客先常駐エンジニアは、様々な理由から不満が生まれやすい環境です。過去にSESを経験していますが、転職を考える人も多かったです。
しかし、意外にも転職後の話を聞くと「失敗した」と感じる人もいます。その中の多くは、転職前の準備不足を大きな理由として挙げていました。
SESは勤務時間を客先に合わせるため転職活動の時間も確保しづらいです
この記事では、客先常駐エンジニアが転職をするにあたって必要な準備と手順を解説します。
読み終えたときには、転職で何から始めるべきか?がわかるようになっています。
転職サイトに登録する前に済ませておくこと
転職を始めるなら、転職サイトへの登録は必要ですが、その前に「どんな転職を実現したいか」を明確にしないと必ず後悔します。
理想の転職を実現するにあたって、事前にするべきことは次の2つ。
- 転職したい企業の絶対条件・希望条件決め
- 理想条件を実現する手段を考える
転職したい企業の絶対条件・希望条件決め
転職活動では、数多くの企業と面談・面接を行うため、自分の軸がぶれやすくなります。
就職活動の初期段階には、「創造性を発揮する機会」や「意思決定を行う自由」などの属性を高く評価する傾向が見られた。
(中略)
就職先が最終決定した後で行われた三度目の調査で最優先されたのは、収入だったのである。
引用元:選択の科学
転職活動中に条件を変えてもいいですが、事前に決めることが重要です
どのように決めればいいか?については、次のような条件表を作ることがおすすめです。項目は自由に変更してOKですが、最低限以下の項目は用意しておくと良いです。
絶対条件 | 希望条件 | |
---|---|---|
給与 | 400万円 | 500万円 |
残業 | 30h/月 | 10h/月 |
休み | 土日祝 | 土日祝 |
雇用形態 | こだわらない | 正社員 |
事業体 | 受託、自社 | 自社 |
スキル | C, Java | Kotlin |
勤務形態 | 出社 | リモート |
服装 | 自由 | 自由 |
業務内容 | エンジニア | 管理職 |
理想条件を実現する手段を考える
絶対条件・希望条件が決まれば、どの希望条件を強く望むか?を考えます。
先ほど作った表の中で2~3つ、強く実現したい条件をチェックします。
絶対条件 | 希望条件 | |
---|---|---|
給与 | 400万円 | 500万円 |
残業 | 30h/月 | 10h/月 |
休み | 土日祝 | 土日祝 |
雇用形態 | こだわらない | 正社員 |
事業体 | 受託、自社 | 自社 |
スキル | C, Java | Kotlin |
勤務形態 | 出社 | リモート |
服装 | スーツ | 自由 |
業務内容 | エンジニア | 管理職 |
例えば、「年収」「勤務形態」「服装」を強く希望したとすると、転職以外にフリーランスという選択肢も出てきます。
最初に条件を整理しておくと、
- 企業を探す時
- 転職エージェントに相談する時
- 企業を決める時
に条件や優先順位を伝えやすくなり、結果的に自分が望む企業に出会いやすくなります。超重要なので、必ずしておきましょう。
転職活動で企業から採用したい!と思われる人材になるために
条件の良い企業は競争が激しいです。ヤフーや楽天、メルカリに簡単に転職できると思える人は少ないでしょう。
企業から欲しい!と思われる人材になるには、自分の強みをわかりやすく他人に説明できるように明確にしておくことです。
面接で落ちまくる人は自己アピールが上手くできないことが多いです
上手く自己アピールするためには、「自分の強み」と「キャリアの指向性」を揃えましょう。
- 「自分の強み」×「キャリアの指向性」とは
- 自分の強みの見つけ方
「自分の強み」×「キャリアの指向性」とは
エンジニアは論理的な人が多いため、転職においても「一貫性」「理由付け」ができると採用されやすいです。
以下のテンプレートに沿って転職理由が考えられているだけで、「この応募者の話は聞いてみよう」と思わせられます。
- 何になりたいか
- なぜなりたいか
- どんな経験を積めばなれるか
- そのために今どんな経験を積むか
- 転職によって叶えられる理由
具体的に見てみます。
①将来はマネージャーになりたいと思っています。②コードを書くことも楽しいですが、プロジェクトが上手く進むときのやりがいがそれ以上に楽しいからです。
③そのためには、汎用的な技術力を身につける必要があり、④今はバックエンドに捉われずフロントエンドにもチャレンジしたいです。
⑤御社ではスマホアプリをReactNativeで開発しており、またマネージャー職も応募していることから、将来的にはそちらの分野でも活躍したいと考えています。
本当はもっと細かく考えられるけどイメージはこんな感じです
転職活動を進めていく中で、何度もブラッシュアップしていくと面接官に納得してもらう説明ができるようになります。
自分の強みの見つけ方
自分の強みは過去の実績とセットで話すことがおすすめです。「なんか言葉に詰まる」という人は、実績を出せると説明しやすいです。
