経験が浅いうちから客先で1人で働く環境は、非常にストレスになります。
エンジニア業界では、1人で客先常駐をすることは残念ながら一般的です。しかし、だからといって「自分も我慢しなくては」と思う必要は全くありません。
営業や上司には「みんなやってるだろ!」と言われるかもですが
この記事では、「客先常駐しんどい…」「なんとかしたい…」と思ったときの取るべき行動についてお話します。
読み終えたときには、明日からできる改善方法がわかるようになります。
【前提】1人で客先常駐をするケースはよくある
IT業界では嬉しくないことに1人で客先常駐をすることは、特にめずらしくありません。
なんかもう、俺1人だけ客先常駐状態で、何から何まで従わなきゃいけない状態になってしまった
— まさ・∀・ (@mac6100111) January 19, 2021
正直、こんなのを4月末までやってたらマジで精神病んでどうにかなっちまう
客先常駐の民は、悩みを持った時にどこに相談すればいいのかわからんよな。1人現場だと尚更や。
— けむ (@kem_417yo) November 8, 2020
エンジニアにとってこの状況が好ましくなくても、法律でさらに規制強化されない限り今後数十年なくなることはありません。
何も経験を積んでいない状態であれば、安易に転職をしてもまた客先常駐で1人になることも十分考えられます。
職歴だけ増やすことにならないように、まずは自社内でできることから始めることをおすすめします。
「ここが辛い…」客先常駐のストレスポイント4つ
客先常駐の辛さは様々ですが、ざっと4つほど理由が挙げられます。
- 期待値が身に合わない
- 不明点を気軽に聞きづらい
- 昼休みや休憩時も気が抜けない
- 何度も関係構築をやり直す必要がある
ストレスポイント①:期待値が身に合わない
最も多いケースですが、自分の求められる期待値が高すぎることが挙げられます。
- そもそも指示の内容が理解できない
- 上司がいないから聞けない
- お客さんに聞いても「そんなこともわからないの?」という顔で見られる
- ↑のような状況を相談できる相手がいない
毎日これが続いて自分ができないことが原因と思いつつも、「できないんだから仕方なくない?」という気持ちになってきます。
結局仕事は終わらないし、罪悪感を抱えて家に帰って1人で悩んで…を繰り返すことになります。
ここは客先によって態度も結構変わるところですからね…
このケースに関しては「できないのはあなたのせいではありません」。
客先が悪いか所属している今の会社が悪いかどちらかです。罪悪感は感じると思いますが、ここは相談して客先を変えてもらうことも含めて検討したいところです。
ストレスポイント②:不明点を気軽に聞きづらい
経験が浅いうちは自分が疑問に思っている点が、
- 自分で調べれば解決できる問題か
- 他人に聞かないと解決できない問題か
を判断することができません。そして判断ができないと、聞かないとわからないことでも必要以上に時間をかけることになります。
虚無な時間を数時間過ごすことになるなんてことも…
お客さんのスタンスにもよりますが、ここはできない自分を受け入れるしかないです。開き直って質問をめちゃくちゃするというのも1つの手ですね。
ストレスポイント③:昼休みや休憩時も気が抜けない
リモートワークになる企業が増えてきてから「雑談の重要性」について語られることが増えてきました。
↑こんな記事もここ1年でかなり増えてきました。
しかし、客先常駐で働いていると、雑談はおろか昼休みや休憩時にも「変な行動は取れない…」と気を張りがちです。
その結果、働いている時間は常に緊張している状態のため、普通に仕事をするよりも遥かにストレスがかかる状態にもなりやすくなります。
ストレスポイント④:何度も関係構築をやり直す必要がある
辛いアサイン当初の日々を終えて、なんとか関係が良くなってきたかも?と思ったところで、客先変更が発生することもあります。
そうなると「やっと慣れてきたのにまた0からか…」とストレスがかかることになります。
いつ、自分はエンジニアとして1人前に仕事ができるのか…というストレスと戦いながら客先常駐するのは非常に辛いものがありました。
客先常駐が辛い・辞めたいと感じたときに取るべき行動
客先常駐が辛いと感じていたとしても、状況やストレス度合いによっても取る行動は変えるべきです。
営業が聞く耳を持たないのに相談しても意味ないですし、お客さんが教えてくれるのに転職活動をするのはおかしいことはなんとなくわかるはず。
自分のストレス度合いによって、取るべき行動は以下のように変わります。
- ストレス度20%:開き直ってとにかくお客さんに聞き倒す
- ストレス度40%:客先を変えることを営業と相談する
- ストレス度60%:転職活動する
- ストレス度80%以上:休職する
ストレス度20%:開き直ってとにかく客先に聞き倒す
まだなんとか頑張りたいな…と思える方は、開き直ってわからないことはわからないので、とにかくわからない箇所を質問しましょう。
経験が少ない人の最大の強みは「若さ」です。前向きに頑張ることを伝えると応援してくれる人も少なからずいます。
「忙しそうだから…」と気後れすることも多いですが、30分進まなければ聞くというルールを作るのも1つです。
どうせ5年後には1人も関わることはない…と開き直ることができれば強いです
ストレス度40%:客先を変えることを営業と相談する
「明日会社に行きたくないな」「また怒られるかな」と悩む方は、営業に客先を変えることを相談しましょう。
SESの強みは「客先が合わなければ変更することができる」点です。客先を変えたいと言えば営業には、いい顔はされないかもしれません。
まあ、その時点で営業もイマイチだな…という気もしますが
しかし、理解のある営業であれば、以下のポイントを押さえて話すと客先を変えてくれる可能性も十分あります。
- 自分が辛いポイント(残業が◯時間、客先に◯◯と言われた)
- 自分が高めたいスキルや案件のポイント
できれば、これに会社全体の方針を追加して話すことができれば、より効果的です。
- 先輩上司の〇〇さんが忙しそうだが、人員追加の話が出ていないか?
