです。企業規模によってはもう少し年収が高いかもしれませんが、その年収が業務内容に見合っていると思うのであれば続けたほうがいいでしょう。
ただし、コンビニ、飲食、小売など、どの業界でも競争が激化しているので、SVにかかる負担は今後よりいっそう増えるかもしれません。少なくとも減る可能性は低いでしょう。
- どのような働き方が理想なのか
- 年収は最低いくらぐらいあれば足りるのか
- 職場に求めることの優先順位はどうなっているのか
などを一度立ち止まって考えてみるのも悪くありません。
基本的には転職 or FCオーナーの2択
もしSVを辞めたいなら、冒頭でも紹介したように基本的には転職するかFCオーナーになるかの2択です。
FC本部での出世を目指すという方法もありますが、そのためには今のSVの仕事を続けて結果を出すことが必要となります。それが目指せるのであれば、わざわざSVをやめたいとは思わないでしょう。
そしてFCオーナーになるのも茨の道です。
コンビニのFCのように、FCオーナーにリスクを背負わせ、本部はほぼリスクなく儲かる仕組みとなっているものもあります。
もちろんすべてのフランチャイズがそういう構造になっているわけではないですが、店舗運営の難しさはよくご存知のはず。
初期費用も数百~数千万円程度かかることも考えると、転職するほうがリスクは少ないと言えるでしょう。
スーパーバイザーにおすすめの転職先や職種
スーパーバイザーから転職したいと思っている人向けに、おすすめの転職先や職種を5つ紹介します。
- 同業他社(今よりも大きな会社):まずはこれを検討すべし
- コンサルタント:今後も経営者と一緒に仕事がしたい人向け
- 営業職:不動産や業務機器に詳しい人向け
- 企画職:企画で売上や利益を伸ばした経験がある人向け
- ITエンジニア:20代で倫理的思考力が高い人向け
同業他社(今よりも大きな会社)
まず考えるべきは同じ職種で別の会社に転職することです。そうすることで、大幅な年収ダウンを防げます(※基本的に、未経験の職種に転職すると年収はダウンします)。
そして、規模やシェアが大きな会社ほど年収が高く、労働時間も厳しく管理されている傾向にあります。
実際に、コンビニ業界であればシェアと平均年収はきれいに比例しています。
今の業務量に不満はあるけど、業務内容には大きな不満がないのであれば、今の会社より規模が大きな同業他社への転職がおすすめです。
コンサルタント
次におすすめなのがコンサルタントです。
SVの業務内容は経営コンサルに近く、店舗の問題に対して仮説・検証・解決という日頃の業務で培った経験が活かしやすく転職もやりやすいでしょう。
顧客が今の会社と違う業界であっても仕事のやり方は似ているため、業界の知識さえ身につければ活躍できる可能性は高いです。
いろんな業界のことを知りたい、今後も経営者と一緒に仕事がしたい人におすすめです。
営業職
例えばこれまでの業務を通して
- 新規開業のときの立地選定に自信がある
- 店舗の業務機器に詳しい
などがあるのであれば、逆にFCオーナーに対して営業するというのもアリです。
業界でいうと、不動産業界や業務機器メーカーなどがこれまでの経験が活きやすいでしょう。
企画職
SVとしての企画で売上や利益を伸ばした経験があるのであれば、企画職もおすすめです。
どの業界のSVをしていたかにもよりますが、例えばコンビニのSVをやっているのであれば食品メーカーで商品開発に携わるのもいいでしょう。
実際に店舗でどういう商品が売れているのか、その生データを知っているからこそ提案できる内容もあるはずです。
20代ならITエンジニアに挑戦するのもアリ
これまでの経験は活かしにくいですが、まだあなたが20代なのであれば将来性も考えてITエンジニアに転職するのもおすすめです。
以下の画像を見たことがある人もいると思いますが、ITエンジニアは今後も人手不足が続くと予想されています。
ITエンジニアは2000年には国内で80万人弱いたのが2021年には約120万人と、ここ20年ほどで40万人以上増えています。それでも全く足りていないのです。