説明にはそれほど大した実績は必要ありません。思い返せば…くらいのレベルでOKです。
- 「〇〇さんは頼みやすい」と言われる→人当たりの良さが強み
- 「返事が早くて助かる」と言われる→対応力が強み
- 過去に会社で賞を受賞した→賞をもらった理由が強み
自分の強みがイマイチわからない場合はストレングスファインダーの実施をおすすめします。
客先常駐エンジニアから転職するときに登録するべきサイト
一般的に企業規模が200人以下であれば、企業サイトから応募すると採用コストがかからない分、少しだけ採用のハードルが下がります。
しかし、初めて転職活動をする場合、自己アピールを作るのが難しいと感じる人も多いです。
そのため、1つだけは転職エージェントサイトへ登録することがおすすめです。
- 転職なら実績豊富な「レバテックキャリア」がおすすめ
- フリーランスなら複数サイトへ登録するのがおすすめ
転職なら実績豊富な「レバテックキャリア」がおすすめ
地域 | 関東・関西・九州 |
年齢 | 20~40代 |
レバテックキャリアは、2021年の調査で「ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1」に輝くほど実績が豊富です。
僕も過去に利用したことがありますが、求人が7,000件と豊富なこともあり、希望条件に非常にマッチした案件を紹介してくれました。
エージェントに伝えた条件
- 関西で勤務可能
- できれば自社開発であること
- 継続的にスキルが伸ばせること
業界知識が豊富なためキャリア相談の質も他のエージェントより高く、「スキルアップをしていきたい」と話した際に、
- スペシャリストとマネジメントのどちらを目指したいか
- 技術を伸ばすならシステムリプレースを実施している企業はどうか
など、より具体的な企業イメージを持たせてくれたことも好印象でした。
あまり、おすすめできない点でいうと経験年数が1年程度だと、選択肢が狭くなることでしょうか。ただ、エージェントの腕次第なので、登録して損はないと感じます。
フリーランスは複数エージェント登録がおすすめ
もし、これからフリーランスを検討するのであれば、フリーランスサイトは複数登録することを強くおすすめします。
理由としては、同じ経験年数でもエージェントによって全然違う単価で紹介されるためです。
特に若手だとエージェントによってまちまちな印象を受けました
経験年数2年の場合
- A社:「40万円後半くらいでの提案になりそう」
- B社:「企業によっては60万円も狙える」
経験年数が5年以内であれば、年数だけでなく仕事の経験値も含めて判断してくれるエージェントの利用がおすすめです。
各社使ってみたところ、テックビズフリーランスとMidworksはかなり良かったです。フリーランスエージェントの詳細な比較は他の記事で行っています。
転職したい理想企業の「探し方」と「見極め方」
転職したい企業像を決めても、求人だけで条件に当てはまるか判断することは難しいです。目的に応じて企業の探し方を変えることが効果的です。
探し方によって出会う企業は変わる
ほとんどの人は、転職サイトを通して転職すると思いますが、転職サイトにはそれぞれの強みがあります。
- ベンチャー多め:Green
- 社内SE限定:社内SE転職ナビ
- ハイクラス:TechClips
- 距離が近い:Wantedly
- サポート厚め:マイナビ IT AGENT
転職サイトの強みがわかっていると、自分が登録するべきサイトも把握できます。
非常に転職サイトは数が多いので、以下の記事でそれぞれを目的別に紹介しています。
優良企業を見分ける3つの質問
自分にとって優良企業が他の人にとっても良い企業とは限りません。自分にとっての優良企業を見つけるには、企業の価値観を知ることです。
- 今の企業課題とどう解決したいと考えているか
- 自分を採用したらどんな行動を期待したいか
- 自分のキャリアの方向性でどんな前例があるか
これらの質問は、企業の価値観を確かめる上で効果的な質問です。これらの質問に対して曖昧な回答をする企業は注意しましょう。
口コミサイトを見るのもいいですが、生の声はイメージを固める上でも重要になります。事前にこれだけは質問しよう!という質問を用意することがおすすめです。
まとめ|転職に失敗しないためには事前準備が8割
今回は、客先常駐エンジニアが転職に失敗しないための事前準備について解説しました。まずは、求める条件の整理と自分のアピールポイントを明確にしましょう。
条件を明確にしないまま転職活動しても時間を浪費します
自分の強みは実績と掛け合わせて考えられると、「エージェントへの説明」「面接」にも具体的に話せるのでおすすめです。
また、今回紹介した転職サイト、フリーランスエージェントは以下の通りです。人気の求人はすぐに募集を終了するので、今すぐ登録するのがおすすめです。
おすすめ企業については、以下の記事でまとめています。合わせてチェックしてください。