- 大手企業との関係づくりを強化したいとの話だが、その案件アサインは難しいか?
自社内で客先変更できれば、最も低コストで解決することができます。客先変更は一度検討したいところです。
ストレス度60%:転職活動する
「そもそも今の会社から抜け出したい」「SESを辞めたい」と考えるなら、転職活動するしかありません。
ただし、初めて転職活動をするとなると「何から始めればいい?」と迷う方も少なくないはず。転職活動にあたっては、以下の4つ手順で進めるのがおすすめ。
- STEP 1:転職企業の条件を決める
- STEP 2:理想の条件を実現するのは転職か考える
- STEP 3:自己分析する
- STEP 4:転職サイトへ登録・活動する
とりあえず、転職サイトへ登録すると自分の求める条件がぶれやすくなるため、希望条件を最初に出しておくことが重要です。
以下に転職活動の具体的なステップを解説しているので、合わせてご覧ください。
ストレス度80%以上:休職・退職する
- 「最近ぼーっとすることが増えた」
- 「24時間ずっと仕事のマイナスなことを考えてしまう」
- 「仕事中も時間が早く過ぎることだけ考えている」
このような人は、一刻も早く会社を休むことが重要です。
エンジニアになる人は一般的に責任感や向上心が強く、「自分がいなくなったら誰かに迷惑がかかる…」と考える人が多いです。
- 入社半年なのに辞めてしまったら…
- 十分なスキルもないのに…
- 会社から出ている給料の働きもできていないのに…
申し訳無さでいっぱいになるかもしれませんが、まずは明日休みの連絡を入れましょう。そしてできれば1ヶ月ほど休職することをおすすめします。
会社のことを考えて自分の精神を崩しては意味がありません
いつでも「最悪の場合逃げてOK」ということを頭の片隅に入れておくようにしましょう。
もしかして今の職場はやばい…?と感じる人は以下で脱出するべきか10個の基準を解説しています。
» SESから脱出するべき?転職の判断基準10項目と対策を解説
補足:プロジェクトの途中退職は「無責任」と感じる人へ
エンジニアは責任感のある人が多いため「退職したら会社やメンバーに迷惑をかけてしまう…」と心配するでしょう。
しかし、仮にプロジェクトが上手く行かないなら、それは営業や上司のスケジュール管理がミスっています。
まあ現場のせいにされることも多いですけどね…
「今の仕事は続けようとは思わないけど、途中で抜けるのもな…」と悩むなら、ぜひ以下の記事も読んでみてください。
» プロジェクトの途中退職は問題アリ?「無責任なヤツ」にならない4つのポイント
まとめ|客先常駐が辛いなら逃げ道の確保をしておこう
ここまで、1人での客先常駐が辛い理由と対処法について解説しました。客先常駐のストレスは正直、他人には理解できない部分も大きいです。
人それぞれ環境もスキルも違いますからね…
とはいえ、普通はスキルアンマッチの案件や経験が浅いのに1人アサインなんてことは起こりません。
スキルや経験年数がアンマッチ
→ 客先からの信用を得られない
→ 今後も継続的な付き合いをする気がない
→ アサインする人も使い捨てにしか思っていない
という考えが、今の会社であることも否定できないです。
やっぱり今の会社を抜け出すべきなのではないか…という人は、その判断軸についても以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。