正直、未経験からITエンジニアに転職するハードルは少し高いものの、一度エンジニアとして経験を積めば転職しやすく、年収も上げやすくなります。
リモートワークもやりやすいため、大幅に仕事のやり方を変えたい人に向いています。
とはいえ万人に向いているわけではなく、20代の中でも
- 論理的な思考能力に自信がある人
- ちまちました細かい作業が好きな人
- オタク気質な人(他の人より熱中できることがある人)
が特に向いてます。
具体的に未経験からエンジニアを目指す方法は現役エンジニアの方が記事にまとめているので、読んでみて下さい。
転職先に悩んでいるならキャリアコーチングを受けるのもアリ
とはいえ、いきなり転職を考えるのもハードルが高いと思うかもしれません。
もしそうならば、1on1のマンツーマン形式であなたのキャリアにひたすら向き合ってくれるポジウィルキャリアを利用してみるといいでしょう。
ポジウィルキャリアを一言で表すと”キャリア版ライザップ”。最大で75日間、あなたのキャリアについて徹底的に付き添ってくれます。
転職・就活エージェントのように企業側からお金をもらっているわけではないので、あなたが理想のキャリアを描けるように二人三脚で悩みを解決できるように伴走してくれます。SNSでの評判も非常に高くなっています。
サービス内容はプランによりますが、自己分析だけのコースから、書類の添削・面接対策、入社後の活躍をサポートしてもらえるコースまで種類があります。
初回の45分カウンセリングは完全無料で利用できますし、人気があるので枠が埋まる前に早めに予約しておきましょう。
最後に|転職を考えているなら転職エージェントに相談しよう
もし本当にスーパーバイザーを辞めたいと思うのであれば、転職活動をしてみたほうがいいです。
何もいきなり今の会社を辞めるのではなく、転職エージェントに相談してみる、どんな求人があっているのか提案を受けてみる、そんなことから始めてみればいいのです。
そしていい求人があれば実際に選考を受けてみて、受かったら今の会社を辞め転職する。こうすればリスクが少なく転職できます。
年齢を重ねれば重ねるほど転職はしづらく、新しいスキルも身につけづらくなります。のちのち後悔しないためにも、今やれることはやっておくべきだと思います。
おすすめの転職エージェントを選んでおいたので、最後に紹介します。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴は、なんと言っても求人数の多さ。日本一の求人数を誇ります。一般の求人サイトには掲載していない非公開求人も10万件以上あり。
様々な職種、年齢、勤務地に対応しており、転職した者の2/3は一度は登録しています。
豊富な転職支援実績データに基づく選考サポートが手厚く、履歴書作成から面接準備まで転職のプロがサポートしてくれるので、登録しておいて損はありません。
カウンセラーの対応も迅速なので、働きながら転職活動をするのにうってつけのエージェントです。
doda
dodaは、転職者満足度No.1、人材紹介会社に関するポジティブな口コミ数でNo.1を獲得しており、職種ごとの多種多様な求人を保有しています。
求人数もリクルートエージェントに次いで多く、非公開求人を含めて約10万件。大手企業から中小やベンチャー企業まで幅広い求人を持っています。
履歴書、職務経歴書だけでは伝わらない人柄や志向を企業に伝え、選考通過を後押ししてくれるなど、転職成功のサポートも万全です。
転職活動に失敗したくない人や、次こそは長く働ける職場を探したいと考えている人などにおすすめです。
フミダス飲食
フミダス飲食はサポート対象となる人は限られていますが、特化している分サポート内容は強力です。
求人数は公開されてませんが、未経験から挑戦できる求人が多く、あなたの強みを引き出す力に秀でてます。
飲食業界出身のエージェントが担当してくれるため話しやすく、ZOOMや電話での転職相談も可能です。
履歴書・職務経歴書、志望動機や自己PRの添削にも強いので、他のエージェントを使って落ちてしまった人にもおすすめです。
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